« ボックスカーのルーフウォーク撤去作戦(2) | トップページ | 国鉄貨車テキ1の39年目のフィニッシュ »

2011/08/29

フラットカーは積み荷が命

Flat cars would require their appropriate loads.

 

01full_figure

 「割引特価」の文字に惹かれて、ウォルサーズ社への注文に貨車の積み荷を加えてしまいました。精度で定評のあるアメリカン・モデル・ビルダーズのレーザーキット製品です。【画像はクリックで拡大します】

02load_kit

 封を開ければ、0.3mm厚のプレスボードをレーザーカットしただけのシロモノです。加えて僅かな木板、それに0.3mm径のリン青銅線が入っています。

 意外だったのは、貼り合わせの必要な面には、全て粘着フィルムが貼ってあったことです。裏紙を剥がすだけで、これは楽です。

11load_kit2

 T字形というか、直角の組み立ては、説明書には"glue"とだけ書いてあって、そこにある写真では瞬間接着剤を流しているように見えます。私は手持ちが無いので、木工用のホワイトボンドを水で薄めて使いました。

12load_kit3

 一方、この積み荷を載せるフラットカーは、60フィート車がピッタリです。ストックを探すと、インターマウンテンのウッド・デッキ・タイプが、キットのまま出てきました。

21flat_car_kit1

 ここで思い出しました。寝かせていた理由は、ウエイトの考慮が全くなされていないことです。
 今回、これを積むことによって正に解決します。

22flat_car_kit2

 いろいろと考えた末に、フラットカーに30g、積み荷に50gを背負わせて、全部で140gとすることとしました。

23weight いずれも1㎜厚の鉛板を切って、フラットカーにはスーパーX、積み荷の内側には両面テープ(自動車内装用)で取り付けています。

 なお鉛板の切断は、金床の上で刃物を金ツチで叩く方法が、精度も出て簡単です。刃物には、折り刃式替え刃の、利用しない根元の部分を使いました。刃こぼれしますが、どうせ捨てるものです。

31assembled1

 積み荷の固定は、安直に、このまま接着しただけです。言い訳させてもらうと、説明書の写真の通りです。考えるのが面倒だったものですから‥‥(笑) 

 ところで、これ自体は一体、何なのでしょうか? 説明書には、オーバーヘッドクレーン、可動橋の一部、あるいは露天掘り鉱山の巨大パワーショベル用ブームと、書かれているだけで、本当のところは伏せられています。 

 構造は、見るからに溶接組立です。両端に貼る板に、格子状の小孔の配列があるのは、プラグ(栓)溶接を模しているのでしょう。
 ですから時代的には、我が国でいったらC55やD51が登場した1930年代後半以降で、載せるフラットカーに木造とかリベットだらけといった古臭いものは似合わないと思います。

32bucyruseriepageheader 私は、BNグリーンに映えるイエローに塗って、建機と見立てることとしました。都合よく、Bucyrus-Erieのロゴマークも見つかりました。
 "Bucyrus"という名は、同名のオハイオ州の都市に拠っているので、発音は「ビューサイラス」あたりが適当だとは思うものの、「小松ビサイラス」という合弁企業が存在したという理由から、アメリカ型鉄道模型大辞典では「ビサイラス」を採用しています。

 で、このマークを、ウォルサーズ社から一緒に取り寄せたインクジェット用のデカール"HobbyCal"に印刷してみました。(Walthersのサイト
 日本のK-Trading製のものと比較して、オーバーコートが不要と謳われているところに興味を惹かれたのですけれど、印刷したものを切り出して水に漬けたら、本当に大丈夫でした。

33decal2 それと不思議なことに、印刷していない部分は白なのですが、水に濡れると透明になりました。そして乾くと白になって、続いて全体をオーバーコートしたら、最後はまた透明となりました。
 上の画は、赤い面に貼って、半分だけマスキング・テープで覆い、オーバーコートを吹き、そしてテープを剥がしたところです。

 ツヤが無くて、薄い和紙という感じです。精細な図柄や写真には向きません。

34hobbycal1 35hobbycal2

 それと、右上の説明書(拡大画像はスクロールします)に拠れば、柔軟剤はシガレット・ライターの液体だそうです。

 ところで、この積み荷キットと同種の製品がもうひとつ出ています。72'6"といいますから、HOスケールで254㎜のアイ・ビームですけれど、こんな単純なものが15.95ドルというのでは、ちょっと手が出ません。

 フラットカーの方は現在、組立済で販売されています。当然、ウエイトを積んでいるはずです。一体、どうやっているのか、野次馬的な興味がありますね。

52full_fugure

61dsc04925 

【追記】ウォルサーズの品揃えを物色していたら、このフラットカー専用の別売ウエイトを発見しました。Adair Shopsの品番143-2052です。ただし、残念ながら「not currently in stock 」となっています。ここの商品は総じて写真が掲載されていないので、どんなものか判りません。2011-09-03

【追記2】ビサイラス・イリー社の積み荷の記事をRMC誌に発見しました。2006年の4月号がp74-83で同社の歴史など、翌5月号がp74-77で実物例とモデルです。
 前者は覚えていて大辞典に書き込んでいたものの、後者は記憶の外でした。MRフォーラムからの示唆です。2012-02-01American Model Builders Laser kit #206 Structural Load and Blocking, InterMountain Railway Company HO scale Wood Deck Flat Car #41402-12 Burlington Northern

|

« ボックスカーのルーフウォーク撤去作戦(2) | トップページ | 国鉄貨車テキ1の39年目のフィニッシュ »

フラットカーは積荷命」カテゴリの記事

コメント

AMBといえば、20年近く前にはOn3の小型車両の割り箸キットを出していたのですが、今はやっていないみたいですね。ウチにある当時のOn3のショップ・クレーンです。

>>惚れ惚れとする質感ですね。これを見て、ソフトメタルと角材の49.95ドルは安いと錯覚してしまうのですが、問題はその後で‥‥(笑)【ワークスK】

投稿: railtruck | 2011/08/29 20:24

バスウッドとホワイトメタルの部品をそれぞれ染めて組んだだけです。ウエザリングは水性アクリルのラストを筆塗りしただけですから、塗装苦手にはもってこいですね。

>>他の作品も拝見したいものです。またご案内ください。【ワークスK】

投稿: railtruck | 2011/08/30 06:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ボックスカーのルーフウォーク撤去作戦(2) | トップページ | 国鉄貨車テキ1の39年目のフィニッシュ »