カナダの電車博物館◆高田寛氏のお便り
前略
オンタリオ州ミルトンという片田舎にあったカマの素性まで調査できる現在の情報システムと、それを探し出す知識と腕前には驚きました。
ボールドウィンは私の間違い、誤報です。ご指摘の通りバルカン製で、銘板も撮影していたのですが、整理が悪く直ぐに出てきません。平成4/1992年に帰国する頃にはスチーム・トラムに置き換えられてしまい残念でした。元駅舎の中にいたスタッフらしき女性に、どこへ移管したかを尋ねても判りませんでした。
私は最初、昭和61/1986年にRockewll Milton工場に赴任しました。
ここで「趣味は何か?」と問われて、鉄道の写真撮影と答えたところ、会計担当者が同封したパンフレットの博物館を教えてくれました。
もちろん、直ぐに訪問したことは言うまでもありません。それ以来、すっかりその虜になってしまいました。初めて経験できた1分の1の電車に5年間携わり、レストアに活動した電車の写真を同封しました。ロンドンとポートスタンレイは大して離れていないのに立派な電車を走らせていたものです。
London & Port Stanley Railwayの8号車です。
右寄のドアを閉め忘れてしまい、シマリがありません。左寄ドアは荷物用で、窓1つ分までパッケージスペースです。
背後の電車はトロントの地下鉄で、これも動態保存です。
車内は喫煙と禁煙とに仕切られています。喫煙の方には、窓柱にマッチを擦る小板が設けられていました。
左写真で、こういう構造のポイントがあることは知っていましたが、現物を見るのは初めてでした。鈍端ポイント(Stamping Point?)ですね。平成17/2005年6月24日撮影
6年前に再訪問したら、ますます拡張中で、新線も敷設され、収納車両も増えていました。
古いT.T.C.(Toronto Transit Commission )の地下鉄車両を、トロリー線から長いケーブルで給電して動かしているのには驚きました。
インターネットで検索すると現況が判るはずです。
ところで、Miltonのストリート・ビューには、大変に懐かしい思いです。オフィスの正面を出たところからの眺めです。
残念ながらこの工場は3年ほど前に閉鎖されてしまいました。私は平成2/1990年に、日本車向けのコイルバネ製造が軌道に乗ったところで、品質が問題となっていたChathamに異動しました。こちらは工場のすぐ横を鉄道が走り、公私共に楽しんだのですが、家族には苦労を掛けました。
カナダでの話をさせていただくと、長くなってしまい失礼いたしました。草々
■早速ネットを検索すると、博物館が見つかりました。コレクションの多さにビックリです。写真の電車が下枠交差型のパンタグラフを使っていた理由は、架線高さの範囲が大きいためだと思います。
航空写真では線路配置がはっきりとわかります。両端にループがあって線路が長く、辿るのが大変です。Google Mapへ
なお、一緒にいただいたEMDロンドン工場関連の写真2葉は、従前の記事に追記の形で加えています。
【追記】この博物館の2009年の状況とおぼしき報告を発見しました。Mike Hamerさんという方のものです。2013-09-05
なお、同氏のお便りは全部で6編.
2021-03-28 スカイトップ展望車の水上レストラン
2018-10-22 あこがれのシャイアン2017
2018-10-21 変貌するデンバー2017
2018-10-20 ニューヨークの風景2017
2011-09-05 カナダの電車博物館
2011-08-20 EMDロンドン工場雪景色
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