アサーン50周年記念列車セット
前回紹介した巨大な連接式オートキャリアーと、このセットにはパッケージの長さが60cmほどという共通点があって、私は一緒に本棚の上に置いていたのです。
手を伸ばしてオートキャリアーの方の箱だけを採ろうとした途端に、このアサーン列車セットを落としてしまいました。あちこちが壊れましたので、直しがてら、手を入れることとなったわけです。
さて、機関車で加工したところは、モーターと窓ガラスです。
動力装置の変遷は、レナハンズ・ロコモーティブ・レキシコン(本誌2008-08-21)に出ています。初期はゴムベルトでしたが、当時には既にモーターがスキューワインディリングになっていたりとソコソコ高性能になっていたものの、まあ"お約束"ということです。
使ったパーツは、1990年代中頃に巣鴨の"さかつう"が発売していたキャノンCN22両軸モーターとブラケットセットです。(こういうもののストックが潤沢なところは誇っていいのか、情けないのか‥‥)
鍵となるパーツは、モーター軸を3.2mmから2mmに変換するブッシュで、説明書にはロックタイトか瞬間接着剤で固定するように書いてありますが、私はエポキシを使ってみました。この硬化時間を除けば、あっという間に終わってしまう作業です。
なお、台車のブレーキシリンダーの内、第2軸用と第4軸用が車体のステップと干渉しますので、外しています。
窓ガラスは元の製品にはありません。American Model Builders社製レーザーカットの1mm厚アクリル板で、プラ金型の抜き勾配が、レーザーカット溝切の性質と上手く合致しているアイデア商品でした。ウォルサーズHOカタログの2010年版には抜けていますが、模型店を探すと売れ残っている可能性はあります。
モデルが塗装済みですから、品番228と229の2種類あるうちの後者です。ガラスの平面を揃えるのに若干の根気が必要なものの、これも時間は掛かりません。
コツの1つは、切り口をマジック・ペンで黒く塗って目立たなくすることとです。ガラスの厚さが判らなくなります。
もう1つのコツは、外れ易いところに接着剤として木工用ホワイトボンドを使うことです。説明書ではプラスチック用接着剤が指定されていますが、騙されたと思って一度試してみてください。このモデルは正面窓が難しいので特に有効です。完全な固着ではないものの、結構くっ付いてくれます。
キャブサイドの三角窓用サッシは、このままでは厚過ぎます。薄くスライスして張り付けるのでしょうか。
客車は、ウエイトとカプラーを弄ります。
ウエイトは、古いアサーンの客車特有の鉄板2枚で、1枚が平ら、もう1枚はZ形に曲げられたものです。今回は、もったい無いとばかりに流用しました。
ただオリジナルは取り付けがビス1本ずつという華奢なものですから、自動車用両面テープ(Scotch KCP-15)で貼り付ける方法に改めています。
Z形の方は、金床とカナヅチで平らにします。もちろん脱脂、ミッチャクロン・プライマー、上塗りをします。色は黒とすればよいのですけれど、緑缶が売るほどありますので‥‥(笑)
重さはRP20.1どおり、ドームカーとオブザベーションが245mmで170g、RPOカーが200mmで140gに調整しました。
カプラーは、台車マウントを車体取付に変更します。
スペーサーの厚さは2.5mmで、1.5mmと1mmのプラ板を貼り合わせました。不思議なことに、車輪のピボット軸長によって車体高さが変わります。プラ板は見えそうなところだけ黒のマジックペンで塗っています。
ドームカー貫通扉のビスは、車体と床板の嵌まり込みが緩くなってしまったので、固定用です。
カプラー自体は、ケーディーの#118です。上下のシェルフを取り去れば客車用のH型タイトロック・カプラー、密着自動連結器に看做せると製品説明書にあったことを試してみました。
上下の"棚"をニッパーでプチンプチンと切り取り、切除面をマジックでチョイチョイと塗ります。
まあ、知らないと誰も気が付かない部分ではあります。機能的にガタが無くなる訳ではありませんが、日本型でもブルートレインやコンテナ列車に使えます。なお、現在この#118はメーカーで廃番予定の大売出し中です。ウィスカー(猫ヒゲ)式の復元バネに切り換えるとのことです。
写真の一番右が普通のケーディーで、真ん中が密着自動連結器モドキというわけです。
一番左は、機関車の連結妻です、ここには下シャンクでスモール・ポケットの#37を使っています。先頭部は、こういう列車ですからダミーです。
以上で完成です。
ジェネシス・シリーズなどとは次元の異なる製品で、スケールとは言い難いものの、窓ガラスが追加されるなど改良されて機関車も客車も未だに売っているのには恐れ入ります。今回、加工した辺りをそれでどう処理されているのか、野次馬的な興味をそそりますが……。
このセットは、Cascade Green Forever!ではなくて、ガラクタ・ボックスに納めておきます。
Athearn 50th Anniversary Limited
【追記】F7正面窓のアクリル板は、綿棒で丁寧に拭いていましたけれど、指紋や汚れが取り切れていませんでした。
それで、掲示板(発言番号1403)でお伝えした小林製薬の「ふきふき」というメガネクリーナーの試供品を使ってみました。結果は次です。写真では表現し切れていませんが、現物では劇的な感動があります。それで表題の写真も入れ換えました。右上が従前のものです。
謳い文句は"ウェットタイプ"ということですが、中身の紙はホンの僅かに湿っている感じで、どちらかといえばパサパサしていました。アルコールということで乾燥が早いはずですから、拭き取り効果は開封後は長く保たないと思います。
また成分のIPA(イソプロピル・アルコール)が塗装剥離剤ということで心配した影響は、直接擦ってみたところ、紙には色が付かず、また塗膜にも変化はありませんでした。短時間の接触なら大丈夫でしょう。2010-03-20
【追記2】「メガネクリーナーふきふき」の塗膜への影響ですが、中には色落ちするものがあります。ご注意ください。木工ボンドがIPAで溶けるようです。2010-05-03
【追記3】「ふきふき」の20包入が348円でコンビニのローソンに並んでいました。普及してきたんですね。2013-01-17
【追記4】天賞堂の広告でアサーン製品が出ているものを見付けました。"とれいん"誌1979年の左が9月号で、右が11月号です。このカラフルさはカルチャーショックでした。2010-04-30
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