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2010/12/11

フェザーリバールートへの憧憬(2)

Longing for the Feather River Route, part 2

Img803b  探しものをしていてMR誌を引っくり返していたら、特徴的な線路配置の表紙が出てきました。
 おおっ! ケディーワイではないですか!
 しかも、蒸気機関車が走っています。

 MR誌2001年9月号の中身を開けば、Tommy Holtという方のレイアウトと、実物のフェザーリバー・ルートの解説です。【画像はクリックで拡大します】

 レイアウトの時代は1938年ということで、登場するのは蒸気機関車オンリー、表紙の326号機は2-8-2、他には2-6-6-2、2-8-0などです。
Img805b
 広さは20×20フィート(6.1×6.1m)、平面図を拡大して読みとれる地名は、先日購入したDVD、その名も"UP's Feather River Route"に出てきたものが目白押しです。実景を知っていると、作者の設定が納得し易いですね。

 そして実物の参考記事は"Keddie Calfornia: A yard you can model"という、Y線部分を含むケディという駅の模型化です。ヤードや、ターンテーブルなどの設備も紹介されていて、分岐駅というものの機能がわかります。

 また、"ワイ"は、次の地図を見れば、東から北へのルートにトンネルがあることが明白です。

 ケディワイについては掲示板での一連の盛り上がりもご覧ください。

 ところで問題は、WPのフェザーリバールートと、SPのドナーパスの優劣です。

 以前紹介した蒸気機関車のガイドブック"The Guide to North American Steam Locomotives"によれば、WPの方が150マイル(240km)も長いけれど、最急勾配がSPの2~2.4%に対して、1%である。シエラを越えるBeckwourth Passの標高も2,000フィート(600m)ほど低い、と書いてあります。240kmとか600mとか、我が国では考えられない数字ですけれど……。
 ジェイ・グールドとハリマンの競合関係、それにUP-SPのオーバーランド・ルートの形成については、我が国の"とれいん"誌1993年5月号、50州あるふぁべっと、模型で綴る黄金時代の米国の汽車、ユタ州(Ⅱ)でも語られています。

 レールウェイ・ガゼットの前身という"World Railway 1952-53"に、それを示す図がありました。いずれも描線が細いので、拡大してご覧ください。
 先ずWPの路線図で、SPとの並行具合が良く分かります。
Western Pacific System Map
 図中にある、"S. N. RY"はSacramento Northern Electric、"T. S. RY"はTidewater Southern Railwayのことで、共にWPの子会社でした。

 次はWP本線の縦断面です。路線の最高地点がシエラネバダ山脈中ではないという事実が判ります。アドバンテージを謳いたいのか、区間毎の勾配が併記されています。Chilcoot TunnelはDVDに出てこないと思います。
Gradient Profile of Western Pacific Route

 一方、SPの縦断面はドナー・パスにピークがあって、Nordenという地点が7,000ft(2,100m)ほどでしょうか。WPの5,000ft(1,500m)よりも確かに2,000ft(600m)も高くなっています。Ruling Gradient(想定勾配?)は、東行きが2.42%で、西行きが1.91%と書いてあります。
Gradient of Southern Pacific Donner Pass

 なお、「フェザーリバールートへの憧憬」は次の3部作となっています。

  第1回 ペントレックスDVDの紹介
  第2回 SPドナーパスとの競合・ケディワイ
  第3回 WPのモデルと保存車両

さて、どうして私が古い2001年のMR、モデル・レールローダー誌を探していたか?です。
 この2001-02年頃には雑誌の内容をメールマガジンで頻繁に紹介していました。それが皆さんの御参考になることもあるかと、2005年前後にそれをインフォシークの無料HPで公開したのですが、この10月末でHPサービスが終了してしまったのです。
 ちょっと悔しいので、こちらのココログで復活させることとしました。ついでに画像を追加しようと、雑誌を漁っていたというわけです。一応、過去号の全てを取り込みました。総目次でいうと2001年から2004年、Vo.2~148の辺りです。暇を見つけて改良していくつもりですので、偶にご覧いただければ幸いです。

 

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