国鉄貨車:天賞堂のベークライト製ツ2500
レ2900と同じように、下まわりをエーダイのプラモデルと丸々交換して、さらに軸受を弄ってみました。方法は、リンク部分を削り取って、1×2mmほどのプラ板を貼り付けるだけです。ブレーキシューの取付部は、そのままです。
でも、やはり実際のシュー式と比べると、板バネなどの大振りな感じは否めません。
できれば、安達製作所から発売されているパーツを使いたいところです。まあ、それなりの感じは出ていますから良しとしましょう。
ブレーキ装置は、シリンダーと空気ダメが別々となっているKD型のつもりです。前者はアメリカ型の余りで、後者は4.5mm径の丸棒を切っただけです。
車体中央にはテコの軸が通りますので、ここにあった車体取付用のM3ネジが使えなくなります。それで、両車端にM2ネジを新設しました。メネジを切った5mm角ブロックの接着はスーパーXで、これはエボナイトにも良く効いています。
車輪は軸長が短い24.13㎜(0.950インチ)という、アメリカのRebox社の10.5mm径です。レ2900も一緒です。
次の写真は製品オリジナルの下まわりで、軸受がM1.4のビスで固定され、カプラーはケーディーの#6が適合しています。車輪の絶縁材にもエボナイトを使っているようです。
車体の方は、塗装とレタリングです。側面の手すりは、ちゃんと片側だけとなっていました。
型式番号は、この製品も浮き彫りです。ただ、レ2900とは異なり、車体が黒色で、樹脂の黒色ですから、これを利用して白い文字を得るのは大変です。また車端台枠部のメーカー名なども、側ブレーキ位置表示のためには邪魔です。
よって、全部、削りました。このエボナイトという材料は、彫刻刀でサクサク落とせます。サンド・ペーパーでも気持ちよく仕上げられます。
塗料は、金属用のラッカーで大丈夫でした。
レタリングは、自作デカールです。細かな標記が少し大きすぎました。
参考にした古いTMS誌の記事を2つ、紹介しておきます。
まず、1967年12月号の伊藤祐介氏の「貨車にディテールを!-ワ22000をもとに-」です。
貨車のモデルをディテールの細かさで、上まわり3種類に、下まわり3種類を作り、組み合わせて、どのレベルがモデルとして適切かを確認するという一風変わった試みをされています。
現在の私の、ディテールを細かく作り込まず、適度な簡略化を行うという指向性は、もちろん自分の腕もありますが、この記事の影響が大だと思っています。
もう1つは、66年6月号の「2軸貨車の下まわり」という木村建夫氏の記事で、実物の写真が掲載されています。
こちらも、ディテールは簡潔で、それでいて雰囲気を出し、かつ作者の感性が如何なく発揮されているという素晴らしいモデルです。
ツ2500を購入したこと自体、この記事の影響だったような気がします。
一方ネット上では、ムサシノの新製品を紹介するページをヒットしました。
ちょうど、昭和初期の貨車シリーズが予告されていて、ブレーキのリギングを余すところなく再現したロストワックス部品の数々や、ツ2500のルーバーに穴が空いているところなど、その細部まで拘った作り込みには圧倒されてしまいました。
個人の腕では到底不可能なことを、企業規模で実現してしまう企画力と資本力には恐れ入ります。
ところで、エボナイトのシリーズ製品自体については、1年前に“とれいん”誌で組まれた特集が記憶に新しいところです。
2010年7月号の、波多野茂氏の「時代を作った模型 天賞堂製日本型エボナイト車両群」と題する詳細な解説が4頁です。
貨車6種類に加え、凸電のEB10に言及されています。
さて、これで当鉄道では通風車が2両となりました。
ただし、菅平高原のキャベツや白菜を、上田丸子電鉄の真田駅で積み込んで、全国へ発送するには不足です。やはりここは、ワムの引戸を僅かに開けて、通風車代用ですかね。
もう1両、弄ったレ2900と、エボナイト貨車が新発売された当時のTMS誌上における広告と製品紹介を拾った記事もご覧ください。
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コメント
通風車いいですね。私もC56に牽かせたくて3両くらいほしいところですが、ムサシノさんのを3両は価格的にキビしいです。
アクセスカウンタ460000になっていました。
>>ムサシノ製は懐が許せば欲しいですね。機関車は無理ですけれど、貨車なら‥‥。アクセスカウンターの件、皆様のご愛顧に感謝です。【ワークスK】
投稿: ヤマ | 2011/11/01 22:21