ロアリング・キャンプで見たアーチバー台車
A pursuit of truck construction, Many types of arch bar truck operated by Roaring Camp Railroads
ちょうど4年前の2008年2月に、カリフォルニア州フェルトンFeltonのロアリング・キャンプという保存鉄道をdda40x氏と訪問しました。
シーズンオフで閑散とした構内だったものの、3フィートナローのプリマスとか、ハイスラーが動いていて、それは夢のような光景でした。
ただ、私が大感激だった理由は他にもありました。
それは、遊覧オープン客車が履いていた古風なアーチバー台車の数々です。【画像はクリックで拡大します】
実を言えば、直に見るのは初めてでした。
枕梁が傾いていたり、控棒が曲がっていたりと、ナローにしても驚きの連続です。
クラスプ(両抱式)ブレーキが、アーチバーにもあるんですね。(正しく言うと、外吊り式のシングル(笑))
こちらは、枕バネの下が円弧となっていて、日本国鉄のTR20と一緒です。たぶん比較的新しいのでしょう。
次は枕梁が木製でした。キング・ポストよろしく、丸棒の補強が見えます。
バネを受けるスプリング・プランクが、チャンネルの溝を下にして使われています。また、バネの後ろにバネが見えて、都合、コイルバネは片側で4列あるのが判ります。
次はスクラップ・ヤードに置かれていた板バネ付で、カブースかテンダー用ですね。上弓棒を2重としているにもかかわらず、枕梁のバネ受辺りが頼り無げです。
チルド車輪のリブがよく見えます。
台車ばかりではナローファンに申し訳ないので、保存車と思われる貨車をご覧に入れます。
ボックスカーは、見るからに車体が歪んでいました。リポーティング・マーク(?)は“F&C”と読めます。
ゴンドラは、ドロップボトム式でしょうか。
ナローのシメはカブースで、観光用ですね。巻き尺を持って行きたい衝動に駆られる方もおられることでしょう。
さて標準軌間の車両は、これもロアリング・キャンプ鉄道の運営の様ですが、路線自体はSanta Cruz, Big Trees and Pacific Railwayという名前です。
留め置かれていた編成は、客車(P)3両と、フラットカーを利用したオープン客車(F)4両が、P-F-F-P-F-F-Pという具合に編成を組んでいました。
このダブルルーフ客車も面白いものの、私の興味はフラットカーのアーチバー台車です。
次の枕梁の端部には"SIMPLEX"と、どこかで見たことがある様な文字が浮き彫りになっています。
どの台車もコラムが立派です。軸箱のフタは昔、つぼみ堂のドロップ台車にこんなのがありました。
次のフラットカーは保線用MOWでしょうか。その向こうには製材工場が盛業です。
最後はカブースで、短い車体とホイールベースが玩具の様です。しかし台車はナローに較べて立派で、部材がシャキッとしています。
奥の木造カブースは普通の長さで、こちらはスイング・モーションではない板バネ付の一体鋳造タイプです。
さらに、写真にはありませんが、見るからに元サンタフェの鋼製カブースが、ベッテンドルフのスイング・モーション付を履いていました。
観光鉄道についてはWikipedelia英語版のRoaring Camp and Big Trees Narrow Gauge Railroadと、Santa Cruz, Big Trees and Pacific Railwayの項をご覧ください。オフィシャルサイトよりも我々の知りたい情報が書いてあります。
ここで、1時間半の間に160枚の写真を撮影しました。アーチバー台車以外はまたいずれ‥‥。
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