モデルが脱線し易い4つの理由
【中途半端に書きながら考え、考えながら書いています。書き掛けです】
■ 前提
先日、あるところでトレーラー重量の議論をした。
しかし、アメリカ型ファンには常識となっているNMRA推奨値が分かってもらえず、話が頓珍漢になった。当方もいったい何を言いたいのか、判らなくなってきて、書きながら整理しようと思い立った
で、我々のモデルは頻繁に脱線するという話。
まあ、理由は種々あるけれど、極端な物言いをすれば、実物は脱線しない。脱線すればニュースになる。
じゃあ、どうして模型が脱線し易いのだろうか。自分の腕を棚に上げて、妄想してみる。
その1.メーカーの知識不足
これについては、「ナダルの式」が基本だと常々書いている。フィレットなんて全く関係が無い。百害あって一利なし。(直接的には、フランジ・ウエイの幅をどうするんだ)
もっとも、実物関係者だって知らない。40年前の職場で知識があったのは新入社員の小生一人。(実は、1975-76年頃に東京で世界輪軸会議なる催しがあった。で、上司が出席して、山の様な資料を持ち帰った。ほとんどが英文で、図や写真を眺めていたら面白くなって摘まみ食い。まあ、そのあたりが原点)
模型の車輪を考えるのに相談する適切な人間がいないから、中途半端な思い込みで作ってしまう。アメリカも一緒。車輪の専門家は、ほんの一握り。実物がどうなっているかを知っているだけの人間は役に立たない。却って害悪。どうしてそうなっているかの見識が必要。今は、検索すれば容易に見付けることはできるが、ことの重要性を認識するのは難しい。
NMRAの連中だって、実物の図面を見様見真似。だから、ピザカッターフランジを目の仇にする。問題なのは、フランジ角度と摩擦係数だけ。
このところの世の情勢を見渡すに(大袈裟な(笑;)、車輪のプロト化、薄車輪化の欲求が高まっている。ここで間違えると取り返しがつかない。13mmや12mmの二の舞になるぞ(関係の向きには失礼の段、平にお許しを)
その2.台車、車軸回りにバネが無い
レールの継ぎ目などに衝突して飛び上がる。重量を増やせばこれを防げるかは、学校で習った力積の考え方が役に立たない。車軸が車体と直結する2軸車はどうなんだろう。実績に依るしかないか。
その3.曲線半径が極端に小さい
これが、トレーラー重量にNMRA推奨値が制定された直接的な理由。
一方実物では、軽量車は駄目だなんて聞いたことが無い(主張した奴はいた)。
どういうことかといえば、曲線半径が小さくなると、連結器が車体中心線から外れる。その連結器に牽引力や推進力が働けば、車体に枕木方向の力(分力)が加わる。
さらにその力は、車輪に加わる横圧となる。
横圧が増えて脱線係数が上がるということ。
なお、ここで転覆は埒外。転覆するほどの大きな力は論外。考えるのは脱線だけ。重心高さの影響は、左右動による輪重抜けに出るはずで、実績や経験の裏付けが必要。
それと、連結両数が問題。牽引両数が増えれば、連結器に働く力が増える。
1両で走るのなら、いくら軽くても良い(といっても限界はあるけれど‥‥)。ただし、飛び跳ねを除く。
NMRA推奨値が重すぎるとか、軽すぎると簡単に言うけれど、曲線半径と連結両数を想定しない議論は意味が無い。無知蒙昧。
加えて、速度が上がれば、それにつれ抵抗が増え、連結器力も増加する。飛び跳ねの話もあるし、前提としなければならない要素は3つか。
その4.スラックがとてつもなく大きい
モデルでは、直線でも付いている。これが大きいと推進で座屈する。
ホイルベースが短い車両が危ない。オーバーハングが長くても危ない。NMRA推奨値の重量は車体長に比例させているけれど、日本国鉄の2軸車のような極端に短い車両では成り立たない。
連結器の上下の食い違いも大きな問題。それなのに、ケーディーがどうして上シャンク、下シャンクを発売するのか。短シャンクも危ない。ただし、連結器力が小さなうち、すなわち連結両数が少ない編成は影響が小さい。
■ 課題
そう、モデルの脱線は、重量を増せば、大方は防げるということ。
車輪形状は、NMRA準拠ならば、まあ大丈夫。それに普通の素人では弄れない。
材質に関しては、近年は金属が標準。プラスチック製ではレールが汚れることが定説となった。また、精度も向上しているのだろう。ただし、摩擦係数ではプラスチックの方が有利。
