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2012/11/11

今どきのNゲージの楽しみ方

A huge N gauge layout appeared at an event, is owned by one person.

 先日、地域のイベントがあって、ちょっと顔を出してきた。小学校の体育館である。
 ポスターに、なんとか交付金事業とあったから、悪く言えばバラマキ行政の一貫なんだろうけれど、催し物自体は様々なスポンサーに協力を仰いで、結構な賑わいを見せていた。

 その中でもちろん、注目したのは鉄道模型の運転だ。【画像はクリックで拡大】

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 Nゲージだったのは言わずもがなだけれど、この規模は凄い。
 某生命保険会社の人集めの体だが、尋ねると、線路自体は一個人の製作で、車両は4人が持ち寄ったという。たったそれだけで、これだけのことが出来てしまうという事実に驚く。

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 コントローラーは12個が並び、エンドレスは10本。

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 この複雑なポイントをどうやって操作するのか、と見ていたら、そこまで歩いて行って指で弄っていた。

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 京阪や阪急は言うに及ばず、みなフル編成のようだ。

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 濃淡緑と黄赤で、実物どおりの編成が、取り換え引き換え走れば、土地柄、人だかりができるのは当たり前。
 1/80でも可能か? でも、個人では夢の世界。1/45ではハナから無理だ。

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87dsc02363 ブロックの接合部には必ず伸縮継目が入っていた。レールの誤差を吸収するのだろうか。

 こういうのを眺めて、かつ値段を較べれば、Nゲージが普及するのは当然だ。
 カトーが新発売したばかりというC56は、信じられないプロポーションで、動力はコアレス・モーターに2条ウォームを使っているという。小スケールはラビットスタート、なんて常識は昔語りになってしまった。(鉄道模型机上の空論を参照)

【追記】実際に電車に乗ったときを想像していただきたい。
 カブリツキ位置を確保して、運転台の速度計を見ていると、停まっているときはゼロだ。走り出すと針が次第に上がっていく。10キロから20キロ、50キロを超えて、しばらくするとトップスピードの100キロだ。速度の上がり方は、1秒にだいたい1.5から2.5キロといったところか。となると100キロの速度になるのに1分ほども掛かる計算だ。ちなみに速度の上がり方を加速度という。

 Nゲージでも長い編成ではこんな運転が可能だ。ただ、1分も経てばエンドレスを一回りしてしまい、実用的ではないので、加速度をもう少しあげる。機関車単機で運転するときも、この加速度を頭に入れてコントローラーを動かすと実感的だ。肝心な点は、加速度を一定の値に保つということだ。実物では高速域で加速度が下がってくるが、普通のモデルでは問題にならない。

 速度を下げて、停まるときも一緒で、ユックリとコントローラーを動かし、滑らかに速度を下げる。この度合いを減速度という。
 自動車はオートマチック車が主流になってしまったから判り難いけれど一緒だ。速度は徐々に上がり、また下がる。電車よりも急加速、急減速だけれど、原理、動きは同じだ。
 マニュアル車だったら、もっと良く判るだろう。

 さらに、この滑らかな速度変化を、低速域でも実現させると、本当に実感的な動きになる。
 加速度を変化させてはならない。あるいは、急激に変化させてはならない。
 ここが肝心だ。
 大きな重量(質量)を持ったものが動くときを、よく観察していれば、判る話だ。ウルトラマンが着ぐるみの人間だとわかってしまうのは、ここだ。

 これこそが「モメンタム=慣性力」で、dda40x氏が以前より主張されている。フリーホイールの設置目的は、もちろん、瞬間停電対策でもあるが、真はこっちだ。
 フリー・ローリング・ドライブ(アメリカ型鉄道模型大辞典を参照)が世に出た時に、「押して動く」と喧伝されたけれど、それは「滑らかに動く」ことの重要性が当時は理解され難かったからだ。

 滑らかで実感的な加減速をモデルで実現する方策が2つある。
 一つは、モーターに流す電流を上手にコントロールして、あたかも滑らかに速度が変化しているように“擬似的”に動かすものだ。これが、トランジスタ・コントローラーであり、また近年のDCCにも備わっている機能だ。

 もう一つが、フリー・ローリング・ドライブや、現在のカトーがHOではEF510(掲示板での紹介)、NではC56で目指しているもので、動力伝達での効率向上だ。ここでは抵抗、摩擦を極限までに小さくしなければならない。モデルが小さければ小さいほど、僅かな抵抗でも動きがギクシャクしてしまう。
 ウォームギアの効率は、我々の世界だと10%とか20%、特段に工夫しなければ商用でも30%を超えるくらいだ。それに引き換え、スパーギアは軒並み90%代を保持し、100%に迫るものはザラだ。
 この理由は、ウォームの歯面では摩擦が働いているのに対して、スパーでは歯面同士が転がっているからだ。もちろん、歯面の形が理論通りのインボリュートとかサイクロイドになっていなければならない。

 ウォームは直角に動軸を変換できるから、モデルでは便利で、どうしても使いたい。ここで、ウォームでも効率を向上させる方策がある。このネジレ角を大きく、すなわちネジを2条、あるいは3条にすることだ。簡単にいうと、摩擦と転がりの比率で、コロガリ分が多くなるのだ。

 さらに、低速においてモーターの1回転の中でも滑らかに動かしたいという欲求が出てくる。マグネット・モーターには鉄心が吸い寄せられるコッギングという現象があって、カックンカックンとなる。よって、鉄心の無いコアレス・モーターが採用されるのは当然の帰結だ。(「コッキング」は"cogging"の誤読。日本語では促音の後ろに濁音が来ない決まりなので、清音化するとのこと)

 まあ、こういうものには、とんと縁が無くて、リアリティには無頓着な奴が書けば、こんなところか。実践派、理論派の応援を望みたい。
 1980年代に築かれたカトードライブの神話が、再び始まるのか、新たなる同社の挑戦を固唾をのんで見守っている。2012-11-12

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コメント

 C56の2条ウォーム、ご助言を参考に、少しずつ調査中です。
 こちらの掲示板も参考にさせていただき、C56と同じモーター、2条ウォームの採用されているKATOの1/80、16.5mmEF510動力台車を手に入れ調べたところ、手押しで逆駆動可能でした。個体差もあるだろうからどれも可能かは分りません。2条だし、スラストベアリングも無いし、さすがに重いです。しかしHOの小型機でも逆駆動の可能性が見えてきます。
 Nゲージでも、動輪側からの駆動を多少なりとも楽にする効果があるのだろうと思います。C56は、さすがに押しては動きませんでしたが。

>>カトーの目指しているものは、あたかも鋼鉄の大きな塊が動くような滑らかさで、それはバラックモデルさんが追い求めておられるものと一緒のはずですよね。大根役者ではなくて、名優の所作といえるでしょうか。一方、私は‥‥?【ワークスK】

投稿: バラックモデル | 2012/11/11 14:34

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