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2012/08/18

四国鉱発白木谷鉱業所◆明円勝氏撮影

Locomotives and granby cars of the Shikoku-Kohatsu Shirakidani mining, recorded by Myoen Masaru in 1988

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 明円勝さんからDVDをいただきました。
 四国の白木谷というところに石灰石の鉱山があって、仕事で訪問した1988年に撮影という映像です。【画像はクリックで拡大します】

 高知県南国(なんこく)市の“白木谷(しらきだに)”は知る人ぞ知るというか、その筋のファンには有名で、鉄道ファン誌では1988年9月号(No.329)に紹介されているとのことです。
 まあ、私を含めた普通人には縁遠い存在ですから、Googleマップでチェックしておきました。

Shirakidani1
大きな地図で見る

 残念ながら、Google航空写真の方は拡大しても不鮮明で、軌道が判りません。北を左方向へ回転させています。辺りが白いのは、扱っている石灰石のせいでしょうか。

Shirakidani2

 次が頂戴した映像とデータで、一部を私が弄っています。映像の長さは6分13秒です。

 撮影は1988年7月13日。
 海抜250mの山肌で活躍していたUDL(Underground Diesel Locomotive)は、小柄ながらパワフルな排気音を響かせ、車体横から蒸気を吐きながら走っていた。
 第二ホッパー先の車両限界標識まで引上げては、またすぐに坑道に戻る、一日中この繰り返し、北九州でよく見かけた9600型蒸気機関車の様によく働いていた。
 坑道内での残留排ガスは、風量400㎥/minの軸流送風機数台で処理されて、作業環境は良好とのこと。
 当時仕事でお邪魔したつもりが、やっぱり撮鉄野郎であった。

【データ】

鉱業権者の名称:四国鉱発株式会社
鉱区所在地:高知県南国市白木谷
鉱物:石灰岩

坑内用ディーゼル機関車について
日車UDL112Bは、エンジン排気を排気処理装置により人体に害がないものとなっている。
保有機関車番号 No.105~111 の7両
運用はプッシュプル3編成稼働  予備:1両

仕様
1.形式
  UDL112B

2.要目
  車輪配置: 0-4-0
  整備重量: 12,000kg
  自重:       11,600kg
  軌間:           762mm
  車輪直径:     610mm
  固定軸距離:1,650mm
  全長:          4,550mm
  全幅:          1,460mm
  全高:          1,840mm

3.性能
  最大動輪周上引張力:3,000kg(μ=0.25)
  最大速度:16.8km/h
  最小通過可能曲率半径:10m

4.機関
  製造会社名:日野自動車工業株式会社
  機関名:4サイクル6シリンダーディーゼルエンジン
  形式:DS50A
  1時間定格出力:110ps/1,800r.p.m
  シリンダー直径×行程:110mm×140mm
  始動方式:電気式
  乾燥時重量:650kg
  燃料タンク容量:130ℓ

5.変速機
  製造会社名:新潟コンバーター株式会社
  形式名称:DBVG90
  構造:6要素3段タービン
  最大トルク比:約4.5
  クラッチ:湿式多板クラッチ
  操作方法:空気式
  乾燥時重量:350kg

6.逆転機
  形式:内歯歯車噛合切替方式
  操作方式:空気式
  減速比:27:66

7.減速機
  形式:傘歯車減速方式
  減速比:15:40

8.推進軸
  自動車用ユニバーサルジュイント

9.車輪駆動
  方式:チェーン駆動方式
  チェーン形式:1 1/2 2列

10.車輪車軸
  軌間変更可能:762mm又は914mm

11.バネ
  コイルバネ:8個

12.ブレーキ装置
  方式:空気ブレーキ及びスプリングブレーキ
  ブレーキ率:80%(空気ブレーキ)

13.照明装置
  前照灯:シールドビーム 24V  60W
  尾灯:                          24V  10W

14.警報装置
  電気笛
  非常停止ブザー

15.排気処理装置
  白金触媒及び水洗方式

16.連結器
  ウィルソン連結器

17.牽引力
  条件:出発抵抗   15kg/ton
     機関車重量     12ton
     最大引張力 3,000kg
  平坦線:               188ton
  勾配線:5/1000   138ton
       10/1000   108ton
       20/1000   74ton
       40/1000   43ton

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ネットを検索したら、同じ88年の訪問記録を公開されているブログがありました。「奥野君の専用線日記」です。軌道は廃止されてしまったと解釈できる書き振りです。

 「グランビーGranby鉱車」の由来は、グランビーというカナダの会社のフェニックス鉱山で1905年、最初に採用されたことに因むと、Wikipedia英語版に出ていました。

【追記】写真をアップするのを忘れていて、5枚を追加しました。2012-08-25

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