で、動力車は、牽引力と集電の問題があるから、重量が大きい方が良いのは自明。
一方トレーラーは、軽い方が機関車の負担が少なくて、勾配では特に有利。軸受や車輪、レールが摩耗せず、おまけに脱線したときにダメージが小さく、また運ぶときに軽い。推奨値の75%でいいという意見がある(掲示板参照)。
それを重くしようというのが、ここの主張。
1995年頃にNMRA推奨値RP20.1(pdf)の存在を知った。たぶん、MR誌1995年1月号p136-137の記事。直ぐにNMRAへ加入して、その規格類一式を入手した。
試しに手持ちの貨車を推奨値に合わせて補重してみると、車輪はプラスチックのままだったけれど、それまで頻発していた脱線が皆無となった。
重量が車体長さに比例するというのだから、曲線上での連結器力の作用であることは明白。しかし、計算では数値が導けなかった。このあたりは当時のニフティ外国型会議室に書いた。(当掲示板への再録)
それ以来、40フィート車は110g、50フィート車は130gを標準としている。基準の車体長さをカプラーポケットの縁から縁までと考えて、ちょいと重め。ただし、オートキャリアーは、推奨値が205gのところ、オーバーハングが大きいので240g。(過去記事参照)
これで当方のレイアウトでは脱線と縁が切れた。40フィート車で最大50両連結。標準半径610mmのエンドレスを一周してテール・ツー・ノーズとなる。もちろん、さらに長くなったら判らない。
日本国鉄の2軸貨車は研究中。東海道本線の編成最大長がワム換算70両というので、そのあたりを目安として実験する予定。
■NMRA推奨値が制定された経緯
どうして、この数字が導き出されたのか、確かに気になる。前述のように、数式的には導けていない。
NMRAトレーラー推奨値RP-20.1は、"Revised: Jan. 1990"、すなわち1990年1月改訂となっている。オリジナルがどうだったのか、どうしてこの値になったのかは書いてない。同じNMRAのサイトにビギナー向けの"Car Weight"という一文がある。
また、MR誌を探すと、1948年2月号p102-103にE.A. Ravenscroftという人物の記事があった。
その記事に、当時の製品重量が出ていた。
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コメント
レールの継ぎ目における脱線については、保線の精度も大いに関係してくるので、車輪や車両側の対策だけで問題点を乗り越えるのは難しいと思います。
とくに昭和時代の古い組み立て式のレールでは、継ぎ目部分の僅かな食い違いで車輪が乗り上がることがよくありました。
>>それです。それ。まさにそれです。この記事の主題は「重さ」なので、直接的には言及していませんが、「車輪フランジ角度の決まり方」の記事と、アメリカ型鉄道模型大辞典の「フィレット」の項を御覧ください。フランジ角度を適切に設定すれば、レールの食い違いをクリアできるのです。もちろん限度はあります。モデルも実物と一緒です。
NMRAの車輪踏面推奨形状RP-25は、実物の形をそのまま真似て、フランジの高さだけを高くしたので、角度が大きくなっています。要は、最初から直立摩耗しているという不思議な形で、フィレットを大きくして誤魔化しているのでしょう。フィレットの語が出てきてフランジ角度を問題としないのでは、見様見真似であることが明らかです。【ワークスK】
投稿: YUUNO | 2013/10/29 13:06
素晴らしい! ですね。 この組み立て式レイアウト、もしかしてかなり昔のTMSに掲載された「走れコータロー」ではないですか? 懐かしく動画を拝見しました。
>>コメントありがとうございます。関東合運でお会いできて感激しました。それに42年も前のことを覚えていて下さり、恐縮です。これ、修理しつつ、いまだ現役です【ワークスK】
投稿: OER3001 | 2013/10/31 22:50
車輛の重量を増やすと脱線しにくくなるのは良いのですが、勾配は重量に比例して負荷が増えるので機関車の牽引力不足という問題が出てきます。
HOクラスの超小型になると、機関車の牽引力は、車輪のレールへの粘着性とかモータの性能といったことはほとんど関係なく、動輪上の重量とタイヤ-レール間の摩擦係数が支配的になります。
