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2011/06/01

プルマン・グリーンの代用塗料は

Looking for something a substitute for Pullman Green paint. If possible, aerosol cans are desirable.

 ヤマさんが先日、御自身のブログ「高急モデルノート2」で、最近入手されたブラックストーン・モデルズのHOn3客車を披露されました。そして、手持ちのブラス製も“プルマン・グリーン”に塗りたいと書かれたのす。

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 もちろん、あちらではその名もズバリの塗料が各種発売されています。しかし、残念ながら我々が容易に入手できる代物ではありません。
 こういうときにこそ当方の代用塗料データベースが役立たなければいけないのですけれど、残念ながら未登録です。
 それなら、ものは試しと、探してみることとしました。もちろん私にも塗るブツがあって、欲しいのは安直にも缶スプレーです。【画像はクリックで拡大します】

Colorguide

 目を付けたのは、昨今、とみに充実著しいミリタリー系です。実際の塗料を吹き付けたカラーチップ付のモデルアート誌の増刊号である、「プラモデルカラーガイド」や「タミヤカラーガイド」を開くと、近いものがありそうです。

 例えば、Mr.カラーでは次です。
C12 濃緑色
C15 暗緑色(中島系)
C124 暗緑色2(三菱系)
C309 グリーン(ベ戦時の米空軍機)

 タミヤカラーでは次です。
TS-9 ブリティシュ・グリーン
AS-1 暗緑色(旧日本軍機)
AS-24 ダークグリーン(独空軍)
AS-30 ダークグリーン(WWⅡ英空軍)

 モデル製品とカラーチップとを見較べても面積が異なっている上に、紙の白で囲まれているチップの方はブラックにしか見えません。歳のせいで我が眼の色感度が落ちている可能性もあります。
 直接並べて較べるためには、チップをページから切り取らなければないのですけれど、この本、1冊3,800円ですから躊躇しますよね。
 自信がないので、アメリカの掲示板であるトレインオーダーズ・コムに問い合わせてみることとしました。

「友人がプルマン・グリーンとして使えるペイントを探している。エアゾール缶が望ましい。日本在住の我々には、アメリカのフロクィルやスケールコートの鉄道カラーを入手することができない。ミリタリー系に近似するものが無いだろうか。あなたのお奨めを教えて欲しい」

ってな調子です。
 で、付いた回答は都合2つです。向うでもタミヤが売られています。

AS-24 Dark Green, Luftwaffe camouflage color(独空軍)
AS-30 Dark Green 2 RAF(WWⅡ英空軍)

 色合わせをしようとして思い付いた方法は、正しいプルマン・グリーンであるはずのモデル製品と、カラーチップとを、同じ写真に撮影して較べるというものです。画像上でチップ部分を切り取り、モデルの上に載せます。

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Aimg109 上写真で左の大きな色見本は、Kalmbach社刊"Pullman Paint and Lettering Notebook, A Guide to the Colors used on Pullman cars from 1933 to 1969"という本の巻末にある印刷です。これをみても印刷の色が当てにならないことが明白です。
 右はMr.カラーの塗料によるC309です。
 まあ、明るさとかホワイト・バランスとかが関係するとは思います。加えて、ここの写真はPhotoshopで弄っています。

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 次の写真は、タミヤのAS-24とAS-30です。
 AS-24の合致具合いが良い感じですね。これなら十分、試してみる価値がありそうです。ちなみに同じ色がMr.カラーではC17として発売されています。

Pullman_green4

 ネットを探すと、奇特にも日本で混色を試行された方がおられました。

 なお、Blackstone Modelsの客車は、あっという間に売り切れた様です。ディテールがシャープ、かつ室内が作り込まれていてこの値段ですから、ムベナルカナですね。
 それにしてもツヤは異なるものの、軍用の迷彩色が当代の超豪華列車と同じとは意外です。一方、車内は装飾にあふれていますから、そのギャップが意図されていたのかもしれません。

