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2011/10/14

国鉄貨車:中村精密/エーダイのプラモデル(3)

A story of my models, the JNR 4-wheel freight cars, manufactuered by Nakamura-Seimitsu and Eidai, part 3

エーダイ・モデルの発売

 漢字で書くと「永大」、ローマ字だと「Eidai」だというこのメーカーの貨車については、発売時期が曖昧です。松本吉之氏の鉄道模型考古学(RMM誌1996年1月号)にも書かれていません。
 状況からすれば、中村精密と同時期の1971年後半、遅くとも翌72年の前半だろうと思います。

 箱が1つ残っていました。トラ55000とトム50000のセットです。【画像はクリックで拡大します】

Eidai

 他は、ワム23000とワム50000、さらにカ3000とチ1000という組み合わせの3種類でした。どれも1箱2両で250円という安価さです。

Eidai_wamu2

Eidai_ka_chi

 TMS誌に告知があったわけではないので、偶々寄った模型店で見付けたのだと思います。あるいは、「模型とラジオ」か「子供の科学」あたりで報じられていたかもしれません。

 問題は、これが我々の鉄道模型として利用可能か否かという点でした。
 上まわりは中村精密製と全く一緒ですから、もちろん可です。
 キーポイントは下回り、すなわち軸受と車輪です。
 天賞堂のダイキャスト製軸受に取り換える方法が、一応はあります。

21dsc05332 もちろん、キットに含まれているプラスチック・モールドのそれが使いモノになれば最高です。車輪のスポークは正に実感的です。
 ならば、というわけで、実験をしてみました。

 市販されている貨車の重量を測ったら50g前後だったので、ウエイトは倍の100gとして、キットのままの軸受と輪軸でエンドレスを走らせたのです。潤滑油は使いませんでした。
 で、1時間、連続して運転しました。速度は、中くらいです。

 結果は、何とも無い様に見えました。分解して軸端と孔内部を観察しても、変化がありませんでした。

 これで決心しました。
 直ちに、住んでいた金沢の模型店を回って、この250円の箱を買い占めたのです。自転車を漕いで知っている限りの店を巡り、ワム2両とトラ・トムのセットを全部買ってきました。カとチは一部です。

 まあ、買い占めなどと大言壮語したところで20箱ほど、たった5千円です。組み立てたり、友人に譲って、未だ次の写真の数が残っています。箱は捨ててしまいました。

12dsc05360

 キットの中身をご覧に入れます。
 まず、各車両共通の下回りです。車輪は重ねるときに邪魔なので、切り捨てています。写真では残っていたものをその場所においてみました。

30dsc05334

 このスプルーの左下、ちょっと中央寄りに小さな四角がモールドされていて、ここの刻印にAとBがありますから、金型は2つあったと思います。

 車体は、まずワム23000とワム50000です。側板と妻がワム2種類の1/2両分ずつです。屋根板と床板は同一です。ドアも2枚共、換算両数表示を含め全く一緒です。

10dsc05601

 カ3000は、1両分です。屋根板の寸法はワムのセットと同じですが、裏側のリブ模様が異なり、曲がり具合も僅かに異なります。

20dsc05600

 木造のトム50000です。アオリ戸は表と裏を見せています。

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 鋼板プレス構造のトラ55000です。

11dsc05351

 この無蓋車セットには、石炭積載を模した“張りぼて”が入っていました。一番左のもので、確か、1箱で1個だったと思います。

 チ1000は、たった1枚の板構造です。写真では2両分を裏表で見せています。

35dsc05344

 組み立てたはずのモデルを引っ張り出してきましたら、車輪やカプラー等を他へ流用されて情けない姿のものばかりです。まあ、貧乏性は今に始まったことではありません。

 というわけで、これらを全部、整備し直して、未完のものや、未着手のものも年内には完成させるぞ、と意気込んでいるところです。エイダイのプラモデルHOゲージ貨車

【追記1】トムとカは、屋根板のみならず、床板もモールドが異なっていますね。特にカプラーの取付台で、本文中に示した写真は取り違えていましたので、撮影し直しました。次の写真で、左がワムの組み合わせで、右がカです。床板は、カの方の幅が0.3mmだけ狭くなっています。2011-10-27

30dsc05602

_2a【追記2】このキット、ネットオークションのヤフオク!では見たことが無かったのですけれど、先日、ワム2両セットが出品されました。安かったら箱が欲しいと思って注目していたら、落札価格はなんと5,750円です。当時の定価250円から考えると23倍ということになります。こういうコレクターがおられるのですね。2013-06-23

【追記3】ワム2両のキットを、発売時のままの状態で入手しました。もちろんヤフオク!で、落札価格が2,800円、送料が着払いの656円でした。本来なら信じられない高値ですけれど、5,000円超を見ていましたから、この程度なら安いと思ってしまうところが怖いですね。
 一応、1970年代初頭のプラモデルがどのように販売されていたかという見本として示しておきます。まず外観です。

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 中身はビニール袋に密閉されています。添付品は接着剤とビス4本で、後者は連結器の取付用です。

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 次は、説明書の裏表です。思いのほか丁寧です。

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 これをこの後、どうしたらよいのか悩みますね。写真を撮影してしまったのですから、もう用は無し。いっそ転売してしまいましょうか(笑)2014-08-20

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