体積に限界があるので、重量増加には限界があり、金属車輪を使用する以上摩擦係数も増やすのは難しいというのが実情です。
実物よりもはるかに急勾配を走らせるという要求から、トレーラの重量はできる限り軽くすることが求められることになり、脱線の問題とは相反することになっているのが実情だと思います。
車輪を薄くする傾向については、車体の細密化に合わせてバランスを取るためには仕方が無いと思います。
ただ、模型機械なので、機械としての性能を満たすためにはある程度の妥協が必要です。
1/87 12mmがスケール通りのタイヤ厚1.4mm、フランジ高さ0.3mmではなく、タイヤ厚2.0mm、フランジ高さ0.5mmに留まっているのは、車輛側のレールへの追従性能や、線路側の精度との妥協によるものと思います。
13mmゲージのフランジ形状はわりと実物形状に準拠していますが、日本の12mmゲージのフランジ形状は実物とはちょっと離れた形状が多いです。
中にはフランジにテーパの無い輪軸(無論、よく脱線します)が売られていたりもしていて、何も考えずに設計をしているのではないかと思われるところもあります。
>>コメントありがとうございます。リンクを張っていただいた直立フランジ車輪は残念ですね。こういう不幸が起きないように車輪とレールの関係を明らかにして、仰せの「フランジのテーパ」を適切に決める方法を示したかったのが「フランジ角度の決まり方」という記事でした。今回の記事は、トレーラーの重量を適正化する要因=ファクターを明らかにしようという趣旨です。現時点では実のところ、まだ全容を表現し切れていず、書き掛けです【ワークスK】
投稿: 森井 義博 | 2013/11/02 14:54
この話、シラフでするのは苦手ですねぇ ;-)
っつうか、works-k さんとは酒を呑むたびにこの話をしているような気が (まあ、酒を呑んでいるのはコッチだけなわけですが) しますが...
ナダルの式に話を持っていっているから、基本的にはせり上がり脱線に限った話ということで良いのですね。模型で多い脱線はむしろ、レールの接続部での脱線で、そっちでは話は全く違うわけで。(後半では「飛び跳ね」という形で、せり上がりではないものにも触れられていますが)
そのケースに限った場合は、直立フランジは論外にしても、それなりのフランジ角がついている車輪に関しては、むしろ摩擦係数の方が支配的なんじゃないかと思っています。模型の車輪ってニッケルメッキされているものが多いですが、その表面って意外とポーラスなわけで...
# って、この前の関東合運の後の反省会での話題でしたが、一応念のため。
それと、48 年の MR の記事ありがとうございました。やっぱり、この時代まで調べるんだと DVD 版が必要かなあ?
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/09 12:40
いかん、大間違い
せり上がり脱線 -> 乗り上がり脱線
flange climb derailment っての、ずっと「せり上がり脱線」だと思ってました...
で、あわててググると、日本語の wikipedia でのナダルの式の説明、相当詳しくなってますね。works-k さん、書かれたのですか?
>>この話は正気のときにするべきですね。勘違いするから。
「車輪フランジ角度の決まり方」に書いたとおり、摩擦係数が上がればフランジ角度を大きく採る必要があります。すると、心配されている目違い脱線の危険性が増します。車輪の材質が、よく滑るプラスチックから金属へ変わったことで、本来は本気で再検討する必要がありました。なお、表面粗さの摩擦係数への影響は、難しい問題です。ライオネルなんてザラザラだし、実物でもフライス式と旋盤式とでは雲泥の差があります。ウィキペディアは私ではありません。
重量推奨値についてNMRAのサイトやMR誌の過去号を読んで判ったことは、決定が行き当たりばったりという事実。ただし、実績というものも一応、合理的ですか。
「競り上がり」の定義は、昔と変わっているようですね。我々は「滑り上がり」と言ってました。流れには抗せない‥‥、ただし漢字を使う‥‥(笑)【ワークスK】
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/09 13:10
リンク先へのコメントもここで宜しいでしょうか?
