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2010/06/12

モバイルギアの14年間

My 14-year relatedness with a NEC Mobile Gear (PC)
Mobile14_005a
 このブログの文章を綴ったり、長年使い続けていた携帯パソコンがトラブりました。とうとうオダブツか! と思ったら、蘇生してしまったんですね。本当にタフです。
 物は、NECのMobile Gear MC-K1で、1996年に購入しました。ウィンドウズではなくて、MS-DOSマシンという時代物ですが、テキストだけならこれで充分なのです。【画像はクリックで拡大します】

 ウィキペディアに拠れば、モバイルギアは一時期、人気を博してバリエーションを増やした中でMC-K1こそがシリーズの一番手で、俗に“青モバ”と呼ばれたと知れます。シリーズはその後ノートパソコンの小型軽量化などに押され、2002年に製造中止とのことです。ラインナップを紹介したメーカーのサイト自体は未だに存在します。

 私は定価7万8千円の5%割引ほどで購入しました。量販店をハシゴして安いところを探してもこの程度でした。

 当時、パソコンの方はもちろんWindows 3.1になっていて、自宅では贅沢にもEpsonのPC-486ハイレゾ機を使っていました。会社には未だにネット環境が導入されず、私物のPC-9801NS/Tを置いていた時期です。

Mobile14_008b  モバイルギアは、これらと較べて、遥かに早く起動し、キータッチも軽快で、気持ちの良い操作感です。全体的には、これで原データを作成し、パソコンに送って解析や体裁を整えるという態勢を考えました。
 日本語変換FEPの操作が、パソコンでのATOKとほぼ一緒という点も大きかったと思います。

Mobile14_014c 550gという小型軽量ですから、いつもカバンに入れて持ち運び続けました。右のカバンは持ち主同様、だいぶクタビレています。
 かつて頻繁にあった出張では、帰りの新幹線車中で報告書を書き上げたものです。海外へも持って行きました。
 パソコンで管理していた数千件の資料リストも、表計算データに移し替えて使っていました。この表計算は機能が貧弱なものの、立ち上がりが早いので電卓より便利なんです。モデルのキットバッシュ中も傍らに置いて計算やメモ書きに使います。
 電車通勤の途上では座れたら即、開きます。

 思い起こせば、最初はトラブル続きでした。
 ハングアップなどの問題で、保障期間内に2度もメーカーに送り返しました。ただしその後は、見違えるほどに落ち着きました。

Mobile14_007b 単三のアルカリ乾電池がたった2本とはいうものの、何百本を費やしたでしょうか。また、ニッケル水素充電乾電池に換えて持続時間が飛躍的に伸びました。

 一つの転機は2006年です。接続できることが目玉だった、パソコン通信のニフティサーブが終了したのです。インターネットとなった今では信じられないでしょうが、パソ通というのは面倒な手順を必要としたのですが、これを自動で進行できる機能が付いていたのです。
 Ftrain鉄道フォーラムへのアクセスは、1997年からはインターネット経由となり、こちらを使うことは稀となっていた一方で、電子メールだけは便利に使っていました。
 それがニフティサーブ終了で使用頻度がガクンと落ちました。

 もちろん、テキスト・データの出入にはPCカード・スロットがあって、不自由はしませんでしたが、今回のトラブルは、そのスロットが効かなくなったことでした。
 カードを替えても同じですから、ハード的な故障でピンでも曲がったかな。もう駄目か、じゃあ最新式を買おうか……と、内心はワクワクしました。

 ところが、最後の手段としてリセット・ボタンを押したら、なんと蘇ってしまったんですね。
 あららら……。
 というわけで、この文章はモバイルギアで打っています。

【追記】定年退職をして3ヶ月ほど全く触れる機会がなかったら、完全に動かなくなりました。今度は駄目です。修理に出すわけにもいかず、諦めることとしました。稼働15年間だったことになります。2011-10-12

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よしなし事」カテゴリの記事

コメント

モバイルギアの蘇生、おめでとうございます。少々蘇生不能に期待されていたような文面でもありますが、いくらそうであっても愛機が故障のままお蔵入りしてしまうのはつらいものですね。で、お元気なうちに代替機を物色されるのも、いざと言う時のためでもありましょうか。えっ、もう目はつけてあるって?そうでしょうね。
 それにしても14年とはすごいですね。故障するたびにタフになって行くと言うお話は以前からお聞きしていましたが、未だに現役とは恐れ入ります。
 私がPDAのパワーザウルスを導入したのは98年3月でした。ほぼ一瞬にして立ち上がるOSと手書き入力の正確さが何より便利で、windowsとの連携も良く、初期のPHSデータカードにも対応していて本当に気に入って、おかげでそれ以来、手帳が要らなくなり、TVCFの「何も要らん」と言うのは本当だと実感する毎日でした。まだマシンは生きていますが、尤も退職してしまうと無用の長物で、結局活躍期間は10年と言うことになり、モバイルギアには勝てなかったことになりますね。
 モバイルギアが乾電池駆動と言うのも今更ながらすごいことですね。しかし14年を支えて来たのは貴殿のモバイルギアへの愛用心以外の何者ではないと思い、大いなる敬意を感じます。この調子では20年以上のロングランも可能ではないでしょうか。これからも愛用され続けられますことをお祈りします。

>>"御祝辞"をありがとうございます。ホント、14年って長いですよね。よく持っているものです。確かに電源が乾電池という要素も大きいと思います。寿命が来たら買い換えればよいわけです。この頃、よく開いているのは、病院の待合いです!【ワークスK】
 

投稿: ぷるぷる | 2010/06/12 23:49

私も同じようなMS-DOSが動作する小型パソコンを持ち歩いていた時期がありました。ちょっとした文章を書き留めるのにすごく便利なんですよね。
残念ながら、電車の中でカバンごと置き引きに遭ってしまい、それっきりです。
今はもうちょっと大きなノートパソコンを持ち歩いています。テキストだけでなく、デジカメで撮ったデータも入れています。

>>それは災難でした。私も気を付けます。なお、デジカメのデータを吸い上げられれば、長期旅行は楽チンですね。またチマタで話題のWiMAXも魅力的で、ネット環境を持ち運びたいとは思うものの、ただ現在、それが必要なほどの仕事がありません(涙)【ワークスK】

投稿: YUUNO | 2010/06/15 02:55

私もあのマシン5年ほど使っていました。今あるキングジムのポメラに通信機能がついていたような感じですね。私も海外にも持ち出してモデム接続で使っていましたよ。ああいうマシンがまた欲しいと思います。

>>ポメラですか! 友人が使っていて、ホント小さいですね。ううううぅぅぅぅ【ワークスK】

投稿: ゆうえん・こうじ | 2010/06/28 21:46

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