カトーのユニトラックで緩和曲線を(2)
I have developed a simple method of converting the Unitrack to easement curves. It just put several cuts.
日曜なのに、いつになく早く起き出したので家人に訝られてしまいました。ホームセンターに出掛けて、ジグとする集成材の板と木ネジを買ってきました。
その前にまず、残りの線路ユニットに切込みを入れます。2本のレールの間は、ピンバイスで1mmの小孔をあけて糸ノコ刃を通します。レールの下は、糸ノコ刃を上に向けて削り取る要領です。
位置は、前回示した5箇所で、その一番近い枕木の直ぐ横、際(キワ)です。
ユニット端部の切込み位置を接合構造から10mmだけ離している理由は、継ぎ板の糊代確保です。【画像はクリックで拡大します】
次に切込みを入れ終わった線路ユニットを、ジグの集成材板に固定します。接着剤が固まるまでに時間が掛かることを見込み、1エンドレス分の4セット8本を一度に固定できる面積が必要と考えて、大きさは400mm×600mmとしました。1,600円ほどです。
ソコソコの力が加わりますから板厚は少し厚めの18mmで、木ネジは頭が丸形の3.1mm径×25mm長です。レール高さを含めたユニトラックの厚さが10mmで、15mmが埋まり込み、さらに3mmの余裕があります。
線路ユニットは、裏返しで固定します。これは継ぎ板を貼るためです。
木ネジは、切込みスリットが全て閉じる様に線路ユニットを押し込んで位置を決めます。ユニット1本に木ネジ5本が必要でした。木質が柔らかかったので木ネジを押し込むのは容易です。
これでも線路ユニットのスリットが開いているようなら、木ネジに厚紙を噛まします。
継ぎ板は1mm厚のプラ板で、幅は20mmとしました。この辺りは単なる見当です。
長さは、道床の斜めの部分が5.7mm、水平部分が20mmですが、ユニットの補強などが干渉して工夫をしなければならない箇所があります。直線ユニットは向きを選ぶことにより、継ぎ板の配置が楽になります。写真の一番左が失敗例です。
左から3つ目の曲線ユニットは、切り込み位置を間違えてしまい、継ぎ板が増えています。
浮き出しのモールドを削らなければならない箇所もあります。
接着剤は13mmゲージャー連中の前例に倣って普通の流し込みタイプ(MEK系)です。これはユニトラックの材質がABS樹脂ですから、dリモネン系は不可です。
タップリと流し込み、プラスチックが溶けた頃を見計らって、保持具とした木板の上から押し込んでいます。
と、朝から始めて、夜10時には終わっていました。
念のため、このまましばらく置くつもりです。
【追記1】前回お見せしたMR誌2010年6月号の説明図(右)をヨクヨク眺めると、何か変です。
直線と曲線の各々の延長線がどこまでいっても重ならず、定規の厚さ分だけ平行線‥‥という問題はヒトマズ置いて、緩和曲線のうちで、直線用ブロックの付け根が急曲線に見えまています。
そうです。これは、構造計算(材料力学)における単純な片持ち梁ですから、曲げモーメントによって、梁の付け根が最もキツい曲がりとなるはずです。
すなわち、緩和曲線での定規の使い方が逆で、固定端を曲線寄、すなわち、定規をD点で接線方向に固定するのが正解ということです。
どなたか、正しい定規を設計して、雑誌社に送りつけてもらえませんかねぇ(笑)
さらに直線と曲線のオフセット寸法が2%というのは、3次曲線では1.4%ですし、1/2:1/2というLの振り分けも44:56程度となります。こちらはサイン曲線か、クロソイド曲線に拠っている可能性がありますので、迂闊に判断は出来ません。
まあ、これがまかり通るほどに緩和曲線は「イイ加減でOK」ということです。
それにしてもこの図を描いたRick Johnsonさんの眼力たるや凄いものです。
Are you familiar with Strength of Materials? See the Model Railroader magazine's June 2010 issue, page 24, Bob Kingsnorth's "Build an adjustable guide to draw easement curves." If you know the design of cantilevers, you may be able to understand what I am saying with attached drawings.
【追記2】棒材を曲げて緩和曲線を生成するこの方法をMOROP、ヨーロッパの鉄道模型規格に見つけました。NEM113(pdfファイル)です。もちろん、正しく、カーブ接続側を保持して、直線側をフリーとしています。また棒材の断面は全長にわたって均一で、これまた3次曲線の理論に合致です。ただし、それについての言及はありません。
改訂が2007年というのですから、MR誌の2010年6月号よりも3年も前で、あちこちから指摘の声が上がったはずです。訂正のコメントは出たのでしょうか。
なお、同じ半径でも、オフセット量(図の"f")を、9mmや16.5mm、32mmといった軌間により加減して緩和曲線長(同"L")を変化させている理由は、車体長を加味しているのだと思います。
また図右の、曲線半径(同"R")を"f"だけ減じるものは、かつて日本の鉄道でも用いられた、既存の曲線に付加する手法に相通じる考え方だといえます(緩和曲線の測量学(1)を参照)。2013-04-24
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コメント
矢継ぎ早の更新で見落としていました。
確かにこの図の方法はおかしいですね。曲線の方に丸いホルダーを当てて、直線に添わせると良いかと思います。
ここは栗生様が直接もの申した方が良いと思います。
Model Railroaderのホームページからcontact usに入って、書き込めば簡単です。
返事が来たら図を送ってやればよいでしょう。すぐ訂正が載ると思います。訂正が早いのは、この雑誌が優秀である所以です。
>>コメントありがとうございます。事実は予想を越えるというか、調べていくと面白いことも判ってきました。もう少し続けます。【ワークスK】
投稿: dda40x | 2010/05/13 07:32