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2011/05/29

宇治川ラインの"おとぎ電車"(4)

Memories of the Otogi Train in Uji, Kyoto, part 4

A2

A どうして思い出さなかったのか、全く迂闊でした。トンマの極み、アホです。バカです。タワケです。

 おとぎ電車の映画、それも総天然色ムービーがあったのです。【画像はクリックで拡大します】

 それは1990年頃に存在を知り、拝借して16mmフィルムからVHSテープへダビングしたものでした。

 伺った話では、1960年の廃止を機会に、電車や船を乗り継いでグルッと回遊する観光ルートが存在したことの証しとして作成したとのことです。
 映像に現れる題名は「国定公園 宇治川ライン」ですが、収納してあった缶のラベルは「宇治川ラインの記録」でした。

 シナリオは、3人の女性が大阪方面から京阪電車の宇治線を経由して宇治駅に降り立ち、宇治橋や平等院を巡って、おとぎ電車、観光船、立木観音、バス、石山寺、また湖上遊覧、そして浜大津から京津線、夕闇迫る三条から京阪特急に乗車という物語仕立てになっています。
 撮影時期は、桜が咲き誇っていますから、1960年の4月上旬ですね。

A_5 VHSには音声が入っていないのですが、原フィルムはトーキーだと思います。その証拠に、題字に続いて出てくるキャプションには、主題歌が「宇治川ソング」と「新宇治川小唄」だとあります。沢田秀雄臼井喜之介

 ざっと、映像をハードコピーしてお目にかけます。
 まず、天ヶ瀬駅の案内看板です。
A_4

 次は、テント型客車のバンビ編成に乗り込むところです。
Otogiabroading

 そして、冒頭の機関車が発車するシーンとなります。
 さらに、観光の目玉の車窓風景が続きます。ただ、走行する車両が登場する場面は次の辺りだけです。
A2_2

 そして、終点の堰堤駅に到着します。ムカデ編成のようにも見えます。
A_3

 ところで、「甦る京阪電車の昭和時代」と題するビデオが1996年に発売されていて、この映画の一部シーンが使われています。これは、職場のH氏からのサジェスチョンです。
 大阪はABC朝日放送の関連会社ABCリブラが発売したもので、今でもVHSテープの在庫があるようです。
Video_05

 京阪関係以外にも、叡山電車や江若鉄道の映像が含まれています。また、提供者の中には我々のよく知るベテラン・ファンが名前を連ねておられます。

 このVHSビデオと、「宇治川ラインの記録」とを見比べると、3人の女性が登場するカットを巧妙に避けていることが判ります。一箇所だけ、平等院鳳凰堂でのパンで、微かに見える程度です。
 それ以外では、茶摘み風景のバックを走るオレンジとクリームの500型2連や、赤黄色ポール付260型単行の石山寺駅発車が取り込まれています。

 「甦る‥‥」の方に入っていないシーンを3つ、お目にかけます。
 次は、京阪宇治駅で下車して、ボンネットバスの前を歩くところです。
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 浜大津駅から発車する2連は、たぶん30型です。
A_7

 最後は、三条から1702号編成が発車するシーンです。続いてネオンサインが点滅する様子が映ります。
A1702

Photo  全編20分で、フィルムの最初には右の映像が出ますが、まさに“取って付けた”ようで、文字も満足に読めません。ただ、これこそが、製作された意図というわけです。
 将来、公開されることがあるかは微妙です。まあ、鉄道ファンなら「甦る‥‥」で十分満足されることと存じます。バス・ファンや宇治川ラインに関心のある向きには‥‥

 この記事は、第1回第2回第3回から続く4回のシリーズとなっています。

【追記】“主題歌”の作者について念のため検索してみると、作曲の沢田秀雄(澤田秀雄)はサワダ音楽院などという歌謡教室を京都で開き、作詞の臼井喜之介は臼井書房とか白川書院を起こしている様です。2011-06-02

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コメント

これは貴重な記録フィルムですね。
3人の役者さん?を使っての物語仕立てということは、今で言うプロモーションビデオのような位置づけでしょうか。ぜひ動画で拝見したいところです。
蘇る京阪電車・・は自分も持っていますが、そんなに細かく見たことなかったです。ワンシーンずつ子細に見ないといけませんね。

>>コメントありがとうございます。VHSテープをDVDに落として見ましたら、ハンドリングが抜群ですね。鑑賞の概念が一変しました【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2011/05/29 10:18

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