国鉄ブルートレインのプラモデル(1)
引っくり返して床下に貼った自前の名銘板を見れば、完成は1980年12月です。カニ24の連結器にベーカーが付いているところが時代を感じさせます。中間はカツミ式で、そのころ愛用していたものです。なお、次の写真の手前2両は既に車輪を交換した状態です。
30年前のことですから記憶が曖昧です。車体の構成はキットのままで、弄ったところはカニのガラベンを取り替えた程度です。
塗装は缶スプレーで、シルバーを吹いた後に、帯をマスキングして新幹線ブルー(青20号)を吹いたと思います。オシ24もホワイトではなくシルバーとしました。列車表示幕はキット添付のデカールで、意味も無く「あさかぜ」です。
車番は別に求めたインレタ、丸妻の窓縁に丁寧にグレーを入れているのに、テールランプはモールドにレッドを差しただけという手抜きぶりです。
次の写真は別の、友人から押し付けられた組立品をバラした状態です。屋根板が変色し、添付シールの帯がパリパリと剥がれ、軸孔のグリースがボソボソに固まっています。
当時、どうして車輪を交換しなかったのか、といえば、やはり値段でしょうね。ピボット軸の長さがちょうど良い製品は日光モデル製(軸長25.2mm)だったのですが、本体に較べて高価過ぎました。
それではということで今回、アメリカ型の車輪を取り出しました。
車輪径は860mm(=33")ですから、1/80では10.75mm、アメリカ型36"=10.5mmが使えます。この辺りも、1/80の発案者が目論んでいた効能かもしれません。
軸の長さはキットが25.0±0.3mmで、少し遊んでいますので、ちょっと長い25.8mmのプロト2000(品番#920-21257)を使うこととしました。車輪単体ではフリーロールしないものの、車両に組んで手で押せば、それなりに惰走してくれます。予め金属製の26mm軸を入れて、軸箱の上からカナヅチで叩き、スラスト寸法を確保しようという、涙ぐましくも、荒っぽい"おまじない"を加えてあります。
これなら、送料を入れても1両分400円を切るはずです。
ウエイトは、鉄板を床板の中に仕込む様になっていて、表面処理を何もぜずに30年を過ごしていますから、メッキでもされているのでしょうか。重さは、キットのままでカニが135g、その他が160グラムです。NMRAのRP20.1では、225mm長の154gと、261mm長の174gとなり、それぞれ19gと、14gほどアンダーですけれど、追加する上手い方法がないのでこのままとします。不都合があったらキャラメル形をデッキ部分にでも貼り付けるつもりです。
さて、このキットで一番残念なところは、窓です。
奥まったガラス面は興醒めですが、仕方がありません。これはコンコーやリバロッシの製品と共通で、当時の金型技術の限界でしょうか。TMS誌1980年3月号に中田博之さんという方の、スッキリと填め込み式に改造した作品が掲載されて、ビックリしたものです。
同じアリイのシリーズで485系特急電車は、この窪みがさらに大きく、私も買いませんでしたし、販売がブルトレや103系ほど長続きしなかった主原因はここだと思います。
この辺りの製品については、RMM誌1996年3月号の「鉄道模型考古学」で松本吉之さんが解説されていますが、発売開始の時期は判りません。フタに窓のあるパッケージは、初期発売分でオハネ、オシ、オハネフ。92年頃に塗装済み完成品で2,800円という、窓ガラス填め込み、ダイキャスト台車付が発売されたそうです。
ネットを検索すると、今でも同じような値段で売られていて、手際よく仕上げられた作品がたくさんアップされていました。
アリイはマイクロエースと名前が変わったものの、同社の製品リストには出ていません。
実は当時、EF65も弄り始めていました。しかし、この頃から仕事が忙しくなったのでした。
【追記】6両編成では、みすぼらしいので4両を増やして10両編成としました。続編をご覧ください。
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コメント
アリイのプラモデルは、最寄りの模型店ではオシ24ばかり大量に売れ残っていた記憶があります。
形式ごとの需要の差がわかっていても、射出成形は量産しないと利益が出ないので仕方なかったんでしょうね。
それから、名板は銘板の変換ミスでしょうか。
>>コメントありがとうございます。友人に押し付けられた未整備の2両はオハネとオシですから、このまま8両編成に組むとオシが2両となります。「モデルだからいいか」とも思いますが、悩みますね。
「名板」は、由来からすれば当然「銘板」ですね。ワープロの無かった時代に「銘」の字が煩わしかったので、こちらに慣れてしまっていて……(笑)【ワークスK】
投稿: YUNO | 2010/03/21 13:19