LAのトラベルタウン博物館(5)
A brief visit to Travel Town Museum in Griffith Park LA, CA, part 5
トラベルタウン博物館のご案内は今回が最後で、ディーゼル機関車や職用車(MOW=Maintenance of Way)などをお見せします。【画像はクリックで拡大します】
まず、アメリカの標準軌では珍しい2軸のディーゼル・スイッチャーです。言わずと知れたEMC製(EMDの前身)のModel 40(Wikipedia英語版)で、Kalmbach社のMRディーゼル機図面集に出ています。またラウンドハウス/アサーンでHOモデルが発売されていますから、お持ちの方がおられることでしょう。
2軸にもかかわらず、2台のエンジンが合わせて300馬力で、42トンもあります。キャブ断面が馬鹿でかくて、固定軸間距離も長く、モデルでは、小回りを利かせて小型レイアウトに、などという雰囲気ではありません。
博物館の解説によれば、今でも展示車両の移動に実働していて、側面に綴られている"Charley Atkins"はこの博物館の創設者とのことです。
4軸の方のロード・スイッチャーは、ボールドウィンの1200馬力、RS-12という珍品です。車体断面が小さいところが目立ちます。博物館の解説、Wikipedia英語版
前面の塗装が嬉しいサンタフェ鉄道のガスエレクトリックカーAT&SF M-177、略してガスエレ、通称ドゥードルバグです。ガソリン・エンジンで発電機を回し、モーターで走行します。博物館の解説が若干輻輳していますが、本文の方が正しくて、1929年に機関部がEMC(EMD)、構造部分がプルマン社の製造です。
クレーン車は、RAILTRUCKさんが言及された当博物館のニューズレター2007年5月号(pdfファイル)のp1およびp6-7に拠れば、航空機製造のボーイング社で使われていた1943年American Locomotive Crane製とのことです。
次は、軌陸両用の超音波式軌条探傷車レール・デテクター・カーrail detector carだと思います。
日本でいえばモーターカー、あちらではスピーダーと呼ばれるガソリン駆動車です。Wikipedia英語版
ベロシペードvelocipedeと呼ばれる軌道自転車です。日本のように足で漕ぐのではなくて、ボートでオールを漕ぐようにハンドルを前後に動かして推進します。屋内にあったので軌間はナローかもしれません。Wikipedia英語版によれば、ベロシペードは仏語で、人力で動く1輪車、2輪車、3輪車、4輪車の総称のようですが、こと北米の鉄道に関しては、専ら3輪車です。weblio英和辞典もご覧ください。
ウィグワグと呼ばれる古い踏切警報機です。ぶら下がっている円板が左右に揺れます。Wikipedia英語版
当方のアメリカ型鉄道模型大辞典にも解説があります。
ロサンゼルスのこの博物館は、驚くことに入場無料です。ガラガラに空いているし、車両は触り放題です。花形車両は無いものの、構造に興味をお持ちなら堪えられない環境かもしれません。
私はグルッと回っただけで、1時間ちょっとの間にシャッターを101回、押していました。
ところでこの博物館については、F'Truckさんが写真をフンダンに使って報告されています。2007年の6月から7月に掛けて訪米された記録のうち、同年の8月31日から4回、またリバイバル版が2010年11月23日から断続7回です。画像がシャープで、ディテールがよく分かります。
またネットを探すと、ミシマさんの旅行ブログというところでも紹介されていました。
当ブログの全5回の内訳です。
第1回 周回遊覧鉄道
第2回 蒸気機関車
第3回 トロリー関係
第4回 客車・貨車
第5回 ディーゼル機・MOW
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