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2013/01/05

ディテールズ・ウエスト製ボックスカー(2)

An examination into the 50' double plug door boxcar models manufactured by Details West, now by Athearn as "Evans".

品番500 エバンス・ダブル・プラグドア車

 ディテールズ・ウエストのボックスカーキットは、4種類全てが50フィート車でした。そのうち、一番最初に発売されたものがダブル・プラグドア車です。現在ではアサーンから、Evans Double Plug Door Box Carとして完成品でラインナップされています。【画像はクリックで拡大します】

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 MR誌を探してみると、1979年2月号p4の業界短信が最初で、翌3月号p46に新製品として詳細な紹介文がありました。
 それによれば、実車の製造がUnited State Railway Equipment Co.、長さ58'6"、高さ15'3"。UP 451250-451392に合致、別付パーツはプラスチックのインジェクション・モールド。台車はアサーン製を添付、カプラーは別売でケーディーの#5が適合とあります。

 続いて同誌のペイント・ショップで、80年3月号にDT&I(Detroit, Toledo & Ironton)とOhio Southern、82年9月号にC&NWが登場して、ちょっとしたブームの様相を呈しています。
 デカールもヘラルド・キング等が続々と発売したようです。

 ところが、発売から11年後のRMJ誌1990年6月号p7-9(TrainLifeサイト)には意外な事実が書かれています。
 実車は1969-1977年のエバンス製で、長さが52'5"なのに50'しかなく、車両定規はプレートCにもかかわらず、それより小さなプレートB、屋根のプレスパターンはモデルの対角線形は少数派で、大部分がX形だというのです。
 UPの該当車番(UP 451327)の写真も示されていて、MR誌の記述を踏まえていることは明らかです。

 近年発売されたアトラスのトレインマン・ブランド(1995年発売)と較べてみると違いが判ります。ただ、長さも高さも僅かに小さくなっているので、プロポーション的にはOK‥‥というRMJ誌の記述も判らないではありません。
 次の写真で、グリーンのBN車がアトラス製品です。

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 車体長さと、屋根のプレス・パターンの違いです。

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52dsc04190 車高は、この程度の差です。

 もちろん、右のディテールズ・ウエスト製には、台車中心ピンに0.5mm厚のワッシャを挟んであります。
 妻板のプレス・パターンと、ハンドブレーキも若干異なっています。

 Car and Locomotive Cyclopedia 1974年版のpS3-218に、実車の広告が掲載されていて、MR誌が示したメーカー名はエバンス社のリース部門ではないかと思われます。

Img879b 多くの品番に付されたリポーティング・マークの"USLX"が多分この会社で、そのマークだという小さなアメリカ本土の形が、車体側面の隅に描かれています。

 さて、AAR分類は"RBL"ですから"INSULATED"リーファーです。6面に断熱材が入っていて、温度に注意を要する品物が積荷で、缶詰やビール、家畜の飼料、農産物を挙げられているのは判かるとして、建築用製材や合板、木工品、石積み壁、掘削泥drilling mudも含まれています。

 考えるに、建材などの積み荷は、水濡れを嫌ってプラグドア車に積みたいのだけれど、ついでに"INSULATED"としておけば、別の用途でも稼げる‥‥というような経済感覚でしょうか。(>>正しい理由は【追記2】

Img889 近年のアサーンRTRブランドでは、スキームの細かな違いや番号を変えてたくさん発売されています。ただし、すぐに売り切れるので、希望するものをゲットするのは容易ではありません。

 また、アサーン自身やMR誌の記念貨車を、このモデルで発売するようになっています。実物のウィスコンシン&サザン鉄道がたくさん保有していて、希望するロゴなどを掲出してくれる、という理由なのでしょう。なかには米空軍の募集広告付き?などというものまでありました。

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 以下、ウォルサーズ・カタログなどを基に、ディテールズ・ウエスト時代の品番毎のスキームを拾っておきます。

BC-500 Undecoraited
BC-501 Bend Mill Works
BC-502 Chicago & North Western
BC-503 Southern Pacific
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BC-504 Tropicana Orange Juice
BC-505 Union Pacific
BC-506 Weyerhaeuser
BC-507 Boise Cascade
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BC-508 Georgia Pacific
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BC-509 Illinois Central
BC-510 Missouri Pacific
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BC-511 St. Regis
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BC-512 Western Pacific
BC-513 Raiston-Purina
BC-514 Boston & Maine ?
BC-515 Florida East Coast
BC-516 Wisconsin Central ?
BC-517 Thomasville
BC-518 Virginia Central
BC-519 L&N/Seaboard Coast Line

 これらのうち、BC-503のSPスキームはフェイクで、この車番はアサーンブランドの50' PC&F plug door boxcarが合致するようです。
 BC-510のMoPacが付けているリポーティングマークARMHは、判りません。

 次の4両はアサーン時代です。

 アトラス製品です。
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【追記4】製品紹介を、我が国の"とれいん"誌1980年1月号p79に発見しました。写真はSPとUPで、「屋根がくすんだ銀で、色もなかなか落ちついて、レタリングの仕上がりも鮮明である」との評です。2020-08-23

【追記1】実車の解説がありました。RMJ誌1996年4月号p6-13と、MM誌1996年7月号p42-47で、後者は図面付です。2013-01-08

【追記3】車体の大きさが小振りとなってしまった理由は、当初の方針が床板をアサーンの50’車とコンパチブルとすることだったという推察はどうでしょう(>>記事「アサーンの50'プラグドア・ボックスカー」)。勘ぐれば、設計から製造までアサーンが引き受けていて、台車はアサーン製だった。2002年には発売元もアサーンへ移管ということで辻褄が合いませんか。2019-12-31

【追記2】同じプロトタイプの模型が、新しいメーカーであるスケールトレインズScaleTrainsから予告されました。その呼び名は"Evans 5100"で5,100 cubic foot、1960年代後期の製造。断熱性は、ベニヤ合板の反りを防ぐ目的だそうです。なお、ここの経営者はアサーンの元社員なので、この車に人気があることを知っているのかもしれません。2015-11-18

Slideshow_5

 買っちゃいました! 2016-03-31

【追記5】Details West発売の45年後となってもアサーンは売り続けています。2024-01-31>>pdfファイル
AthearnEvans.png

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コメント

旧年中は色々と本当にありがとうございました。
本年も宜しくお願いいたします。

私の手元にあるのがBC-503、SPですので、まさしく「フェイク」ですか、今となってはなかなか入手出来ないメーカーですので、雰囲気で楽しく走らせる事にします(^-^;)

私もカプラー高さに悩まされましたが、カプラーバネを下から組付けて調整した程度で何とかなっております。

>>これらの製品はモールドが厚めで信頼感がありますね。SPスキームには曰くがあり、もう一度話題にします。【ワークスK】

投稿: あっしー | 2013/01/05 12:12

INSURATEDというのはINSULATEDのスペルミスでしょうか。

>>ご指摘ありがとうございます。さっそく訂正させていただきました。【ワークスK】

投稿: YUUNO | 2013/01/08 14:31

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