国鉄貨車:天賞堂のベークライト製レ2900
Kitbashing a 4-wheel reefer model, JNR RE-2900, manufactured by Tenshodo since 1957
天賞堂のエボナイト貨車も弄ってみようと思い立ちました。
これらは、ダイキャスト製の2段リンクがゴツくて目立ち過ぎで、手持ちの2両については実車に照らしても不適当なことが判ってきたからです。
まず、冷蔵車のレ2900です。
資料によれば、走り装置は1段リンクのまま1960年代後半には全て廃車となって、2段リンクには改造されなかったとあります(表題の「エボナイト」を、「ベークライト」に改めました。本文中はそのままです)。【画像はクリックで拡大します】
1段リンクのパーツは、安達製作所が発売しています。
一方、エーダイのモールドはアッサリとした造形で、それに見えないことも無い‥‥ということで、こちらに取り換えることにしました。
方法は、エンドウのブリキ製レ12000と同じです。
オリジナルの鉄板製床板を取り外し、1.5mm厚のプラ板にエーダイの軸受体を接着したものと交換します。この軸受は実際に機能させます。
ブレーキシリンダーは、1個30円だったつぼみ堂製です。
ちなみにオリジナルの下回りは左写真です。長い方がレ2900で、短い方はツ2500です。
0.5㎜厚のブリキ板をプレスしたもので、ダイキャスト製の軸受がビスで留められています。ブレーキシリンダーは、軟質プラスチックです。
新規下回りでの注意点は、レール面上床板の高さです。これは、軸受体の上辺を削る寸法で調整します。また、床板の平面性が、車体側の5点、すなわち四隅と真ん中で出る構成ですから、この辺りも慎重にシムの厚さを決めます。
なお、床板を車体に固定するビスは、呼び径が3mmですけれど、首下寸法が3㎜と短くて、厚くした床板では心許無くなりました。新しい床板を写した写真で、手前右の極端に短い方のビスです。
解決には、単に長めのものに取り換えればよいとはいうものの、これ、旧JISネジでした。現在のISOネジ(現行のJISと同一)とはネジ山のピッチが異なります。
3mmの他に、4、5mmも同様だったはずです。転換期は、私の学校時代から新入社員の頃までの1970年代です。
古いモデルを弄る方は、よく御存じのことです。
車体の塗色は、製品オリジナルは銀色ですが、白色としました。Mrカラーの#69、グランプリホワイトです。
資料に拠れば、製造時は銀色とあります。しかし、どうもシックリと来ず、既出のレ12000と合わせました。あくまで“編成美”です。
なお、銀色の上に吹き付けたところ、屋根を黒色とする時のマスキング・テープで、写真の様に剥げてしまいました。
これらは、エナメル系でタッチアップしました。
レタリングは、型式番号が浮き出しになっていることが、このシリーズの特徴の一つです。モールド自体が黒色ですから、表面を削ると、ものの見事に文字が現れます。
ここのところはメーカーに敬意を表して、そのままとしました。ただし、そのために換算両数の表示をずらして貼っています。もちろん自作デカールです。
車端台枠部は黒色としました。ここに側ブレーキ表示を貼り付けるため、"Tenshodo"と"JAPAN"の浮き彫りを削り取っています。
また、側梁側面に9個ある、例の"根太支え"も黒色としています。(これについてはエンドウ製レ12000の号をご参照ください)
これで、冷蔵車が4両、揃いました。
信越線の上田駅は、1番ホームを高崎方、すなわち東方向へ歩いていくと、北に3本の引込線が伸びてきていて、終端がトラバーサーとなっていました。さらにその北側が魚市場だったと思います。
冷蔵車で直江津からここに運ばれてきたブリが、競り落とされて稲葉鮮魚店の店頭に並び、それを買った母親が照り焼きにしてくれて、私の口に入ったのでしょうね。
上田駅の古い線路配線図を公開されているサイトがありました。「3本」とは、この図の上1、2、3番線のことです。写真では、3枚目の右手奥です。
もう1両、弄ってみたツ2500と、エボナイト貨車が新発売された当時のTMS誌上における広告と製品紹介を拾った記事もご覧ください。
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