> 推奨値の75%でいいという意見がある(掲示板参照)。
(掲示板の内容)
> この問題、日本の雑誌が取り上げてくれた記憶が無いし、
おっしゃる通り、こうした「ムツカシイ」内容になると、あまり取り上げられることはないですね。ただ、「皆無」でもありません。
TMS 1965 (No. 206) p.527 のミキストで取り上げられています。さすがに、古すぎてお持ちの方も少ないと思うので、引用の範囲で下に記載しておきます。
------------- 引用はじまり ----------
★それはさておき、ちょうど豊中市の森本幸定氏から「小型の2軸貨車(トムやワム)では、どれ位を標準にしたらよいでしょうか」という質問がとどいていて、その答として本誌の中尾君が答えているのは次の通りである。実は今月の相談室の原稿だが、これだけ抜き出してここへ移した。
------------- 引用中断 ---------------
で、ここから中尾さんの経験に基づいた回答があるのですが、今回の話と関係するところだけの抜粋にするため、省略。
------------- 引用再開 ---------------
そこで、もう一つの数字を紹介したい。これはアメリカの NMRA の Recommended Practice に発表されているもので、モーティマー委員会でまとめたものである。
★それによると HO の場合、基本重量を 1 オンス、それに加えてトレーラーの長さ 1 インチごとに 1/2 (原文では活字一文字) オンスを加えるのである。グラム・センチに直すと、28g が基本重量、2.5cm につき 14g 加えるわけであうから、もっと簡単に、X=30g + 5g x 車長 (cm) としてよい。一般的にはこれで十分間に合う。
-------------- 引用終わり ------------
で、この重さだと意外と重いのなんのと、いつものように情緒的なコメントがウダウダ続きますが、まあその辺は省略。後半は、いつもの「RP25 マンセー、日本は遅れてる」ですから、もっと省略。(ただ、私は RP とは言え、車輪のプロファイルを標準体系に入れたということは尊敬しますよ)
うろおぼえではありますが、車輌の重さの RP はモーティマー委員会でなかったような気がするのですが、少なくともミキストの記述ではそうなっています。
以上、ご参考まで。
>>御教示多謝。鉄道模型趣味誌の1965年、2月号と8月号ですね。あったのを忘れていました。もっとも、古書で入手したものです。重量推奨値の制定を山崎喜陽氏が知ったということは、商業誌を除けばNMRAの会報でしょうか。明確な根拠を知るために、それを入手したいものの‥‥【ワークスK】
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/10 14:42
連続コメント、ご容赦ください。
(引用中心のとは分けといた方が良いかと思いますので)
今回の話は、車輌の重さが中心になっていますが、線路側にもいろいろ問題があります。たとえば、ジャンルとしては「メーカーの知識不足」に入るのかも知れませんが、トングレールの先端部 (英語だとノーズですが、日本語は?) はレールヘッド (日本語は頭部でしょうか?) を削り落として、しかも丸めていますが、少なくともシノハラのポイントはそうなっていません。単に薄くしているだけ。
模型式のトングの削り方だと、車輪側から見ると、ポイントの前方から進入した場合、直前までフィレットと対応するレールヘッドの丸め部分があったのに、それが急になくなる形になって、「目違い脱線」と同様の状態になってしまいます。
そうとう前の、プレイモデル (TMS の N ゲージ増刊) でトミックスのポイントだったかの調整法で、この部分をヤスッて改良する、というのがありました。で、読んで「そうか、N のポイントってこの部分でもコスト削減してるんだ」と思ったら、我が家にある、貴重な市販ポイントもそうなってました、というオチ。分岐器類ってだいたい、自分で作るから市販品の状況って良く知らないのよね ;-)
実物では、ちょっと古い例ですが PD50-1 (50PS を使った最後のトングレール) で、横からみて 25mm 削ってますから、ヘッド高さ 49.4mm からすると約半分削っていることになります。50N 以降の分岐器類も図面は持ってるけど、模型化したことないから良くわかりませーん...
