ウォルサーズ製2段オートキャリアー・キット(2)
(2-1) パネルの貼付
最初の難関は、サイドにズラリと並んだシルバーのパネルです。オート・キャリアーの一番の見せ所となっているので、美しく貼りたいものの、その方法に頭を抱えるはずです。少し反ったパネルを密着させるには初期接着力のあるものを使わなければなりません。また、下手な種類だと、入手したジャンクの様に歪(ひずみ)が出てしまいます。
説明書の指示は「GOOを少量使え」ですけれど、これ、合成ゴム系でしょうか。ちなみに、右に示す注意書きも入っていました。
過去に私自身は、普通のプラスチック用(MEK系)としましたが、今回はタミヤのリモネン系で、流し込みタイプではない、塗るタイプを使ってみました。同社のサイトに「リモネンにありがちな初期接着力の弱さが無い」と書いてあったからです。
写真の程度に塗って、ベタッと貼り付けました。液がはみ出たら、すぐにティッシュで拭き取ればレタリングを侵しません。車体の面は塗装されているので接着剤が効くかと心配したものの、30秒ほど押さえていたら食っ付きました。しばらくして浮いてきた箇所は、再度押さえたら大丈夫でした。また、ジャンク品で変形の大きなものは、手持ちの余分を貼り換えています。
一応、1週間が経っても異常は見られません。何かあったらまた報告します。
【注記】このリモネン系、失敗でした。約8年後に確認したら、パネルが軒並みはがれていました。MEK系は大丈夫でした。 手持ちの塗り付けタイプが無くなっていたため、近所の模型売り場で入手できたタミヤセメント(MEK系?)で張り直しました。2020-10-01
入手したジャンク品を分解したら、パネルの貼付けに両面テープが使われていました。事務用の薄手です.外見からは気が付きませんでした。おまけに屋根の取付もこれでした。強度も十分です。2022-10-21
(2-2) カプラーの取付
カプラーは、ケーディーの“シェルフ”タイプがお薦めだと以前に書きました(「オートキャリアーにはシェルフカプラー」)。線路が上下に波打っている場合に、普通のケーディーでは自然解放を起こし易いのです。
品番でいうと、ヘッドの大きさが小振りな#119か、標準の#118です。現在は共に左右の復元作用がウィスカー・バネとなっているので、問題なく取り付けられます。
ところが、以前に発売されていた#118は、同じ品番でも写真の様な板バネです。私はストックを使いました。これの注意点は、ポケットの奥行きが足らず、板バネの先が引っ掛かってしまうことです。この部分をナイフなどで削り取ります。(このカプラーポケットの不具合は、同社の50'ワッフルサイド・ボックスカーにも見られます)
さらにあちこち、スライドする部分をヤスリで滑らかに調整します。
また車体への組み込みでは、カバーを固定する爪が折れ易いことも難点です。今回のジャンク品では4両16か所中、5か所が折れていました。これは、ビス(M2のナベ小ネジ)を植え込んで、その頭の部分で押さえ付けます。(後述の通り、ウエイト鉄板を床上面に貼り付けるのですけれど、上手い具合に、このビスの突き出たあたりには来ません)
(2-3) 鉄板ウエイトの移設
キットの指示では、車体下面と、魚骨状台枠の間に鉄板(軟鋼板)を挟みます。しかしこの構造では、鉄板に車輪フランジが接触し易いのです。鉄板を同じ1mm厚のプラ板に置き換え、写真の様に車輪の部分が無い形として、魚骨に接着します。1両分所用数は7×12ミリが4枚と、196×29.5が1枚です。
これで、車体高さ=カプラー高さがドンピシャリと出ます。プラ板は塗装しません。だって、見えませんから‥‥(塗装する場合は、隅となる部分の吹き残りに注意)。車輪は金属製に取り替えます。実物どおりの33インチ(9.5mm)径です。
一方鉄板は、車内の床上面に貼り付けます。私は厚手の両面テープ(自動車内装用で最上等品)を使っています。鉄板はメッキされているようなので塗装をしていません。(この接着に合成ゴム系を使うと、プラスチックを侵す危険があります。また、エポキシ系や瞬間系では寒暖の差の繰り返しで将来、パリッと剥がれる可能性があります。特に屋根板を固定した場合は、鉄板が剥がれると悲惨です)
全重量は、キットのままでもNMRA推奨値に合致するのですけれど、同じウォルサーズ社の最新モデルが20%増しということで、その245gに合わせます。追加する40~50gは、鉄板の切れ端を塗装して、これも両面テープで貼り付けています。(「オート・キャリアーを再び弄る」もご覧ください)
屋根板の接着には、リモネン系ではなくて、従来(MEK系)の流し込みタイプを使いました。リモネンは接着力が強く、まさかの時に屋根を外せなくなることを心配しています。
(2-4) 車番の変更
今回入手した4両の内、3両がユニオン・パシフィック色で同じ車番ですから、2両を変更しました。安直に、1の位の「1」を油性ペンの黒で塗り潰して、その上からデカールを貼っています。幸い、マイクロスケール社の手持ちが、書体も大きさもピッタリでした。
文字色の白の濃さが異なってしまった点は、そのままです。オーバーコートはしていません。
以上で完成です。20年も前の製品で、最新モデルと較べると見劣りするものの、走れば判りません。まあ、枯れ木も山の賑わいですね。
製品の発売時期やスキームのバリエーションについては、Tony Cook氏のサイトをご覧ください。
【追記】過去にウォルサーズが発売した3種類の相違点をご覧に入れます。中古製品を買われるときの参考になると存じます。イエローが今回取り上げた1992年製の2段式、ライトグリーンが最新で2009年の同じく2段式、ダークグリーンが1999年発売の3段式です。外観はほぼ同じでも、造りは全く異なります。2013-01-11
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コメント
先日はありがとうございました。編成が更に長くなられたようで羨ましい限りです。
先日の貨車は相変わらず展示台で日向ぼっこをしとります(笑)
お陰様で、我が家にBNSFの機関車が入線する事になりました。
>>コメントありがとうございます。自分のレイアウトでは十分に長い編成も、広いところでは貧弱に見えてショックでした。まあ、実物並みは無理でしょうが‥‥【ワークスK】
投稿: あっしー | 2012/12/20 18:24