信楽高原鐵道の今
まず、鉄道の位置(emerging media Responseから引用)。
東海道本線の草津から草津線となって20kmほどのところに貴生川(きぶかわ)がある。
ここから北東へ近江鉄道が、南西へ信楽高原鐵道が分岐している。忍者で知られた甲賀市は、「こうか」と濁らない。そして信楽(しがらき)は言わずと知れた陶器の町。
問題の橋は、貴生川を出た直後に渡る。
鉄橋の北を国道307号線が通っているので、ここから惨状が直に見える。無造作に転がっている橋桁2本が事の恐ろしさを伝えている。倒れた橋脚1本は、河底に沈んでいるのだろう。
野洲川(やすがわ)の支流、杣川(そまがわ)の東岸を進むと、河川敷に降りるために報道陣が踏み均したと思しきケモノ道が幾筋もある。
橋のたもとには立入禁止のロープ。
冒頭の写真は、迂回して橋の南側へ回り込んで撮った。
次は、4年前の2009年4月24日に撮影したもの。ペンキ塗り立ての様だった。
ダイヤを調べていかなかったものだから、この写真の右に見える小さな橋に近づいたところで列車が来た。
この小さな橋の名前は、苔川橋梁。信楽寄の橋桁は貴生川起点0.802m42、支間5.05m。貴生川寄も一緒かな。
このときは、「いつでも撮れるさ」とタカを括った。
次は、始発駅の貴生川。橋のこちら寄に1両だけ取り残された車両(SKR 311)が、草津線の113系と並んでいる。
橋上駅に上がる北側のエレベーターは、台風18号の影響で使用できない旨の掲示がしてあった。
代行バスの乗り場は、農協前まで歩かなければならずに遠い。急ごしらえの屋根付だった。
2つ目の駅は紫香楽宮跡(しがらきぐうし)で、全長の半分くらいのところ。レールが錆びている。
次の画は、2009年の撮影。桜が満開。今は松茸シーズン。そのあたりは別記事に仕立てた。
雲井(くもい)には、駅名標が立つ。
駅舎内に貼ってあった代行バスの案内。
勅旨(ちょくし)と玉桂寺前(ぎょっけいじまえ)はパスして、終点の信楽。
名物のタヌキがでかい。
駅前にはタクシーが停まっている。この光景からは運休中が信じられない。今の季節がカキイレドキのはず。
画面左が代行バスの乗り場。Google Map
駅舎内では、券売機が稼働中。そして出札口も開いていて、いつもどおり。
駅の南の終端から見通すと、信号機が点灯している。
北の端には、立派な車庫。この中に車両を収納。転轍機のまわりは、バラストが流失した風。
放置されている軌道車は、枕木交換に忙しかったことだろう。
車庫全景と代行バス。
今日11月6日の朝日新聞夕刊でも報じられていた(朝日新聞Digital)。運営主体となっている自治体が財政的に難しいと言っているとのこと。
【追記1】12月3日朝日夕刊によれば、甲賀市長が市議会で「(県から新たな財政支援があることがあきらかになり)支援体制が前進した」と発言したという。「復旧費の大部分が国の補助で賄われる見通し」なんだと。(朝日新聞デジタル)2013-12-03
【追記2】毎日新聞のサイトによれば、「…市は(5月)7日、倒壊して川に沈んでいた橋脚の撤去を始めた。…(倒れた)中央の1本(高さ約9メートル、重さ約200トン)…を水中で切断して12個に分け、一つずつクレーンで引き上げていった。今週末には撤去を終える予定」とのこと。2014-05-08
【追記3】朝日新聞8月21日朝刊によれば、11月29日再開と甲賀市長が発表(朝日新聞デジタル)。7月に新しい橋脚が設置され、10月上旬に橋桁やレール部分も完成。約1ヶ月の試験運転や検査を経て開業。復旧総事業費5億9千万円の起債分の95%を国が負担するという。2014-08-21
【追記4】予告通り11月29日、開通。朝日夕刊では第一面。ヘッドマークは、地元高校生がデザインとのこと。2014-11-29
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