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2012/12/29

ディテールズ・ウエスト製ボックスカー(1)

How to assemble the 50' boxcar models manufactured by Details West

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 昔むかし、といってもたった数か月前までのことなのですが、「唇よ熱く貨車を語れ」という名のブログがありました。屋根裏親仁という方が書かれていて、アメリカ型の、それも西部の近代的なボックスカーをキットバッシュするという、稀有な方向性は我々には堪えられない記事の連続だったのです。それが突然、ブログが閉鎖されて今日に至っているのですから、残念至極です。

 で、そこでディテールズ・ウエスト社がかつて販売していた50フィートのボックスカーが話題となったことがありました。4種類があったのです。【画像はクリックで拡大します】

DW 600 50 feet combination door box car 今回、長年探し求めていた品番が入手できたこともあって、ストックしていたキットを組むのはもちろんのこと、既に組んだものにも手を加えることとしました。とはいっても私のことで、基本的にはカプラーと車輪を替えるだけです。現在は改良の上で発売されているアサーンRTRブランドとも対比してみました。

カプラーとポケットの構造

 実はかつて、カプラーに大きな問題がありました。
 現在は、ケーディーからウィスカータイプという、復元にカプラー本体に線バネを仕込んだものが発売になっていますから、 解決しているのですが、古い#5で用いられていた板バネの位置が難しかったのです。
 普通は、この板バネがカプラー軸の上となって、板バネの位置を決める約3mm径のボスも、上から下に向かって生えています。ところが、このキットでは、ボスが下から生えているのです。おまけに次の写真で、ボスの上面とフタの下面との間に0.5mm程度の隙間ができます。すなわち、板バネを上付きとすれば、復元しないのです。

 簡単な解決方法は、板バネを下付きとすることです。

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 これで、下がり気味のカプラー高さが若干改善するというメリットもあるものの、左右で変えている復元力の強弱が反対となってしまいます。次の写真で、左側のダークグリーンの車両は、板バネを下付きとして、まだ足りないカプラー高さを、下シャンクの#27を用いることにより補っています。
 一方、右のイエローは、既設のボスを切り取って、新たに3mm径のプラ棒を貫通させ、上付きの板バネを実現しています。ただし、開き気味のフタを接着せざるを得ませんでした。

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 そこで今回、採用した方法です。

 ケーディーからウィスカータイプが発売されていますので、もちろん、これを使います(Kadee品番148他)。左右復元用板バネの問題は、完全にクリアです。

 さらに、ポケットのフタの付け根が弱過ぎて、時として口が開いてしまうことと、ポケットの上下の隙間寸法が若干大きく、カプラーがタレ気味となる点を改善します。

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93dsc03997 まずお辞儀対策では、ポケットの底に0.3mm厚のプラ板を貼り付けて詰めます。左写真の白く見えるもので、完成時の見栄えを考え、開口部付近を油性ペンで黒く着色しています。欲しいのは黒いプラスチック板ということで、ケーディーが発売する#5用のシムで薄い方が0.25mm(0.010インチ)で使えます。私のモデルの半数はそれです。(Kadee品番211

 フタの曲がり対策では、ボスの中心にネジ穴をあけて、フタの上から皿ビスで固定します。これはネジ山の掛かり代の関係ですが、この皿ネジの頭が外部に露出してしまうのには目をツムらなければなりません。
 ビスはM2×4が丁度で、私は黒染めされていて頭の径が3.4mmと、普通の4mmより小さいエコーモデル発売品を用いました。これ、「細密ビス」という名称ですけれど細目ネジではないので、プラスチックに使えます。もちろん、普通の頭径4mmのものでも黒く塗れば機能的な不都合はありません。

00dsc04360 この辺りの構造は、アサーン時代になっても同じで、カプラーにマックヘンリーが使われているだけです。
 ただし、ポケットの上下隙間を詰めるために、底に0.4mmのプラ板が敷いてありました。軸に引っ掛ける丸孔を開けているところはさすがで、これでプラ板の厚さを調整することができます。

 また、ほとんどは車体から床板を外せるのですが、中には接着しているものがあって、皿ビスの追加が不可能です。(この段落を書き換えました。なお、ふたの固定は接着で十分なのですけれど、動く部分は壊れたときに交換できるようにしておくことが定石と考えています。2012-01-09)


【追記】ホームセンターで、「超低頭小ネジ」というものを見つけました。6本で税込138円という驚くべき値段です。(この小ネジについては別記事を仕立てました)

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 頭の厚さ0.3mmで首下長さ4mmですから、頭の直径の3.5mmキリ(ドリル刃)で座グリをすれば、 サラ小ネジよりも簡単に使えます。
 また、ポケットの下敷きにする0.3mmのプラ板を、メーカーと同じく孔付として、接着しないようにしました。薄板ですけれど、孔はテーパーリーマを使えば、きれいに開けられます。2015-03-02


台車の取付

 キットに添付されている台車は、ブルー・ボックス時代のアサーン製ローラー軸受タイプです。これをそのまま取り付けると、左右ローリング方向のアソビが皆無となってしまいますから、ワッシャを挟みます。手許にあった0.5mm厚で内径3.5mm、外径7.8mmの黒染め品です。中心ピンのボスが3.2mm径で、これよりも少し大きければ使えます。
 さらに車輪を金属に変えて、カプラー高さがピタリと出ます。
 なお、中心ピン用の小ネジは、キットには次の写真で右側4種類が入っていました。このうち、右から4番目のもの(頭径4.1mm、ネジ山外径2.1mm、首下長6.3mm(ユニファイネジ=ISOインチネジ"UNC2-56 1/4")だけを使いました。長さや頭の大きさがちょっと心配だったからです。それ以外は、右から5番目のアサーン別売品(頭径4.0mm、ネジ山外径2.1mm、首下長7.9mm="UNC2-56 5/16")に換えました。
 これ、日本でも入手可能です。向こうでは高価で、10年ほど前に取り寄せたものに5本で1.39ドルなんていう値段が貼ってありました。

