ガブリツキ京阪京津線は水煙いっぱい
このブログで以前、カブリツキを“シリーズ”でお伝えした頃のことです。石山坂本線に続いて当然、撮影を敢行していたものの、そのときに披露しなかった理由は、どうにも上手く1回で全てをカメラに納められなかったことです。
シャッターのタイミングが取り難いコンパクトカメラだったせいもあります。それ以上に、路線が右に左に曲がりくねっていて、私の腕では電車の狭い窓から上手いアングルを得ることが難しかったのです。
ならば、何度か試みた中から見繕って、お見せするのはどうでしょう。
季節が異り、天気や時刻もバラバラな点はご容赦いただくとして、一応、京都から大津へ向かうという設定で、御陵(みささぎ)駅で京都市交東西線と分岐し、地下線から出たところから始めたいと思います。
判り難いところはグーグル航空写真をナゾった地図をご覧ください。黒色がJR線で、北東に分岐する線が湖西線です。
そして水色の薄い方が京津(けいしん)線で、これを左から右へ、すなわち西から東へ向かいます。
まず最初の写真が、地上に出たところで、右手がJRの有名な山科大築堤です。分岐器は非常渡りですね。
この築堤をくぐるところです。もうここから、レール散水装置が登場します。
くぐったところで、JR線は左手となりました。先に見える駅が山科です。
山科を出て四宮(しのみや)の手前で三条方面行とすれ違います。
次は、四宮の浜大津方です。かつて80型の各停2連が折り返していた引上線が見えます。現在の4連は無理で、保線車が使っているのでしょう。
次は、反対方向の列車から撮影したものです。秋の夕暮ということで水煙が見事です。水が出るのは、電車が通る時だけです。
この右手、北側が四宮車庫です。
追分駅です。西大津バイパスの工事で付け替えられて、新しい線路のはずですが、この勾配はブレーキの加減が難しそうです。レール継ぎ目が伸縮式です。
先に見える高架道路は名神高速です。
そのくぐった名神高速を左に見ます。ここが明治の昔、大正10年まで東海道線だったルートです。右は国道1号線の逢坂山越えです。
京津線では一番、速度の出る区間です。
次は大谷(おおたに)駅を出たところで、左に曲がって逢坂山(おうさかやま)トンネルに入ります。気候が暖かだと、水煙が薄いですね。
トンネル・ポータルです。構えていないと撮り損ないます。右上の看板に「よ」の字が見えますが、この左手50mに「かねよ」という老舗の鰻専門料亭があります。ちなみに、ここは京都市ではなくて、大津市です。(これ、実は“橋”。上はその昔、東海道、国道1号線でした。それゆえ、ポータル形状とトンネル断面に差が‥‥)
次の写真は、反対方向の列車からです。水煙が勢いよく上がっていますが、付近に人家はありません。鰻屋に配慮しているのかも‥‥。
こちらは、浜大津方の出口です。外側の線路が路面電車並みにふくらんでいます。
速度制限は20km/hで、ATS地上子があります。曲線半径は‥‥。こちらは散水装置がありません。
その先で、名神高速道路のアーチ橋をくぐります。この辺りで対向列車とすれ違います。
国道1号線をアンダークロスして、しばらくしたら両側のレンガに注目です。JR東海道線を跨ぎます。よほど注意していないと見落とします。
その先の妙光寺です。このお寺のためだけの踏切があります。
次は、上栄町(かみさかえまち)を出たところで、かつて話題とした電車の水浴びはここです。
この辺りから大津市街で、併用軌道となります。
交通信号の3つ目に、電車用の信号が点灯しています。
電車に乗っていると判り難いのですが、相当な急勾配です。パーミルは‥‥。
この角を右に曲がると浜大津駅です。石山坂本線の線路が見えます。
ここで見落としてはいけないのが変則クロスです。
撮り逃したら、駅の歩道橋から冒頭のアングルを狙えます。
ご乗車お疲れ様でした。
水煙についての技術的な話は、上栄町のところで出てきた「電車も水浴びしたい!」という記事をご覧ください。
この散水装置が京津線だけで、石山坂本線には設置されていないという点が、キーポイントです。両者は走っている電車が異なっている。すなわち、車輪径が違うんですね。
【追記1】2013年9月16日の台風18号によって2週間も不通になった件は、掲示板にあります。2013-10-02
【追記2】逢坂山トンネルのポータル撮影は、結構難易度大です。京都寄は本文中の様に何とか可能なのですけれど、大津寄は私の腕では無理。ネットを探したら、果敢に挑戦した方を発見。京都生まれの気ままな隠遁僧、「今様つれづれ草」と、京阪電車 大津線の日常。下手をすると、両者とも少々危ない思いをしていますね(笑) 京都寄は、明治時代のものがありました。滋賀報知新聞です。
なお、両方のポータル共、上を国道1号線が通っていましたが、その辺りの判る地図は廃線隧道のホームページにあります(敬称略陳謝)。2015-01-27京阪京津線撮影地ガイド
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コメント
ガブリツキなんですね。(笑)
逢坂山トンネルの大津側ははじめからふくらんでいたのでしょうか? それとも車体の大きさの変化で線路も対応でしょうか。
>>1986年1月30日付のメモに拠れば、複線間隔の標準最小が3m048のところ、某隧道内は2m800とあります。ということは偏倚以前の問題かと(笑) また、同年2月3日付で某部署へ回答した、計画車による偏倚増加量は、曲線半径40mで内方151mm、外方106㎜です。実車は車体の幅を狭め、四隅を落としていますから、これよりは小さくなっているはずです。【ワークスK】
投稿: ヤマ | 2011/11/05 11:53
そうすると、ふくらんでいるのではなくて、トンネルに入るために狭めているということ・・・?
>>両方です。車体長を1m、ボギーセンター間を2mも伸ばすというので滅茶苦茶心配したのですが、土木屋は屁の河童だったことが印象的でした。この写真を見ても外側には電柱が建植されていて、まだまだ余裕がありますね。【ワークスK】
投稿: ヤマ | 2011/11/06 00:48