RMC誌2011年4月号にスクラッチ記事
Review of the Railroad Model Craftsman's issue of April 2011
昨日届いたレールロード・モデル・クラフツマン誌2011年4月号は、興味深い中身が目白押しでした。
まず最初は、C&NWがF3Bを流用して仕立てたスラグ・ユニットを、素材から自作したモデルの記事です。
屋根の丸みをプラスチック板の積層から削り出し、リベットは黄銅線を一本一本埋め込むなどという大技が繰り出されています。【画像はクリックで拡大します】
普通に考えたら、既製品を利用して通風ファンの穴や窓を埋めるのが近道なのに、どうして完全スクラッチに走ったのか、英語力の貧弱な私には悲しいかな、ニュアンスを汲み取れません。つまるところ、連結幌や車体スソのステップといったディテール・パーツが、インターマウンテン製Fユニットの補修用で入手できたことが大きいのではないかと思います。
そして次の注目すべき記事は"Collector consist..."で、日本製ブラスモデルのインポーターだったLMB Modelsの解説です。
その製品群の中でピカイチは、カツミが製造したイリー・トリプレックス(エリー・トリプレックス, 2-8-8-8-2)とのことです。"real collector item"、すなわち、走らせるよりも飾っておくモデルなんだそうです。足回りには、かの久保田富弘氏でさえ悪戦苦闘したことが知られていて、次はそれを伝えるTMS誌1975年5月号のページです。
またLMBは日本型をそのまま持ち込んで、ED11、ED17、さらにEF61、EF80、C56を販売したといいますから、鉄道模型社製品ですね。
これで、アメリカ型鉄道模型大辞典で"LMB"の項を埋めることが出来ました。最初の製品が1959年で、最後が71年という根拠は、Ladd出版の"Brass Locomotive Checklist 1949-1975"です。
さて、このRMCの4月号は、裏表紙のオーバーランド・モデルズの広告に驚かされました。
なんと、アサーンやエグザクトレールといったプラスチック量産品を掲げています。
同社から送ってくる販促メールに、しばらく前からアサーンなどの単語が並んでいて一応知らされていたとはいうものの、こういうところで大きく打ち出されると、流石に愕然とします。
記載されたURLアドレスは、従来のオーバーランド・モデルズではなくて、オーバーランド・ホビーズとなっています。体裁が洒落ていますし、品揃えは潤沢です。また「ブラス」のカテゴリーもありますが、中身は空です。
一方、旧来のOMIのHPには、この通販サイトへのリンクが、いくら探しても見つかりません。この辺りが見識、あるいは配慮といえるのか、はたまた、単なる遅延なのか、怠慢なのか、このビジネスの行く末には興味を惹かれますね。
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