ミカン山のラック式モノレール
テレビのリポート番組などでお馴染みだが、実際に目にするのは初めて。車を停めて観察する。
編成はいうなれば、機関車とフラットカーとに分かれる。
操縦者は、荷台に乗るしかないものの、座るところは無い。テレビの記憶やYouTubeでは、荷台上にしゃがんでいる。
レールを支える支柱が心許無い。そんなに大きな荷物は運べない雰囲気だ。レールを掴むアームの付き方は懸垂式モノレールの反対か。
連結器は自在継手風で如何にも心もとない。その備えだろう、鎖が渡してある。
機関車を下から覗きこむと、耕運機のようなエンジンを備えている。
ラック・ピニオンの下は油受だろう。
元鉄道屋としてはブレーキ機構や安全装置が気になる。
同様のモノレールは次々と現れる。
道端に放置された機関車のFRPカバーも見つけた。
頂部の膨らみは何だろう。スロットルの棒でも差し込むのだろうか。あるいは、動かすときには外してしまう、単なる雨露除けなのだろうか。
ここは列車が留守だったから、稼働中なんだろう。
これはちょっと離れた有田川の南にあったもの。フラットカーが階段状になっていて、波板でカバーがしてある。この勾配はきつい。連想するのはケーブルカーの平行四辺形となった車体。
いずれにしろ、車止めが無い点は不安。
この灰色のものは、ラックの位置が異なり、軌道の下ではなくて、横についている。機関車の覆いは、なんとトタンだ。型式が古いとか、メーカーが違うということだろうか。
そして、機関車は坂の上寄りに連結するのが定番か。
ちなみに光永産業というメーカーを見つけた。なんと、図面まで用意されているので、モデル化は容易‥‥って、少し奮発すれば実物が買えるかな。
有田川の流域まで降りてきたら、道沿いにD51が置いてあってビックリした。
有田川鉄道公園というらしい。鉄道交流館という施設が併設されていて、本来は2003年に廃止となった有田鉄道の保存展示が目的の様だ。(ウィキペディア日本語版を参照)
なお、全ての写真は2012年10月16日の撮影である。
ススキの生石高原の様子はここで紹介してみた。
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コメント
モノレールはミカン山のほか林業用や治山工事の荷役、人送用にも良く利用されています。
特許があるのでしょう、メーカーによってラックの位置や方式、レールの保持方法など様々な種類があります。
よくみかけるのはレール下部に板を折り曲げて作ったラックを溶接しているタイプでしょうか。たしかニッカリというメーカだったように思います。レール下面に等間隔に穴をあけてラックの代わりにしているものもありますね。
人送の場合はトレーラーにも独立したブレーキ機構の装備が義務づけられています。
でも荷役用のモノレールのトレーラーに乗って暴走事故で死亡災害が頻発してるんですよねえ。それに、こういうタイプの機械の場合、明らかに耐用年数がすぎたような機械が手入れの悪い赤錆状態でつかわれていたり、みていてぞっとする事もあります。
模型では赤錆のふいたウェザリングがもてはやされますが、実際に役務についている機械がそんな状態では、おそろしくてたまりません。
ウェザリングはやっぱり古びて塗装が傷んではいたり凹部に薄いサビがのこっていたりしても、要所要所にしっかり注油され良く磨き込まれた状態を表現したいです。
>>ご教示ありがとうございます。検索すると株式会社ニッカリがありました。ラインナップも豊富です。安全基準も種々制定されているんですね。【ワークスK】
投稿: skt | 2012/11/17 18:53
有田川鉄道公園では国鉄キハ53が動態保存されています。
乗車して100メートルほどの展示用線路を往復できます。
一度だけ乗ったことがありますが、古い形式のエンジンをそのまま使っているので、とても懐かしい音がしました。
投稿: YUUNO | 2012/11/25 23:04