IHCリバロッシ製の流線形客車(2)
種々考えたのですが、結果的に採用した方法は、3.5mm程度のプラスチック丸棒を植えて、それにM2のネジを切り、ワッシャを挟んでビスで留めるというものです。。
3.5mmというのは、内径4.0mmの台車中心ピン孔を通して、かつ軸の中心にM2のネジ孔を明けることができるという条件から出てくる寸法です。
3.0mm径では、市販のプラ棒があるものの、ブカブカですし、また私の腕では芯にM2のネジを切れません。
で、ジャンク・ボックスをかき回して、とあるキットのランナー、スプルーを調達しました。断面が真円である必要はありません。ランナーはほとんどが3mm前後の中で、辛うじて約3.5mmのものがありました。やはり、こういうものは捨てないで取って置くに限ります。
この丸棒の先を少し尖らせて、車体の孔も細い丸ヤスリで適当に合わせます。接着剤を塗ってグッと押し込み、1日、固着を待ちます。
丸棒の出代は台車ボルスターの厚さよりも少し長めにニッパーで切って、その先をヤスリで平らにします。中心に1.6mmの下孔を明けた後、M2のタップを切ります。
台車を取り付けてみて、丸棒が長過ぎれば、ヤスリで削って調整します。
ところで、奇妙な点は、この中心ピンの位置です。
単純な2軸台車なのに、わざと車体中央寄に寄せています。巷間ではトレインセットの急曲線を通過させるためだと言われるものの、写真奥のコンコーの方は逆に車端寄へ偏っていますから、訳が判りません。単に、下回りの金型を3軸台車のヘビーウエイト客車から流用しただけ、と私は勘ぐっています。
これでは原理的に軸に軽重が出ますから、軽い方に荷重抜けが生じる可能性があります。しかし、新しい台車を購入するくらいなら、これらのモデルに拘る意味は現在では皆無です。
台車には、180度の回転を防止する回転止めのある方が、本当は便利です。
さて、この製品の製造は、ずっとリバロッシのはずです。発売元は、1990年前後がリバロッシ・ブランド、それより前はAHM(Associated Hobby Manufactures)です。発売開始の時期はハッキリしません。たぶん1970年代だと思います。
これらを弄った事例は、とれいん誌2004年6月号に"さかつう"の平林智さんによる記事があります。D&RGWスキートレイン用としてIHCのヘビーウエイト客車を徹底的に改造するものです。
なお、直近の発売元だったIHC(International Hobby Corporation)はどうも廃業したようです。昨年末のMR誌のフォーラムで話題となっていました。
かつて、これらの客車は、往年の大陸横断列車を再現できる貴重な製品でしたから、所有されている方も多いことだと思います。ショーティではないスケール通りの85'フィート、HOで300mmという雄大なボディにカラフルな塗装は、遙かなる彼の地への憧れを掻き立てます。
次の表はウォルサーズHOカタログ1987年版に掲出された、各ブランド毎の発売車種です。これをじっと睨んで、夢は荒野を駆け巡ったものです。
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