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2010/04/02

コンコー製スランバーコーチをユーレイに

The Slumbercoach model, Con-Cor's product, was motorized for a fictional BN train.

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 BN色の蒸機牽引列車をデっち上げるプロジェクトは、客車1両に動力を組み込んで“ユーレイ”とします。
 その車を本来なら機関車の直後に連結されるRPO(郵便車)やバゲッジ(手荷物車)としたかったのですが、両面テープで取り付けたウエイトが外れません。貼付直後なら剥がれたものの、時間が経つと本当に強固となります。
 ならばと、取り出したのがコンコーのスランバーコーチです。これを編成の3両目に連結しようと思います。【画像はクリックで拡大します】

 製品はコルゲート付ステンレス客車の「アンレタード」、すなわち、シルバーに塗られているだけで、マークやレタリングがありません。
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Okawa11_030b これにインサイドギア式の動力を2つ取り付けました。カツミの165系用で、ホイルベースは短いまま、電流が大き過ぎるDV181モーターも、当方の古いパワーパックならOKです。

 ボディの構造はIHC/リバロッシ製と一緒で、側妻と床板が一体となっていますから、動力部の穴を開けても十分な強度があります。
 車体高さも、そのままで他の車と合いました。
 レール面上の床下面高さは14.5mmで、カプラーのパッドは3mm厚です。

 BNのレタリングは、1970年当時のCB&QやNPから引き継いだ車両に施された実例に則っています。これがマイクロスケール社の品番87-25にありました。車番は適当です。
 側板腰部に貼り付けたプレートはプラ板0.3mm厚で、接着は変形が怖いので5分硬化型エポキシ系です。
 モールドの幕板プレートは、合併前の鉄道名が記されていたもので、BN時代は文字だけを消していましたから、これで実物どおりです。スカートは本来、切り取らなければなりませんが、面倒です。

 というわけで、お手軽に強力な動力部が完成しました。

 なお、寝台車なのにコーチ=座席車という呼び名は不思議です。
 スランバーslumberの意味は、Excite英和辞書を引くと「(すやすや)眠る; まどろむ」です。

 寝台車についてはWURE氏の「アメリカ旅客鉄道史」で詳しく解説されています。ここの「2. パレスカー・プリンス,2-3 車両の特徴,ツーリスト寝台」の項に拠れば、「半二階構造を活用して、一人用個室を24室、二人用個室を8室備えた定員40人の寝台車で、寝台幅は70センチとなったが、各個室にトイレ、洗面台を備えていた。勿論個室寝台ながら普通座席車運賃での利用を前提とした車両」とのことです。「ツーリスト寝台の謎」も併せてお読みください。

 ウィキペディアには、「バッド社(The Budd Company)が1956-1959年に18両を製造し、連結された列車はCB&Qのデンバーゼファーと、NPのノースコースト・リミテッド……」とあって、私のモデルは、このどちらかの成れの果てということになります。

Img_0634a NPの1両はイリノイ鉄道博物館に保存されていて、そのサイトで車内を含めて見物することが出来ます。右は先月に訪問されたdda40xさんが撮影された写真です。

 次はCar Builders' Cyclopedia 1957年版に掲載されているCB&Q車の外観と室内配置です。1人用のA室とB室が互い違いになっているところが分かり難いのですが、フランスの"Train Bleu"とか、日本でも似たようなコンセプトの車があったので、御理解いただけることでしょう。
Img442a

 ところで、モデルに関しては既にウォルサーズ社が今風の製品を発売していますから、コンコー製品に手を出すのは伊達や酔狂ということになります。

Train7909a【追記】"とれいん"誌1979年9月号の裏表紙、天賞堂の広告です。この頃は光輝いていますね。写真と印刷の技術も素晴らしかったし、TMSのB5版よりも大きな誌面の効果もあって、アサーン貨車のカラフルさと共に、まさにカルチャーショックでした。2010-04-30

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コメント

日本型バリバリのインサイドギヤーが入ったコーチを見てなんだかほっとしたというのが正直な感想です。米国型のモデルを弄る方の遊び方をよく知らないので意外性があったからです。でもなぜユーレイにしなければならなかったか、ありそうなのはテンダーをユーレイ化するとかですけど、あえて機関車を完全な無動力にしてしまうと言うのもいい選択だったのでしょうね。
当方は相変わらず真鍮工作に熱中しています。

>>コメントありがとうございます。時代遅れの古いストックを何とか活かそうと考えて、こうなりました。ブラスですか! 当方は指先の耐熱温度が元に戻ってしまいました。【ワークスK】

投稿: ぷるぷる | 2010/04/02 10:27

ごぶさたしてます。
DV181の2コモーターとは昔の日本型電気機関車と同様ですね。電流も強力でしょうね。ウチのEF70はDV18Cですが、単機で4V 0.8A位で起動します。客車牽引させるなら3Aくらいのパックが必要ですね。DV181は使ったことがないのですが、DV18よりも電流が大きい傾向なんですか?

>>コメントありがとうございます。当方の主力変電所である遠藤商店のスライドコントローラーで、2MのED70とか165系が走りましたから、当然のことのように大丈夫だと思っていました。改めて取り出してみたら、大きく「3A」のステッカーが貼ってありました。【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2010/04/03 12:51

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