宇治川ラインの"おとぎ電車"(3)
Memories of the Otogi Train in Uji, Kyoto, part 3
J. Wally Higgins氏撮影 レイルNo.78より引用
エリエイの前里孝氏からお電話をいただきました。
レイルNo.78は品切れの店が出て、幾分増刷をしたとのことです。メインが“鉄路の王者”と称えられたC5345の復活運転ですから、ファンに受けないはずがないものの、当方が関与させていただいた記事もいくばくかの貢献ができているとしたら大変に嬉しいことです。
で、氏が申されるに、「鉄道ファン」誌7月号の書評欄に「(おとぎ電車の記事には)編集部の執念が感じ取れる」とあるが、この「編集部」は「執筆者」の間違いだとのことですけれど、私は即座に否定しました。
それは疑い無く、「編集者」の執念のカタマリなのです。
レイルNo.77の「京阪グリーンを作った頃のこと」にしても、そうです。
私は情報を入れただけです。そうしたら“指示”があって、OBのところへインタビューに行かされました。言われるがままに文章にすると、次は、おとぎ電車の資料を出せとの“御沙汰”です。
押入れを探しまくって写真と図面、それに20年前の原稿を添えて送りました。
すると“ダメ出し”です。
当方としては、「誰か、やってくれ!」というスタンスなのですが、仕方なく追加調査を行い、文章は想定読者を変えて一から書き直しました。そして第1校、第2校とpdfファイルが送られてきました。また完璧を期して、誤字脱字に厳しい同僚のH氏にチェックを頼んでもいます。
その間、前里氏は同志社大学鉄研の「青信号」を手配し、高橋弘氏や、篠原丞氏、静岡在住というウォリー・ヒギンズ氏らから写真を集め、さらに各所から資料使用の許可を取るなど、東奔西走の体だったようです。
それから、印刷製版技術の進歩は凄いですね。
手札版程度のプリントが半頁大、否、1頁大に拡大されても違和感が無いのです。手持ちスキャナーの高精細で読み取ってファイルを送ったら、商業用ならもっと引き出せると、原画を要求されました。
図面も鉛筆の細い線が、ものの見事に出ています。
同じ号でC5345のカラーは、西尾克三郎氏のオリンパスペンで撮影されたものとのことですから、フィルムはハーフ・サイズなのですけれど、言われなければ判るものではありません。色も、これが当時のネガかと信じられないほどに綺麗です。
まあ、以上が、この2月から3月に掛けて、当ブログの発行が滞っていた理由です。知識や経験、センス、それに人的コネクション、さらに「執念」が加わったら、読者に共感を呼ばないはずはありませんね。
ところで昨秋開催の宇治歴史資料館「走れ!おとぎ電車」展の様子については、ネット上にたくさんの報告がありました。特に「FM宇治、きだあけみ」というブログが詳しいようです。
展示は"おとぎ電車"以外にも、「昭和電化生活」として当時のテレビや洗濯機が陳列されるなど、我々年配者には懐かしいコーナーがありました。
また、各所から集めたニュース映画は、茶畑を行く宇治線とか、新幹線開通の頃の京都など、合計30分ほどの中に我々の趣味の対象の鉄道も満載でしたね。
私も、ちゃんと報告しなければならなかったと反省しています。
あれっ!
ムービー?
ここで思い出しました。 おとぎ電車が映った映画があるのです。
しかも、私の手元に‥‥
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