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2010/06/30

明治人の触れたニューヨーク市街鉄道

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ニューヨーク市街鉄道1896年 画像の出典

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YouTube動画「1890-1900年代の素敵なニューヨークのカラー

 前回紹介した松井柏軒(松井広吉)著「米国漫遊雑記」1901年(明治34年)刊の内容は、英文なら今でも容易に知れるものなのかもしれませんが、我々にとっては、少なくとも私にとっては、日本語である点がすこぶる貴重です。
 寝台列車に劣らず、ニューヨーク市内交通の章も感動モノです。まさに馬車からケーブル、路面電車、蒸機牽引高架鉄道、さらに地下鉄へと変遷する過渡期の様子です。
 日本では最初に京都で電車が走り始めたのが1895年、名古屋が1898年、川崎の大師が1899年、大阪と東京の路面電車は1903年ですから、市井の人々が電車なるものを見聞きし始めた頃でしょうか。
 これを例によって、読み易いように加工してご覧に入れます。写真はネット等から探し出した、それらしいものです。
 また、汽船と汽車の接続について、我彼の差を嘆じた章も付け加えておきます。【画像はクリックで拡大します。長文です】

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2010/06/26

明治人の乗ったアメリカの寝台列車

Sleeper

Photo

 国立国会図書館の近代デジタルライブラリーに、1900年にアメリカを巡った文筆家と思しき人の旅行記がありました。松井広吉著「米国漫遊雑記」東京:博文館、1901年(明治34.1)刊という本です。

 この寝台列車に乗った章が面白いので、例によって読みやすく加工してお見せします。
 写真版も添えられているのですが、鉄道に関係のないものばかりで、しかも不鮮明ですので、手持ちのJohn H. White, Jr.著"The American Railroad Passenger Car"から、1900年前後のものを選んで添えてみました。客車は木造で、この後に鋼製車のヘビーウエイト時代になるのだと思います。【画像はクリックで拡大します】

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2010/06/22

明治人の読んだアメリカ鉄道王たち

Several American railroad tycoons appeared in biographies written in the late Meiji Era, arround 1900. Jay Gould, Vanderbilt, Stanford, Huntington, Hill, Harriman & etc.
 国立国会図書館の近代デジタルライブラリーを繰っていると、偉人伝とか立身出世話を多く目にします。時代の空気ですね。
 特に米国モノは、アメリカン・ドリームということで、ジェームズ・ヒル、バンダービルト、スタンフォード、ハンティントン、プルマンと、我々の知っている鉄道王たちが目白押しです。

Jay Gould その中で驚いた人物がジェイ・グールドです。現代の日本ではほとんど知られていない上に、以前読んだ文献では悪徳投資家の評判ありで、全く意外でした。9冊にも出てきて、中で「皇民読本」は学校の教科書ですよね。
 ことに、死の5年後に著された1冊丸ごと「鉄道王グールド」南海生著は、生前の悪評を知っているにもかかわらず、ベタ誉めなんです。肖像は本書からの転載です。

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2010/06/19

京都のマツモト模型はワンダーランド

The established model shop Matsumoto in Kyoto, assorting very different items from others.
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Img_6827c  出町柳に出掛けたついでに、寺町通のマツモト模型に寄ってきました。
 数年前に初代の奥さんと2代目の松本明さんが亡くなったと伺っていましたから心配していたものの、2代目の奥さんが元気にやっておられました。【画像はクリックで拡大します】

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2010/06/17

京阪電車開業1年目の評判

The Keihan Electric Railway that just launched, was shown in a book published in the Meiji Era 1944 for the industry.
淀城址

Photo_2  国会図書館の近代デジタルライブラリーに面白い本を見つけました。京阪電車の開業1年後という明治44年(1911年)9月25日発行、著作者兼発行者大久保透(高城)という「最近の大阪市及其附近」です。
 評論を加えて、大阪市の行政など、あらゆる方面を概観している文章は、まあ、当時の一般的な認識とは言い難い面もあるとは思います。この最後に4私鉄の話が出てきます。著作権が切れていることを良いことに、ここの京阪の一部を抜き出してみました。【画像はクリックで拡大します】

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2010/06/12

モバイルギアの14年間

My 14-year relatedness with a NEC Mobile Gear (PC)
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 このブログの文章を綴ったり、長年使い続けていた携帯パソコンがトラブりました。とうとうオダブツか! と思ったら、蘇生してしまったんですね。本当にタフです。
 物は、NECのMobile Gear MC-K1で、1996年に購入しました。ウィンドウズではなくて、MS-DOSマシンという時代物ですが、テキストだけならこれで充分なのです。【画像はクリックで拡大します】

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2010/06/09

緩和曲線の測量学(2)

A histrical study of railroad transition curves, part 2

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Photo  国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで、「緩和曲線」という検索語にヒットした書籍の内、石井槌太郎著「理論応用緩和曲線」(1901年刊)の緒言(5コマ目)には次の様な記述があります。

「……官線および山陽線は、円曲線の両端に緩和曲線を、勾配変換点に縱截(じゅうせつ)曲線を用い、また新たに発布された鉄道条例中にもこの条項がある。これらが各鉄道にも適用されるときが来た……」【画像はクリックで拡大します】

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2010/06/04

緩和曲線の測量学(1)

A histrical study of railroad transition curves, part 1

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Img484b またまた指導が入りました。
 鉄道主任技術者の制度は無くなってしまったそうです。というわけで、"元"主任技術者から「この本で勉強せよ!」と、学生時代の教科書を貸し与えられました。
 石原藤次郎・森忠次共著「新版測量学応用編」1965年初版、1974年第3版で1,700円という、当時にしては高価な本です。【画像はクリックで拡大します】

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2010/06/02

Oゲージ関西はフリーランスも花盛り

The Japanese O gauge Railroad Club (JORC) Kansai branch held the 20th anniversary meeting

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Jorc_kansai2010s_009b 5月23日の日曜日、JR芦屋駅近くのラポルテでJORC関西の運転会があり、お呼ばれしてきました。

 到着すると、20周年記念の発車式の真っ最中で、クスダマが割られるところに遭遇しました。一周が30mはあろうかと思われるエンドレスが3重に敷かれて古今東西、長短様々な編成が代わるがわる疾走し、それは夢のような世界です。屋外は春の嵐だったものの、ここだけは正に別天地でした。【画像はクリックで拡大します】

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