モデル・レールローダーの10年
After the ten years, the Model Railroader magazine became a half thick, and lost 15 percent of the circulation. Nevertheless, its price has risen 20 percent. Do you knew the facts?
ウォルサーズHOカタログとOMIの10年を較べてみたことだし、次はMR誌でもやって見ようかというアイデアは本当に、単なる思い付きだったのです。
しかし、2000年と2010年の新年号を手にして、愕然としました。なんと、厚さが半分になっているのです。少し薄くなってきたと感付いてはいましたが、半分とはショックです。2000年は「スペシャル・ミレニアム」号だそうですが、それにしても酷すぎます。【画像はクリックで拡大します】
じゃあ、その前はどうなのかと、慌てて50年分の新年号を取り出してきました。加えて価格と、1999年から公開されている部数を辿ってみたのが次のグラフです。
ここで1984年や99年が飛び出しているのは、創刊50年や65年の記念号となっているためです。そこを避けて、もう一度やり直さないところが私の甘さですが、ご勘弁ください。
それにしても、とんでもない事態です。部数も11年で約20%も落としています。にもかかわらず、値段は+20%、1ドルも上昇ですか!
取り急ぎ、中身のページを数えてみました。
ウォルサーズ・カタログの様に明快なカテゴリーがあるわけではなくて、同じページの中に記事もあれば広告もあるという渾然一体ですから、目分量で適当に数えていることをお断りしておきます。"大手"などというのも勝手な思い込みです。
この結果を見ると記事も-23%ですけれど、広告は凄まじく-61.6%も落としています。これだからページ数を減らして値上げせざるを得ないということですね。
元凶はどの分野かと解析を試みたのですが、よく分かりません。大手のメーカーと通信販売店も影響が大きいものの、おしなべて減っています。特にブラスメーカーとネット専門通販店は壊滅です。
実感していただくために、広告索引のページを転載しておきます。左が2000年で、10年後には抜けている広告主にレッドラインを引いてあります。右は2010年で、グリーンラインは10年前には無い広告主です。こうしてみると、減っただけではないことが判ります。
なお、ボカしてあるところには一コマ漫画が入っています。
気になったのは模型店の数です。中古ブラスの売買を掲げている店は1/4に減って、巻末にずらっと並んでいる全米(一部は外国)の模型店数は、ほぼ半減です。店舗自体は存続しているのでしょうか。
記事の方は、予想通り車両加工が減っています。レイアウト・テクニックも落として、手を動かすというカテゴリーの衰退という図式となっているものの、号によって増減するところだと思います。
これらをネタに、いつものようにご託を並べようと考えていたのですが、新年早々、衝撃が大き過ぎました。それはまたいずれ。
【追記】とうとう2024年にKalmbach社は売却される事態となりました。このとき,言葉にできなかった想いを綴ってみました>>「MR誌とTrains 誌の身売りに思うこと」 2024-05-14
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コメント
☆ いつも楽しく記事を読ませて貰って
います。
walthersカタログ、MRの10年と
興味深い内容です。
SDTMもMRを1992年来購読して
いますが、ページ数の激減には気づいて
おりました。
ご存じだと思いますが、HPでの動画
等の記事を含めたコンテンツを
充実させて行く方向にシフトして
います。PDFファイルでの記事販売も
手がけており、出版業界の新たな動向
と連動しているようです。
時代が変わったというのが実感です。
>>コメントをありがとうございます。各誌とも紙媒体からの移行を模索しているようですね。電子データは保管と検索、それに語学の苦手な私のような者にとっては機械翻訳の便でも望ましい形なのですが……【ワークスK】
投稿: SDTM | 2010/01/05 03:02