京阪大津線700型のディテール
とれいん誌での連載、京阪大津線の小型高性能車を堪能する最後は、2014年11月号の700型。今回もモデル用図面が2種類も折り込まれるという豪華版。【画像はクリックで拡大】
記事が言及している正面妻、オデコの造形は次の写真でよくわかる。600型1次車(605)との並び(705)。2次車だったら、もう少し差異が判り易いかもしれない。
705号車のアップ。少々複雑。正面の水平断面と、屋根の垂直断面とを滑らかに繋いで、ポッコリしないようにしたら、こうなった。
撮影場所は石山寺駅の山側。撮影日は2014年7月26日。
ついでに、運転台。600型と変わらない(707)。
天井見付(708)。こちらは大幅に異なる。
ところで、筆者である新宮琢也氏と話していて、噛み合わなかったのが「代替新造」という言葉。氏によれば一般に、車体を流用して機器を新しくしたことを指すというが、当方はちょいと違う。「車両を廃車する場合に、それと同数を同時に新造すること」という認識。ただ、時代や会社が異なれば、異なるかもしれない。当方の定義から言えば、1983年(昭和58年)の6000系77両は代替新造。一番の特徴は、車両数の増減が無いこと。すなわち、留置線を増やす必要が無くて、地上やダイヤへの影響もそれほど無い。もちろん、車庫に余裕がなければ、新車を準備したり、廃車を留め置くための仮線を建設することはある。
それと、600や700を「新車」と呼ぶのには大きな違和感。「新造扱い」の方がシックリくる。経理屋にとって「新車」は美味しかった。税金上の優遇があったから。まあ、輸送力増強という言葉が金科玉条だった時代。実は、このあたり、暴露話をもう少し詳しく書いていたのだけれど、時期尚早の思いがしてきて、割愛。公知ではあるものの、やはり拙い。というわけで、この記事のアップが遅れた。またいずれ、時効が成立した頃に……。
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コメント
興味深いお話し、有難うございます。確かに言葉の定義は難しいですね。
私も代替新造はワークスKさんの「廃車車輌の代りの新造車輌」を支持しますが、京阪の場合は廃車車輌の車体を魔改造して新車同様に仕上げるので、代替え新造も有りかなと思ってしまいます。
例にあげられていた1983年の6000系77両新造で思い出したことが、、、、
当時あまり景気が良くなかったので一気に77両とはビックリしたもので、当然のこと両数は民鉄で一位かと思っていたところ、ダークホース出現。
某KTR電鉄が、当初は76両増備のところ、何を思ったか地下鉄乗り入れ用の増結二両編成1本を追加して78両で見事に民鉄で一位になったのを思い出しました。これも京阪と同じく6000系でした。もっともこの話はガセかもしれませんが。。。。
この時に増備された京王線用6000系も井の頭線用3000系も姿を消してしまったのは、京阪6000系が活躍を続けているに対して寂しい思いはします。
>>私も時々ヤラカしますが、一度合点してしまうと、なかなか抜け出せないものです。書き換えられない印刷物は特に注意しなければなりません。帰納的に類推するなら、参考事例数を増やすことです。編集者のチェックが甘くなっていることも一因でしょう。京阪線1500V昇圧時の話も、またいずれ【ワークスK】
投稿: ミッキ〜 | 2015/01/22 18:46
初めてコメントさせていただきます。
当方出戻りモデラーでして、京王や東急の萌黄色を調べていたところ、ワークスK様のサイトにたどり着きました。
BNグリーンのスプレーは今も頒布されているのでしょうか。こちらのコメント欄にて大変恐縮ですが、ご教示いただけますと幸いです。
>>この件につきましては、個人的にメールを差し上げますので、しばらくお待ちください【ワークスK】
投稿: 武さしこ杉 | 2015/01/28 18:33