鉄道車両の脱線原因
近年は脱線事故の報告書が多く、ネット上にアップされています。私は現役時代に幾度もその解明に関わったことから大変に興味を持って読んでいます。しかし、その原因は情けないことに不明としているものばかりです。
よく考えてください。鉄軌道システムは、そんな曖昧さで成り立っているものなのでしょうか。そんなアヤフヤな基準が、多くの乗客の命を預かっているのでしょうか
私には調査が的を外していると思えて仕方がありません。
現役の頃に経験的に会得した電車が脱線する状況は、
(1)低速度(30km/h以下)
(2)Sカーブでカント付。または緩和曲線の出口
(3)雨上がり
(4)車内はガラガラ。または空っぽ
(5)レール塗油車が走行してしない
(6)空気バネ台車
調査で記録する必要があるにもかかわらず、よく抜けている事項は、
(1)車輪のレールの踏面形状、特にフランジ角度(緩過ぎても急過ぎても危ない)
(2)車輪とレールの踏面への塗油状況(油気が全く無いと危ない)
(3)空気バネ高さ調整弁の時定数(3秒を下回ると危ない)
と、考えます。
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残念なことに、各鉄道会社をはじめ、鉄道総合技術研究所にも経験と知識を蓄積している人間は存在してしないような気がしています。営団の大事故でも静止輪重のアンバランスなどという根拠のはっきりしない結論で片付けています。基本を忘れた現状のままでは、いずれまた、同じような事故を起こす危険性があります。脱線は必ず低速度で起こります。だから基本的には安全なんです。しかし、2次災害が怖いのです。営団事故が良い例です。
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