京都にも巨大模型店が登場
新しく出来た模型店、ボークス ホビースクエア京都に行ってきました。昨年末、12月20日付朝日新聞で報道されたJR西大路駅近くの大きな模型店です。
案内地図にあった辺りで、まさかと思って確認したビルがそれと知ったときにはホント、ビックリしました。【画像はクリックで拡大します】
とれいん誌の2月号に紹介が掲載されましたから、店内の様子はそちらをご覧いただくとして、入って直ぐの吹き抜けホールにはNゲージのレイアウトがあって、モデルが走っていました。その背後にHOゲージのユニットレールが4重で敷設されていて、「レイアウト作りに参加しませんか」という勧誘があります。手の込んだミリタリー物やフィギュアもショールーム的に展示されています。
店舗部分に入ると、1階が鉄道模型で、2階がプラモデル・フィギュア・素材類となっています。
平日の昼間ということもあってか、客は1Fには皆無、2Fは数人です。右は入り口に置いてあったチラシの一ページです。
で、1Fの鉄道関係は、NとHOが7:3ほどの割合でしょうか。HOは天賞堂が目立ちます。1つのケースには「非売品」と表示された30両ほどがズラッと入っています。どなたかのコレクションとお見受けしました。
トミックスとカトーは箱に入ったままで、4割引のサシ481だったかが積み上げられていました。IKOMAとかFUJIの箱もたくさん見ました。
外国型はブラスだけです。「参考商品」と書かれているにもかかわらず値段が入っているという理解不能な表示で、Oゲージも含めて40両ほどでしょうか。同じものが10数年ほど前に、四条か心斎橋の大丸に陳列してあったような記憶があります。
パーツは、カツミをはじめ、エンドウ、アダチ、エコー、フクシマ、日光などと潤沢です。サンゴは無かったと思います。KSモデルの素材は見事に揃っていました。2Fにはエバーグリーンとプラストラクトがフルラインナップです。塗料はMr.カラーが見当たりません。
1時間ほどウロついて、買った物はプラスチックの丸棒480円だけでした。
ネット上で評判を探すと、同店スタッフによるブログ「ボクたちオトコノコ」、2チャンネルでは、「京都の模型情報 三条京阪【まったり】」、同じく2ちゃんねるで「ボークスホビースクエア大阪について」、関西在住の艦船模型ファンの「徒然日記2~モデラーの戯言byまいど!」、ミリタリー・モデラーの「模型の花道のブログ」、フィギュア系モデラーでは「まげろぐ」といった辺りが見つかりました。
鉄道模型ファンに関しては短い感想しか発見できません。
店舗面積自体は既にジョーシンのキッズランドを見ていましたから驚かないものの、問題は建物やショーケースなどの凄さですね。これほどまでに固定費を掛けて大丈夫なのでしょうか。
既に立川、東京、大阪と、3店も展開されているのですから、十分に採算に合うことが実証済なのでしょうけれど、平日とはいえこの客の入りでは疑りたくなります。
1970年代初めに金沢野町にあった北陸模型という店舗を指して、私の師匠である西尾博保さんが「日本一広い模型店」と言われたことを今更のように思い出します。当時は銀座の天賞堂も、目黒のカツミも、梅田のマッハも、京都のマツモトも、皆こぢんまりとしていたものです。
それが1986年、雲雀丘花屋敷に開店したモデルバーンの広さには驚きました。カトーがショールームを開店し、天賞堂が模型売り場を広げ、マッハが移転し、IMONがチェーンを拡大する中で、中古流通店が出現して、インターネットを利用した通信販売、ネット・オークションが始まりました。そして、いつの間にか家電量販店が扱うようになり、大阪日本橋には巨大なモデル専門ショップが既に出現しては いました。
今回の訪問で鉄道模型の1階には目新しさが見られず、まったく魅力を感じることが出来ませんでした。それがネットの反応にも現れているのだと思います。
しかし、これほどの規模で参入したのですから、必ずや手を打ってくるに違いありません。フィギュアやミリタリー物を生み出す製造ライン、それに全国規模で展開するショールームと通信販売部門、さらにオタク連中を陥落したノウハウを駆使して、絶対に仕掛けてくるはずです。それは過去にガレージキット・メーカーを軒並み壊滅させた破壊力を持っています。
天賞堂がイクスピアリの店を閉めます。小売りを縮小し、製造に特化するのでしょうか。
首都圏を中心に5店を展開しているIMONも動き出しそうです。
資本対資本の対決。とうとう我々の楽園も産業と呼べるほどの規模となってきました。その原因の一翼を担ったのは多分2001年に始まったJAMです。
ところで10年後に私のヨワイは……。
【追記】2009年12月20日付朝刊の朝日新聞南京都面の記事です。クリックで拡大します。
【追記2】1月26日の朝日新聞朝刊に拠れば、「書店、10年で29%減」と、本屋が急激に減っているとのことです。最も減少率の高かったのは和歌山県で46.7%、以下、山口、佐賀、秋田、大分と続きます。そういえば職場の入っているビルの地下2階にある大型店が2月16日で閉店だそうです。むむっ、模型店は……。2009-01-26
【追記3】2011年5月の再訪の様子もご覧ください。2011-05-06
【追記4】気に留めていなかったのですが、京都市内には他にも、たくさんの模型店があります。機会があったら寄ってみようと思い立って、その様子を掲示板に報告し始めました。2011-10-17
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