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2009/10/16

イコライザーへの形而上的アプローチ(3)

 さて、イコライザーには、3点支持が付きものです。
 ロンビックのように幾何学的な特異性により平面が定義される事例は希で、空間中の平面は基本的に3点で決まります。

Img335a 前回の朝倉希一著「鉄道車両」にも述べられていたように、例えば3軸6輪を3点で支持しようというときは、左図が一般的です。6輪の中心に加わる車体重量が、この機構によってものの見事に6輪に均等に分配されます。
 モデルの世界でも、1950年代の昔から井上豊氏をはじめとした先達によって一般的になっています。

 ここで私が疑問に思うのは、この3点で出来る三角形の大きさです。
 車体の重量以外に遠心力とかブレーキ力が加わった合成力が、この三角形から外れてしまうことはないかという心配です。

 道路を走る三輪自動車の場合は、急ブレーキを掛けて急ハンドルを切れば転倒してしまいます。
 ですから、実物でも純粋な3点支持なら危ないのではないか、実物よりも遥かに乱暴な運転をするモデルで本当に大丈夫なのだろうか、という思いに駆られています。
 図の方式なら、少なくとも赤色で示した位置にバネを入れる必要は無いのでしょうか。

 ただし、前回の朝倉本にも、前々回の森・松野本にも、この心配に対する答が見つかりません。9600とかC51の頃に重心高さが問題になったはずなのに、それに関する記述がないのです。
 鉄道の曲線は自動車に比べれば遥かに大きく、急ハンドルを切ることは絶対に無い、だから3角形から作用点が外れることはあり得ないのでしょうか。またHO電車で、2箇所のボルスターを10mm程度の接触にしても、よほどの高速でも、カーブからぶっ飛んだこと以外に不都合があった経験はありません。カントがあっても一緒です。ということで、実物もモデルも無問題なのでしょうか。

 なお、ボギー台車で3点支持というときは、このイコライザーの3点支持とは全く別の問題です。中心ピンと側受2点の合わせて3点のことです。

 ところで、dda40x氏のブログでは、イコライザーとバネの優劣みたいな議論もありました。 ここでは衝撃が大きなファクターのようです。 この衝撃をO、HO、Nのスケールで比べてみます。

Undo 衝撃の強さを運動エネルギーの大きさだと仮定すると、それは1/2・m・v2です。ここで「m」は質量ですから大きさの3乗で効いてきます。「v」は速度で縮尺の1乗です。
 すなわち、全体では5乗となりますから、モデルの大きさが1/2になれば、単純に言えば運動エネルギーは1/32、1/3なら1/243です。
 OゲージをHOやNと比べれば、レールから受ける衝撃はこれくらいの差があるということになるのだと思います。

 小さな縮尺では全く問題にならない衝撃も、大きくなって、高速なら、桁違いな大問題となるということです。皆さんのお話を伺っていると、Oゲージの本線用はバネを併用した方が望ましいようですね。HOではどうなんでしょうか。

 まあ、こういうものでは計算でほとんどカタが付くので、大きな実物を小さなモデルで実験することはそれほどありませんが、流体の授業ではレイノルズ数やストークス式でデメンジョンがどうのこうのと苦しめられた記憶が甦ります(^_-)

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