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2010/05/06

ウィーバー製プラスチックモデル(2)

"O" scale Weaver Models' Alco FA-2 Locomotive & NE Caboose with Lehigh Valley scheme

Weavero_fa2c

  前回はウィーバー社製の貨車をお見せしましたが、問題は機関車とカブースです。
 私はHOゲージで西部のBNに拘っていますので、Oゲージは東部ということにして、両者共に製品化されている鉄道を探したのでした。【画像はクリックで拡大します】

 これ以前の1994年頃、GP38-2をサンタフェのGP38へ改造するキットバッシュを行っていました。これは、時代的にBNモノと被っていて、情熱が冷めてしまっていたのです。
 それで、手軽に1編成となる組み合わせは? と考えたんですね。

 そうすると、ちょうどその頃に新発売となったFA-2とノースイースタン・カブースでLV、リハイ・バレー鉄道が見つかったのです。ただし、運転台無しのBユニット(FB-2)は入手出来ませんでした。それでホッタラカシになっていたのですが、これを機会に完成させることとしました。といっても、単に窓ガラスとエアーホーン、それにカプラーを取り付けただけです。

Weavero_fa2m0

 上の写真はガラスを入れるために分解したところです。長いビス6本は床板取付用で、黒い門形2つとH形1つのパーツが車体補強というか、床板取付のスぺーサーです。また床板と燃料タンクはプラスチックです。

Weavero_fa2m1

Weavero_fa2m3  伝導装置は、ピットマン製モーターからユニバーサル・ジョイントで片方の台車に、さらにチェーンで2軸のギアボックス、さらに他方の台車へはまたユニバーサル・ジョイントという4軸駆動です。
 これはGP38-2と全く同じ構成で、ジョイントの進み角度が90度ではなくて、180度となっている点も一緒です。
 また、台車枠はプラスチックですけれど2点支持でイコライズします。

 この後のU25Bでは、各台車毎にフライホィール付のモーターを垂直に立てた構成となりました。もちろん、FA-2も同じで、床板が鋼板、台車と燃料タンクがダイキャストに変更されています。

 ところでアルコのFA-2には、競合形式であるEMDのFユニットに対して、模型として有利な点が2つあります。次の写真を見て下さい。緑色は旧アトラスのF9A、NPのローウィ・スキームです。
 1つは、切り妻側のオーバーハングの大きさで、これだけあればケーディーのポケットがゆったりと取り付けられます。Fユニットの方は、ショートカプラーとするか、ポケットを張り出させる必要があります。このF9Aではドローバーとしています。

Weavero_fa2g

 もう1つは、車体スソ部に設けられているステップの位置です。FA-2は、2つが完全に台車から離れていて、先頭寄の1つは台車枕バネと一致しています。ということは、台車のボギー回転で支障が出ないということです。Fユニットは2つがボルスターを少し外れた位置となっているため、モデルの急曲線ではブレーキシリンダーと接触しやすいことになります。

 ところで、このアルコのキャブディーゼルのデザインは“フラットノーズ”と呼ばれています。旅客用のPAと共に、GEの工業デザイナー、Raymond E. Pattenという人物が手掛けたとのことです。(Trains誌2001年9月号p62-69)
 EMDの“ブルドックノーズ”の方は、文献に固有のデザイナー名を見付けられません。車体を構成する曲線はどれも単純ですから、かのブロンバーグ氏あたりが適当にでっち上げたのでしょうか。

Weavero_fa2a

 さて、インジェクション・モールドの窓ガラスは、水溶性のホワイト・ボンドで取り付けました。ただ、接着部に予め塗っておいて、後から窓ガラスを嵌めるという方法では、不器用で接着剤があちこちに付着してしまいました。そこで一旦水で洗った後、所定位置に窓ガラスを置いて、その周囲に接着剤を爪楊枝を使って盛り上げました。乾くまで丸1日待つ必要はありました。
 指紋の汚れ除去には例の小林製薬「メガネクリーナーふきふき」を使いました。ただし、今度は拭取紙の方に塗料が少し付着しました。やはりIPAは塗料剥離剤ということで注意が要ります。試供品に較べて液体の量が多くなっている感じです。

 カブースの方は、ノースイースタン・スタイル、NE型です。WM、CNJ、RDGなど北東部の鉄道が多く採用しました。第一次世界大戦期に存在したUSRAの規格型を全鋼製に設計変更したタイプです。
 このモデルは妻面に窓がありませんが、LVには丸窓や角窓付もありました。

Weavero_lvcaboose

 窓ガラスが無いことと、板バネでない台車が残念です。最近の製品は窓ガラスが入って、ヤワかったエンドの柵も太くなっているようです。

 今回お見せした2両も“Oゲージの玉手箱”に収納しておきます。作りかけのGP38もご覧いただけたら幸いです。

Limg412b

 このFA-2については、dda40xさんのブログでも取り上げられたことがあります。
 あとは、走らせてみなければいけませんね。

【追記】ノースイースタン・カブースについては、定本であるMike Schafer著"Caboose"にちゃんと書いてありました。で、アメリカ型鉄道模型大辞典の方に記載しておきました。2010-07-26

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コメント

珍しい塗りをお持ちですね。
この機関車のチェーン・スプロケットが割れやすいのですが、大丈夫でしょうか。
シャフトにローレットを切って圧入してあるのですが、それが時間が経つと割れてしまいます。割れていなければ、今のうち抜き取って、ローレットを削り取り、優秀な接着剤で付けてしまうことをお勧めします。
それと、集電ブラシが強すぎて、かなり電流を流さないと起動できません。

私は下回りを完全新製しました。

>>そうですか。パワートラックのホイールも割れるそうですし、プラスチックは難しいものです。またモーター固定用のインシュロックも緩んでいます。そんな理由もあって最新製品は2モーターになっているのでしょうか。そのBユニットを入手して、このAユニットをダミーとする手が……(笑)【ワークスK】

投稿: dda40x | 2010/05/08 21:09

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