国鉄貨車:エンドウ以外のブリキ製のこと
Sources of tin plate freight car models, manufactured by without Endo (written originally on 2011-10-27)
ブリキ貨車といえばエンドウ、というか、私はエンドウだけが製造していたように錯覚していましたので、以前の記事が頓珍漢な記述になっていました。
それで、全面的に書き換えてみました。
まず、有益な資料が見つかったことを報告しなければなりません。
"とれいん"誌の2003年2月号の「懐かしの安(やす)貨車図鑑」という"なんこう・やすひろ"氏による解説です。懐かしの安貨車図鑑 南口康弘
ここに、カワイ、天賞堂、つぼみ堂、宮沢、ロコモデル、歌川、鉄道模型社、中村精密、マツモト模型の製品の概略が語られています。【画像はクリックで拡大します】
私にはブリキ貨車に対する興味が、それほどありませんでしたから、これほどのメーカーが、たくさんの種類を出していたことに驚きました。
子どもの頃を過ごした信州上田の様な田舎には、エンドウ製しか売っていなかったと思います。
まず、手持ち資料の中から、販売されていた頃の全体像と値段の判る表をお見せします。
1964年3月発行の科学教材社「模型とラジオ、鉄道模型の製作」の通信販売ページです。
カテゴリーが「ブリキ製」、「プラ製」、それに「しんちゅう製」に分かれています。
ブリキは14種類で、エンドウの80-81年版カタログとの一致は、レ12000とチ1000のたった2種類です。
「プラ製」は、5つの型式を見ても天賞堂のベークライトエボナイト製です。
「しんちゅう製」の9種類は、どうでしょう。
ブリキ製よりも値段が高い理由は、地金自体の価値に加えて、軸受をドロップなどとしていることですね。
次の写真はたぶん、カワイのワ22000です。1973年頃に「ディテールアップする」といって先輩からセシめ、ガスコンロでバラバラにしたものです。
とれいん誌の記事には、カワイは真鍮で、軸受も真鍮ドロップと書かれています。つぼみ堂はブリキで、軸受もプレスだそうです。
次は、「模型と工作」誌の64年12月発行臨時増刊鉄道編で、ペーパー工作の作例として掲載されているものですが、これもカワイ製ですね。
同誌63年7月号のニットー教材です。【拡大画像の一部はスクロールします】
次は、65年12月号の、つぼみ堂です。
不思議なもので、販売されていた当時は注目されなかった安価な品々が、今になって血眼になって探す方が出てくるというのは、まあ、フトコロ的にも、精神テキにも社会に余裕の出てきた証拠ということなんでしょう。
冒頭に示した"とれいん"誌の記事は、中途半端に終わっていますけれど、それから9年も経ったのですから、新たな事実がたくさん判明し、また、より完璧なコレクションがなされているはずだと期待しています。
-この記事は、「国鉄貨車・エンドウ・ブリキ製の資料」から一部の記述を切り離して、全面的に書き換えたものです。2012-03-31
【追記】カワイのワキ1000を、TMS誌56年10月号の同社広告に発見しました。
で、このモデルがodakkerさんの散財日記に出ていました。EH10の牽引する8両編成です。2011-10-30
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