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2013/01/22

京阪特急カラーの遥かな記憶(1)

Old memories about the previous color scheme of the Keihan Limited Express train, part 1

8001-8051 06/17/2008 17:09 Yawata-Shi station
八幡市駅に進入する淀屋橋行8001-8051編成 2008-06-17 17:09

 また、京阪のことを書かせていただいた。この1月21日に発売となったレイル85である。
 ちょうど2年前のレイル77で、通勤車用のグリーン濃淡を作り出した話をまとめたので、その特急カラー編ということになる。The Rail No.85

 この色については当ブログでも過去に2度、私自身の関わりを披露しているが、さらに当時のメモが出てきたので内容をより具体的に切り込むと共に、新たに判明した事実や、カラーに関する様々な事柄を盛り込んでみた。
 文字の量は原稿用紙20枚程度で、写真を含めて8頁という記事。京阪ファンにも耳新しいことばかりのはずである。【写真はクリックで拡大】

 ところで、この記事をまとめ上げる上でいくつか、難しい点があった。

 一つは、それぞれのエピソードが年代的に飛び飛びで、かつオーバーラップして起こっていることである。
 試しに、それらを時間的な順序で書いてみると、相互の関係が無茶苦茶になってしまった。また話は、ある時点で、それ以前の記憶をたどるという類のことばかりだから、それらを漫然と並べては、読者を混乱させてしまうことが目に見えていた。

 そんな悩みを編集の前里孝氏に相談したら、「流れが大事」と助言されて吹っ切れた。私自身の記憶の中で一番強烈なものを最初に置いて、その後は連想のおもむくままに話を進めることとした。昔覚えた言葉を使えば、編年体ではなくて、紀伝体といえる。

 ちなみに年代順で並べると、次の様になる。カッコ内の数字は、記事に出てくる順番である。

昭和25/1950年:特急黄赤色の発案者のこと(6)
昭和37/1962年:赤色名「カーマイン・レッド」の初出(7)
昭和52/1977年:黄色名「マンダリン・オレンジ」の初出(8)
昭和61/1986年:車体塗色のマンセル値測定など(2)
昭和63/1988年:8000系用新特急車色の拠りどころ(1)
平成02/1990年:新造車で床板裏面の色を変更(3)
平成06/1994年:屋根上および床下の新色を試行(4)
平成07/1995年:同、色合いを手直しの上、全車で実施(5)

 京阪の車両史をご存じない方には、この年表を横に読んでいただくと、理解し易いと思う。もちろん私なりに、文中には出来る限りの工夫を凝らしてもいる。

 難しかったことの二つ目は、当然ながら、色彩の再現である。
 8000系の登場時に黄赤の調子を微妙に変えたことを、どうやって表現したらよいのだろうか。

 それこそ、原料が調達できて、費用的に許されるなら、カラーチップを雑誌自体に添付していただきたかったくらいである。

 カラー写真を掲載したのだから、それで良い、とはいうものの、この写真が曲者といえる。
 車体表面の塗料が、紙面に表現されるまでには幾つもの関門が立ちはだかる。
 もちろん、塗装自体に劣化や汚損があるのは当たり前で、特に初期には顔料が未熟で「赤」が抜けたという話を、京阪グリーン開発者の豊田隆氏もレイル77で述べられている。

 たとえば、とれいん誌の最新号、2013年2月号で、大島仁知という方が発表された、Nゲージの京阪特急色1300、1700、1800系が明るめに塗られていて、曰く『塗装は写真や人からの伝聞で、デビュー当時は後年より明るかったそうなので、キャラクターイエローと京急バーミリオンに‥‥』とされているのは、これではないかと思う。

 また撮影では太陽光線の季節や、天候、時間帯による変化と反射角度、さらにフィルムの特性と劣化も影響する。現在は技術の進歩で補正が利くとはいうものの、自ずと限度がある。

 一番良い方法は当然、新旧カラーの車両が一緒に写った写真だろう。すなわち、新色に塗られた8000系と、旧色のままの3000系が並んでいるところである。

 ところが、それが見付からない。
 私自身はその頃、「鉄道ファンではない」ことを肝に銘じていたし、前里氏が声を掛けてくださった方々も駄目だった。

 このブログの読者の皆さんはどうだろうか。
 当時は、3000系も入場すると順次新色に塗り替えられたので、狙いは、平成1/1989年の8000系登場時から、平成3/1991年ぐらいまでの間に限られる。

805180017a

8000panf2 この写真は、隣りが3000系とはいうものの、その意味では如何にも惜しい。

 撮影場所は寝屋川車庫で、次の車内の写真と共にサービス判のプリントからスキャンしてみた。
 これらが貼り付けられていた小冊子は手作りで、試乗者に渡したものだ。広報用のちゃんとした新車パンフレットが印刷されるのはどうしても遅くなる。
 撮影をお願いした方のお名前は、申し訳ないことに確とは思い出せない。

 左がその表紙で、わざわざ黄色の紙を調達して、文字はパソコンと自作ソフト、それにマルチフォントのインパクト・ドットプリンターを駆使し、網目はスクリーントーンだった。
 50冊ほどを作ったと記憶している。

 なお、この8051号の正面で、スカートの灰色が明るい点に注目していただきたい。冒頭に掲げた同じ車両が濃いグレーとなっているのと対照的で、その差は単に経年的な汚れではないのである。

8701a

 京阪特急色については、当ブログの「京阪の色は移りにけりな」と、「京阪はカーマイン・レッドの心」も御一読を乞う。京阪8000系京阪3000系栗生弘太郎

【追記】新旧色の差について、FMさんより次の写真がアップされていると教えていただいた。
 3010と思われる編成に8000T車が挟まっていて、カラー、特に赤が明らかに異なる。この時代の塗料がこれほどまでに退色するはずはないので塗料自体の差ということになる。ただ、それではレイル85に書いた私の記憶が間違っていることになるのだけれど‥‥。
 写真自体は「お父さんの困った趣味日記(≧∇≦)」というブログを展開されている“てつ@”さんという方のもので、クリックしていただくと当該ページにジャンプする。2013-01-23

3000_3h

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コメント

いつも興味ある話題の数々を楽しく拝見させてもらっております。一昨日レイル新刊も興味深く拝読させていただきました。本文にでていた2224編成の床下機器が鮮やかになって出てきた時には驚かされたものでした。今回(1)ということで続編を今後も記事として取り上げていただけることを楽しみにしております。

>>レイル共々、御読みいただきありがとうございます。2224編成のことは先を越されてしまいましたね(笑) 当然、その写真も探しておりました。お持ちでしたら、プロフィール・ページのメールアドレスからのご連絡をお願いします。【ワークスK】

投稿: ぴおちゃん | 2013/01/22 12:39

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