蛇足ですが、PD50-1 は水平型の分岐器用ではないので、ストックレールのレールヘッドから 25mm 落ちている、というわけではありません。
>>分岐器では保線屋と責任のナスり合いをやった苦い思い出が‥‥(笑) 連中、最後は手仕上げなんですよ。50Nですね。
文章だけでは理解ができないので、またシラフのときにでも宜しくご教示ください【ワークスK】
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/10 15:27
> 50Nですね。
いえ違います。
日本の 50Kg レールは、二世代あって PD50-1 は 50PS と言われる、旧式の方のレール用のものです。PS は、実は Pennsylvania Standard の略で、その名のごとく PRR の 100 ポンドレールそのものなのでした。
50N の N は Nippon の N とも New の N とも言われていますが、後者の場合は PS レールに対しての「新しい」になるのです。
> 文章だけでは理解ができないので、またシラフのときにでも宜しくご教示ください
そうですね。
自分のホームページのパスワードをなくしたので、そちらで更新していないのですが、どちらにしろ図と文だけではなかなか説明しにくいところです。
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/10 20:49
> 商業誌を除けばNMRAの会報でしょうか。明確な根拠を知るために、それを入手したいものの‥‥
モーティマー委員会の議論の中で出たものであれば、委員会の議事録や TR (Technical Report) がスキャンした PDF の形で、未だに出まわっているので、そこで確認できるのです。
で、昔 NMRA のサイトからダウンロードしたんだと思うのですが、ブックマークしてある URL には今はないのですよ... 手元においてあるものをざっと見た限りは、車輌の重さに関する議論はないのですが、それが全部とも限らないので、あいまいな書き方にしておきました。
ちょっと出どこが不詳だから、勝手にシェアするわけにも行きませんし、どっかで本腰を入れて捜索するしかないかもしれません。
>>おおっ! お持ちですか。ぜひ個人的にコピーを‥‥。こうなったら何でも(笑)【ワークスK】
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/10 20:57
結局、私と works-k さんの往復書簡だねぇ...
「最近のアメリカの客車は ARA じゃない車輪の規格だったはず」と思って調べました。
APTA Standard for Wheel Flange Angle for Passenger Equipment(pdf)
全部読めとは言いません、たった 2 ページ (8, 9 ページ) だけは読んで欲しいな。
キモいところだけ抜粋
> because the profiled flange wears into a relatively optimal contour for maintaining a steep flange angle.
この前に、「いくつかのコミュータでは ARA-1B (例のゲージポイントで直線が入らないプロファイル) を好むが」があって、確かに削れて行った時に良いフランジアングルになるように、と書いてある。
で次に
> The flange angle specification outlined in this standard requires that the maximum angle be maintained over a distance, rather than at a discrete point.
「ARA-1B は駄目なのよ」と書いてある。
と言っても、直線部分はたったの 2.5mm なんですけどね。
「Nadal の原論文を読んでから議論しましょ」とは言いませんが (これもスキャン版がインターネットには転がってますが) やっぱ、インターネットは偉大だねぇ...
ちょっと酒が入ってるので、意味不明になっていないことを祈りつつ ;-)
>>こりゃ凄い! 米国の資料で"Nadal"の名前を初めて見ました。肝心な点は、この文書に"fillet"なる単語が出てこない点ですね。これで向こうの連中が「フランジ角度」の存在を認識してくれることに期待しましょう。
実物的な興味は尽きないものの、70~75度を維持せよってのは酷い。よほど乗り上がり
競り上がり脱線に懲りたのかな。現役時代だったら、台車構造とか地上側の条件とか、書いて無いことを死にもの狂いになって追及しなければいけないところです。では、モデルの話は素面の時に・・・・【ワークスK】
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/19 00:14
一日 max 一通にしておきますね ;-)
> 70~75度を維持せよってのは酷い。
はい、以下の記事に「大変だけど、がんばろうね」とあります。(これも 2 ページもの)
International Railway Journal, March 2012 p47-48 Flange climb derailments: causes and prevention
どうも、APTA とかが「ナダル教」をはやらせてるみたいですね。"nadal derailment" ってやると 6 万以上ありまっせ...
>>ホントだ。プロパガンダだ。意図は当方と一緒。訴えたい相手はエグゼクティブかマネージャー【ワークスK】
投稿: 稲葉 清高 | 2013/11/19 17:27
アメリカの御友人に、重さについての考え方を、northerns484さんが尋ねてくださいました。氏のブログAll Abroard!です。メインライン指向のモデラーは、牽引力への悪影響よりも、やはり脱線防止なんですね。
投稿: ワークスK | 2014/01/02 08:22
ネットで古い文献を見つけました。
昭和17年に発行された、日本型「十六番」の規格についてです。
http://www.kk-net.com/~tabuchi/16bangauge.htm
車輪の寸法は、かなり大雑把にしか決まっていなかったようです。
>>トレーラー重量(質量)ではなくて、車輪踏面形状の件だと存じます。この形状は規格化には馴染まず、推奨仕様としているNMRAの扱いは妥当だと考えています。なお、お示しいただいた砧サークルの規格案に「車輪とてっさの関係」が示されていないところが技術的に大問題ですけれど、当時のアメリカのファン向け資料にも出てきません【ワークスK】
投稿: YUNO | 2014/06/30 23:42