カトーのユニトラックで緩和曲線を(4)
線路は、今まで3回にわたって作ってきたカトーユニトラックの緩和曲線付790mmRのエンドレスです。これを製品のままの単円のみと比較します。
動画は全部で6本をYouTubeにアップしました。単円曲線と緩和曲線の対を、右回りと左回り、さらにカーブ出口です。
ソコソコのノイズが出ていますから、音量を絞られた方がよいと思います(笑)
先ず、右回りの単円曲線です。
右回りの緩和曲線付です。
左回りの単円曲線です。
左回りの緩和曲線付です。
曲線出口で単円曲線です。
曲線出口で緩和曲線付です。
さあ、どうでしょう。
緩和曲線付のスムーズさを実感していただけたでしょうか。
実は先日、某電鉄の主任技術者からトンでもない話を伺いました。
明治のインタアーバンには、緩和曲線がなかった。概念自体がなかったというのです。
どうして? との問いに、
「30km/h以下の速度で、緩和曲線は不要!」
カントは?
「あった。
逓減率(ていげんりつ)1/400として、100mmのカントなら、曲線に入る手前の20m、入ってから20mの計40mで100mmを持ち上げた」
今でも当時のまま残っている区間があるけれど?
「‥‥」
と、全くもってアッケラカンと言われてしまいました。
まあ現在は全くゼロということではなくて、緩和曲線長が不足している箇所があるということのようですが、モデルで導入を呼びかけたい当方としては、まさにガックリです。
それもあって、今回お見せした動画では、その効果を明確に示せていないように思えてなりません。皆さんはどうご覧になられましたか(笑)
なお緩和曲線無しでカント付きは、Nゲージで発売されたカトーやトミックスのアプローチ線路と一緒であるものの、カントの始点が異なっています。
【追記】カント逓減率について指導が入りました。1/400は基準の上限値で、普通は1/600とか1/800だそうです。もちろん、分母が大きい方が安全サイドということは、皆さん容易にお判りいただけると存じます。2010-05-17
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コメント
明治の開通時は軌道法で敷かれた線路ですよね。複々線化前の大阪方の古い地図などを拝見すると、市電と変わらないような曲線でしたね。路面電車の少し高規格という程度のものなら、緩和曲線の概念がなかったといわれて、何となく納得してしまいそうです。
阪神も箕面有馬も開通時はよく似たものでしょうか。
>>リバプール&マンチェスター鉄道とか、新橋・横浜間でもどうだったのでしょうか? 緩和曲線を発明した人物を知りたいですね。【ワークスK】
投稿: ヤマ | 2010/05/15 23:38
もっと大雑把な緩和曲線を、無改造の組み線路だけで作ったことがあります。
品番や寸法は忘れましたが、ポイントと組み合わせて使うための、半径がかなり大きい曲線レールが既製品にありました。(今でもあるかどうかはわかりません)
それを直線と本来の急な曲線の間に1本入れるだけで擬似的な緩和曲線ができあがります。
こんないいかげんな緩和曲線でも、カーブの出入口での連結器の偏倚が小さくなり、列車の挙動も実感的になりました。
>>ユニトラックの「R867-10°(2本入)」ですよね。この角度が22.5°あるいは11.75°だとエンドレスに使えるのですが……【ワークスK】
投稿: YUUNO | 2010/05/16 13:38
Nですけど、R348-30の出入り口にR481-15、R718-15を入れていますが、出入り口での動きは、大幅に改良されて、すごく実感的になります。後台枠固定の大型連接機とかだと特に大きいですね。
>>そうですか。Nには大きな半径が揃っているのですね。R718とは余りに贅沢な!(笑) HOでもR1000とかR1600とか、増やしてもらえないでしょうかねぇ、カトーさ~ん。【ワークスK】
投稿: IWA | 2010/05/16 23:10