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 アサーンRTRブランドのものは台車モールドが変更となって、心皿高さが高くなり、この辺りは改善されています。


【追記】魚骨フレームの中心ピン孔は2.2mmのキリでバカにして、ネジは床板の方にだけ利くようにします。さらに、床板の孔の入口は、細いヤスリを使ってテーパー気味として、セルフタップの小ネジが食い付き易くしました。
 また、魚骨フレームが床板に対して、長さ方向に突っ張ったり、引っ張ったりする現象が出ました。台車中心ピン間の距離が気温によって伸び縮みして、差が出るのではないでしょうか。で、魚骨フレームのピンが嵌まる穴径が3.8mm程度だったので、4mmのキリで拡大しました。2015-01-28


ウエイトの追加

 このキットの大きな欠点の一つは、ウエイトが添付されていないことです。
 NMRAの推奨値は、基準となる車体長がカプラーポケット間の190mmだと解釈すると、135gとなります。次の写真で、奥のものは後年のアサーンRTRブランドで、実測130-135gでしたから、合格といえるでしょう。ディテールズ・ウエストのキットでは、車輪を金属に替えて、50gが必要です。
 私は、ホームセンターで売っている25×6mmの帯鋼(フラットバー)を45mm長に切ったものを、厚手の両面テープ(自動車内装用)で貼り付けています。

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 これで下回りが完成で、車体へは填め込みです。床板が少し反っているものの、ピタリと填めれば、真っ直ぐに納まります。
 アサーンRTRブランドは嵌まり具合が緩めとなっていて、前述のとおり接着されているものがありました。キツくするのは、それほど難しいことではないはずです。

ハシゴと手ブレーキの接着

 車体の加工は、四隅にハシゴ8個と、Bエンドに手ブレーキを接着するだけです。
 唯一、コンビネーション・ドア・タイプだけ、スライド・ドアを取り付けます。

 このハシゴが難物で、過去に組み立てたキットは、片っ端から外れまくりました。
 足を設けて差し込む構造にするとか、何らかの工夫が必要なのに、説明書には6か所の小さな部分に接着剤をほんのチョッピリ付けろ、と書いてあります。

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 それと問題は、取付高さです。実物の写真と見比べると、次の写真の左側ではなくて、右側が正解です。そうすれば、イエロードットが段の間から上手く覗きます。
 右側の、最下段の少し上に黒いモールドが僅かに見えていますが、このために削っています。

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 まあ、これは外れることを予め覚悟し、取れたら無くさないようにして、マメに修理するしかないでしょう。

塗り残しのタッチアップ

 ハシゴに関連して、モールドのゲート(湯口)を切り取った跡が、そのままではモロに見えています。これは設計の拙さですね。無塗装の手ブレーキと合わせてタッチアップをした方がスケール感が出ます。

 私は手持ちの有り合わせ塗料を適当に調色しましたから、写真でお見せする程度ですけれど、これでも十分でしょう。

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 なお、次写真左のアサーンRTRブランドは、完成品オンリーで、この辺りの煩わしさはありません。加えて、車端のハシゴと手スリが改良され、レタリングも追加されています。塗装も文字も格段に向上し、屋根にはボカシまで入っています。

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車番の変更

 さて、最後は車番です。同じスキームが複数台あるときに、車番が同じというのは精神衛生上、良くありません。まあ、運転会で走らせても、誰も気に留めてくれませんけれど、要は気分です。
 先日お見せしたオート・キャリアーと同じように、1の位だけ弄ってみました。
 「6」は一部をナイフの刃先で削って「5」、「8」も同様に「3」と変えました。「3」は、白のラッカーを塗ってから刃先で整えて、「8」と「0」を作りました。
 もちろん、両側共に変更していて、出来の良い方をお見せします(笑)

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 というわけで、10数両が揃いました。当時の定価で5.25~7.95ドル、日本の模型店では1,050~1,840円ほどだった様です。現在のアサーンブランドは、以上の改良がなされた完成品で、25ドル弱の定価でも実売価格は安めですから、ディテールズ・ウエストのキットは完全に過去の遺物ということになりますね。

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 引き続き、これら4種を個別に見ていきます。

第2回 500 エバンス・ダブル・プラグドア車

第3回 600 コンビネーション・ドア車

第4回 700 スペーリア・プラグドア車

       800 ヤングスタウン・プラグドア車

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コメント

穴なしでハシゴを接着するのは位置合わせが難しいし、はずれやすいですね。細い線材でツナギでもしておくかですが、作業が多くなって面倒です。
車番の変更、この字体なら変更がやりやすそうです。
10数両の組立・加工はスゴイです。自分もこの年末に、手持ちプラキットをだいぶ組み立てましたが、かなり疲れました。

>>みな同じ構造ですから、流れ作業です。やり残してしまった、端面のレタリングと、側面のリューブプレート等は、気が向いたときに‥‥【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2012/12/30 16:48

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