【追記】高急モデルノート2」では検討が始まりました。2011-06-07

【追記2】dda40xさんのブログ"Giants of the West"でガラスの製法を話題とされ、このページにリンクを貼られた理由は、ここでお見せした客車のガラスが歪んで見えることだと思います。メーカー写真ではもっと酷かったのですが、現物を確認したら実物の雰囲気を出していたので購入してしまいました。
 たぶん、初めてご覧になる方は奇異に感じられることだと思います。昔の建物をその気になって眺めると、結構こんな風になっています。ガラス製法の歴史を知ってしまうと、違和感は無くなるはずです。
 私の現役時代にお世話になった板ガラスメーカーのサイトに解説がありますので、是非ご覧ください。かつては、一旦膨らましたガラス円筒を切り裂いていたとか、現在はスズのプールで平面を出しているなどという驚くべき事実が記されています。2011-10-23

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客車も楽し」カテゴリの記事

コメント

いろいろ調べていただきありがとうございます。
プルマングリーンはグレー・ブラウン・グリーンという感じがします。彩度がわりと低いのではないでしょうか。実は某金沢の模型屋さんが、Floquilの水性アクリル塗料の#81240”Pullman Green”を調達していただけるというのでお願いしています。タミヤやグンゼのミリタリー系カラーも比較してみたいと思います。
私の手持ちグリーン系も江若客車を塗るときに相当種類を仕入れたのですが、自分の納得できる色がなく、結局そのときは調色をしました。元の客車の色もカラー写真はあるのですが古いネガでアテになりません。一応現車を見ていたので、その記憶をたより?にして調色しました。同じ色はもう出せない可能性が高いです。
なお、私はオリンポスのエアブラシを使っていますが、スプレー缶を使うのは苦手でヘタクソです。古いタカラの黒スプレーが余っていたので貨車を塗りましたが、見事に失敗しました。

>>エアーブラシをお使いになられるのでしたら磐石ですね。私は希釈が苦手で、粘度計まで作ったのですが駄目でした。【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2011/06/02 00:45

初めてコメントさせて頂きます。古いカワイモデルの O1-b 電気機関車のキットを入手したものの、カタログに記載されていた「プルマングリーン」の代用色がわからず困っていました。記事を拝見してから早速タミヤの AS-24 スプレー缶を入手し塗装したところ、非常に良い雰囲気に仕上がりました。ありがとうございました。

>>貴サイト、拝見しました。こういうモデルを愛でる方がおられたとは、嬉しい限りです。この模型は、どちらかといえば愛嬌のあるスタイルなので、ペンシルバニア鉄道本来のブランズウィック・グリーンより似合っていると思います。御役に立てて何よりでした。あとはこちらのサイト等を参考にデカールですね!【ワークスK】

投稿: odakker | 2011/06/05 20:09

量販店ではなくてプラモデル専門店に行っても、実際の塗料を吹き付けたカラーチップのついた色見本帳おいてあるところは、私の知ってる範囲では無いですね。印刷したパンフレットはありますけど、全く当てにならないし。パソコン画面なんて色は再現性ないし、皆さんどうやって、スプレーカラーなど選ばれているのでしょうか?実際購入して試すしかないのでしょうか?それともそういううるさいことをいう人は自分で調色されているのでしょうか?
マッハの調色塗料もカラーチップのついた色見本帳を見たことないですが、あれは缶蓋の上に塗料が塗ってあるので、あれをみて皆さん選ばれているのでしょうか?それとも単に何とか色という銘柄だけで選ばれているのか?
私は近そうな色の缶スプレー数本買って実際に吹いて決めていますが、ワークスKさんは実際購入してチェックされているのですか?
??ばかりですみません

>>そうです。それこそがモデラーの悩みで、ここにご紹介した2冊は実際の塗料のチップが貼り付けられていますから、解決の一端になると思います。
 それと、アメリカ型ファンとしての「代用塗料データベース提案」の記事や、「純色の調合」の掲示板発言をご覧いただくと、何を考えてきたかがお判りいただけると思います。まあ、混迷がますます深まるばかりかも‥‥(笑)【ワークスK】

投稿: ゆうえん・こうじ | 2011/10/24 13:27

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