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2010/07/31

ゲージ・スラックの鉄道工学

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Img543 緩和曲線で教えを乞うた"元"鉄道主任技術者曰く、「そういえば、『鉄道工学』という科目があった。教科書を残しているはず」とのことで、貸していただきました。森島宗太郎著「鉄道工学」1965年刊という箱入り定価1,600円です。
 まあ、モデリングに直接、役に立つという内容は含んでいないのですけれど、ターンテーブルとか、カーリターダーとかの詳細や、設置した配線例がたくさん示されていますから、そういうものが鉄道においてどういう位置付けだったのかを知るには貴重な書物だと思います。蒸機の終末期、昭和30年代の鉄道輸送システムの解説書という趣きでしょうか。

 その中で、小さな事柄ですけれど、軌間のスラックについての記述が有意義だと思いました。たぶん、多くの方のイメージとは異なっているはずです。【画像はクリックで拡大します】

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2010/07/26

アンケート:紙の鉄道模型雑誌は無くなるか?

Bookshelf
 前回の記事は「消滅大予言」などと、ちょっと乱暴でしたね。これについては皆さんにお聞きするべきでした。
 というわけで、アンケートの形ですけれど、ご意見をお寄せいただきたいと存じます。一応、現在のファンが全て居なくなるであろう百年後までを想定して、我が国において“紙”の形の鉄道模型に関する雑誌が発行を終わる時期を予測していただくスタイルとしました。なお、上の写真には"とれいん"誌が写っていますが、アメリカ型主体の当方の書棚で中心部を占めているというだけの理由で、予測していただく対象は、TMSやRMMを含めた全ての模型雑誌です。
【終了しました。結果は最後尾にあります】

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2010/07/23

鉄道書籍雑誌の消滅大予言

Kaimei  「鉄道完全解明」という本を買いました。会社四季報を出している東洋経済新報社の週刊東洋経済別冊です。カラー130頁が980円という値段にも釣られ、つい、手が出ました。
 中身は、同誌4月3日号に50頁を追加したものとのこと。広告がNTN、JR東日本、それに日立などですから、普通のファン向け本とは一線を画す内容です。こういう出版社が、鉄道の企画、構築、運営担当者に直接取材して、現在進行形の情報が公表されるなどとは時代が変わったものです。
 さて、私の目を釘付けにした記事は「"テツ誌"各編集長に直撃取材」です。ここに鉄道雑誌の発行部数が記してあったのです。【画像はクリックで拡大します】

 

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2010/07/17

明治人の見物した費拉特費万国博覧会(2)

Horse tramways that the Japanese of Meiji-era were sightseeing during the Philadelphia Centennial Exposition in 1876, part 2

 前回紹介したフィラデルフィア万博の馬車鉄道ですが、この辺りの写真をネット上で探し回っても適当なものが見つかりません。1900年前後の蒸機高架鉄道はソコソコあったのですけれど、その20年前には未だ写真術が普及していなかったのでしょうか。同じ明治といっても、時代の進歩はあるものです。
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Brill_book で、思い出したのは、この地がブリル社の本拠だったことです。
 同社は、日本では台車でお馴染みの電車メーカーですが、初期にはケーブルカーや馬車を製造していました。
 Debra Brill著"J.G. Brill Company"2001年刊を紐解くと、なんと、ものの見事に1876年の万博に鉄道馬車を出展したと記されていました。写真もあります。【画像はクリックで拡大します】

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2010/07/09

明治人の見物した費拉特費万国博覧会(1)

Horse tramways that the Japanese of Meiji-era were sightseeing during the Philadelphia Centennial Exposition in 1876, part 1

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1881年の出版物掲載のCNJ向けボールドウィン社製蒸機

 国立国会図書館、近代デジタルライブラリーのサイトにはイントロダクションともいうべき電子展示会なるコーナーがあって、ちょうどこの6月、「博覧会-近代技術の展示場」という展示がアップされました。現在盛況を極めると伝えられる上海万博にあやかっているのでしょう。
 ここには1900年までに開催された内外の博覧会一覧があり、出展品からみる産業技術発達の様子が豊富な図版を使って説明されています。「機関車・電車」なる画像も20数枚がアップされていて、その一端をうかがい知ることが出来ます。まあ、説明の珍妙さには目を瞑らなければなりません。
 残念なことは、掲載資料一覧の中に示されている近代デジタルライブラリーの公開図書が、国内の博覧会に限られていることです。【画像はクリックで拡大します】

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