ジョン・アレンのG&Dボックスカーもプラ板で
How to build old style paper-side cars in today's fashion, part 2: This example uses online image data of John Allen's GD Line boxcar, which originally appeared in the December 1980 issue of NMRA Bulletin.
ペーパーサイドの型紙は単に画像情報ですよね。
何か面白いものがネットにアップされていないだろうかと探したら、ありました!
なんと、伝説のレイアウト、G&D鉄道のボックスカーです。
どうもNMRA会報の1980年12月号に掲載されたものの様で、Z、N、TT、HO、S、さらにOスケールと揃っています。さっそく画像を取り込んで印刷してみました。【画像はクリックで拡大します】
これなら、まったく前回と同じノリで、でっち上げられます。
ただし、羽目板の筋が白い文字やロゴに掛かっているところはHOクラスでは読み難いし、妻上部のラインが整合しません。さらに全体の茶色が暗すぎて黒いレタリングが不鮮明ということで、少し修正しました。
レタリングに「IL 35 FT 6」とあるのは、Inside Length=35フィート6インチということですから、妻壁の厚さが6インチならば、車体長は36フィート6インチで、HOスケールでは128mmとなります。この寸法になるように、トライ&エラーで画像を印刷します。
使った紙は、ストックしていたPLUSの「厚手マット紙<ポップ用紙 紙厚0.19mm>」です。プリンターはインクジェット式です。
印刷後は水分で紙が伸びますから、十分に乾くのを待って寸法を測ります。それに合わせてプラ板を切り出せば、アッという間に、1両分が揃いました。歩み板が1.0mm厚で、側板補強が5mm角の他は全て1.2mm厚です。
寸法は、側板が128×32.5mmで、車体幅が32mm、妻の尖がりは2.5mmとしています。
屋根板は、側面と妻面よりも0.5mmだけハミ出し、歩み板は、6.4mm幅で屋根端部から1mmオーバーハングです。
床下については、台車中心ピンが妻外面より20mmの位置、車体裾のレール面上高さは11.5mmで、カプラー取付面高さと同一という設定で、ここらは前回と一緒です。
そして、リモネン接着剤で組んだものが次です。
台車中心ピンの面高さは、カプラー取付面と3.4mmの差が付くようにブロックを接着しました。
この車体コアを黒に塗装後、印刷した用紙を、例のスティック糊「ボンド・ニューハイスティック」で貼り付けます。
各面は少し大き目に切り出して、余分をナイフで切り落とします。糊を塗ると、紙が長辺寸法で0.5mmほど伸びますから、この方法が安全です。
切り口に紙の白色が出た部分は、黒の油性ペンを塗りました。
妻面と側面をピッタリ合わせるのは意外と難しいものです。
インクがはげ落ちて白くなったところは、色鉛筆でごまかします。この辺りの丈夫さはWGさんからいただいたカラーコピーとは雲泥の差です。
スティック糊がはみ出して印刷面を汚したところもあるので、ツヤを揃える意味も込めて、最後にクリア塗料を吹きました。プラスチック用の缶スプレーです。ツヤ消しではクスんだ感じになりましたので、“ツヤ有り”としました。
印刷面の傷付き易さを考えると、プリント直後の乾燥させた段階で一旦、コーティングしておいた方がよさそうです。
側板の両端で少し濃淡の差がありますが、これは元々のスキャンしたときのものです。当方の技術では修正できていません。
さて、憧れのG&Dということで、組んでみたいという方もおられることと思います。PNGファイルで保存しておきますので、ダウンロードして使ってやってください。【ダウンロード用高精細PNG画像3.28MB】>>【濃淡ムラを修正し、車番を99に変更したPNG画像1.39MBをアップしました。2012-07-31】
ただし、私の様な超・簡略な作り方ではなくて、ある程度リアリティを出したい場合は、パーツを入手する必要があります。
各社から種々発売されているものの、もちろん寸法や形態がピッタリ合うかどうかは判りません。ウォルサーズ社のサイトで検索してみてください。ここでは私がカタログを持っている、バウザーBowser社のセリーSelleyブランドのものを挙げておきます。
まず、最も気になる床下のスケスケ対策ですが、型紙はトラス・ロッド式とする設定になっています。妻面下部に4つの丸印が等間隔で並んでいるのが、その端部です。
このターンバックルとクィーンポストのセリー品番は643と644です。
ブレーキは、時代的にK三動弁です。セリーの品番10か50あたりですけれど、どちらが適当かは判りません。日本のものと一緒ですから、大きさに拘らなければエコーモデル製などがそのまま使えます。
配置はCBD1909年版p223の、次の図が参考になります。
平面図が、床上から見下ろしている点にご注意ください。ちなみに、図の配置的には第一角法です。
あと、手ブレーキ・ハンドルもセリーで揃えることができます。
ハシゴは各社から発売されているものの、長さを合わせるのが難しいので、幾つか買ってその中から選ぶしかないと思います。
屋根板をスジ入プラ板として、歩み板には3枚の板を並べたように2本のスジを入れても良いでしょう。車体四隅の手すりとステップは、線材と帯材を曲げるだけです。ステップを付けるのでしたら、床板を止める小ネジの位置を変えなければ、ということで、この車は中央寄りとしています。
肝心の台車はどうでしょう。
手に入るなら、アーチバーでなくても、アンドリュースやフォックス、さらにはTセクション・ベッテンドルフでも似合います。いずれにしろ車輪径は9.5mmが適当で、1/80の国鉄TR20は10.5mmですから感じが出ません。
というわけで、太平洋の彼方にパーツを求めるのは隔靴掻痒(かっかそうよう)というか、結構面倒です。私がシンプルに止めている理由もご理解いただけるかと‥‥(笑)
19世紀から20世紀に変わって直ぐの、この時代の車両が少しずつ揃ってきました。
折しもMR誌サイトのビデオでは、バックマンの新製品というモーガルが心地よいドラフト音を響かせて走っていますね。
【追記1】この型紙をまともなモデルに仕上げている例を発見しました。CWRailmanというサイトです。2013-04-25
【追記2】2年半後に再度、ペーパーサイド・モデルを手掛けました。「ペーパーサイド・モデルを再び」をご覧ください。2015-01-09
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