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2015/01/09

ペーパーサイド・モデルを再び

How to make easily the model of fantasy billboard reefer with printed paper

 ネット・オークションでマダム・バタフライ、すなわち歌劇「蝶々夫人」を見つけた。それも、鉄道模型のカテゴリー。

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 いわゆるビルボード・リーファーの側面としてカラフルに印刷した厚紙。左に文字、右にオリエンタルな絵柄を掲げている。最初は、実在したものと信じそうになった。
 仔細に読んでいくと、まったくのフィクション。マダム・バタフライは90年ほど昔のシガー、葉巻きタバコのブランド。そのラベルか、または箱絵をあしらったもの。

 他のデザインもたくさん出ている。このようなモデルは、2年前に作った。値段が手頃というわけで、何枚かを注文してみた。【画像はクリックで拡大】

 ちゃんとしたモデラーなら、パーツを手配して立体感を持たせるか、販売者が奨めるように既製品の表面を削って貼るのだろうが、もちろん当方は、プラ板を箱に組んで、その上に貼り付けるという安直な方法。ディテールだって、屋根歩み板とアイスハッチのみ。それもプラ板から四角く切り出して、接着するだけ。
 詳しくは、「ペーパーサイド・ボックスカーをプラ板で」と、「ジョン・アレンのG&Dボックスカーもプラ板で」をご覧いただきたい。

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 切断線はすべて直線だし、一度経験しているから、たちどころに車体の形が出来上がって、茶色(タミヤ缶スプレー:TS-1レッドブラウン)に塗装。そして、なんでも接着できるスティック糊を使えば、訳は無い。
 ところが、プリント紙をプラ板に押しつけていたら、手が黄色くなってきた。こりゃあ、トナーが落ちている。慌てて、クリアの缶スプレーを吹き付けた。

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 でも、何かおかしい。表面がマットのクラフト紙とはいえ、色味に乏しく、クスみ過ぎている。
 ネットに公開されている見本画像を取り込んで、平滑紙にインクジェット・プリンターで印刷すると、次のとおりの鮮やかさ。

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 薄いシール紙に、大きさを調整して印刷するのはお茶の子さいさい。クラフト紙の上に貼ったら、表面がわずかにデコボコしている風だけれど、気にしない。軒下押さえ板(アメリカ型鉄道模型大辞典「フェイシア」)の色味も大きくズレたが、そのまま。
 なお、プリント紙には妻板も付いているが、使わなかった。車番が入っていず、側面との位置合わせが意外と面倒。

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 ウエイトは、19×3ミリの帯鋼。台車中心ピンのネジ孔を突き抜ける形にしたかったので少し短くなり、重量はNMRA推奨値に20gほど足りない93g。台車は、アキュレール社のアンドリュース。それにケーディー・カプラーを取り付ければ、4両の出来上がり。

■QREX 1032, Madame Butterfly Cigars

■QREX 1008, Red Kamel Cigarettes

■QREX 1202, Jack Daniel Whiskey, Old No.7

■CCX 100, Coca Cola, add Zest to the hour

 これらのモデルはガラクタ・ボックスに陳列
 レッド・キャメルだけ、クリア塗装でオーバーコートしている。他は無しのまま。シールの接着力が心配だが、剥がれたら再度印刷して貼ればいい。

 ついでに、長期仕掛品のNMRA会報貨車も仕上げた。こちらはクラフト紙。

■1983年7月号ベント・スパゲッティ・ライン

■1978年7月号オールディ・フロスリングスロッシュ・ビール

WG氏にいただいたコピー

 かつて同会報やMR誌に掲載されたペーパーサイドのリストを作ったので、ガラクタ・ボックスをご覧いただきたい。フィクション以外にも、実在したものが結構ある。そして、どれもコピーが入手可能。ebayのestorebooksを参照。

 こちらの台車には、ティッチー・トレイン・グループ社のアーチバー(品番3002)を使った。
 見てのとおり、リアリスティック。控棒が、ちゃんと薄い。枕梁は木製、軸箱蓋が横開き、軸間距離が19mm(5フィート5インチ)だから、1900-1910年頃のスタイル。

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 ブレーキシューが車輪踏面上という点が泣ける。ただし、それを保持する平帯材の両端を、側梁の窪みに嵌まり込めというのだけれど、緩くて抜け落ちやすい。そこで、接着剤を併用すると、その後は中心ピンを弄りにくい。

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 次が、そのパーツ構成で、2台車1両分。スチレン樹脂の台車本体に、ナイロン樹脂のピボット軸受をはめ込む。自由に塗装できる点がウリなんだろう。バリの多さなんて、ものかわ。

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 問題はナイロン。軸受の滑りが悪い。グリースを差したら幾分改善。

 ところで心配は、プリント物の著作権。
 NMRA会報やMR誌に掲載のサイドも、コピーして売っている。許諾済を示す文言は皆無。古いものは60年以上前だけれど、新しいものはたかだか30年。コカコーラなんて現行の登録商標。同じ人物が3年ほど前から出品し続け、2,700を超える販売実績がある。当然、権利者の耳には入っているはず。慣例の範囲内ということか。

 それに、出品画像自体が繊細で、これを取り込んで印刷できる。販売元から購入する必要性が実質的には皆無。買ったものより優れているのは前述のとおり。
 当方は一度、代金を払っていて使ったのだけれど……。

 なお、ebayでは、独自のデザイン紙を既製品に貼付済のモデルも売っている。clickclack1なる人物で、なかなかの出来栄え。ただし、現時点での成約は20点と芳しくない。印刷が少し粗いといえるだろうか。

【追記】ペーパーを張り付けるのではなくて、デカールで独自のデザインを提供する者もいる。mayascoffeeshopというハンドル名。ビートルズのペッパーズ・ローンリー・クラブ・バンドとか、1969年ウッドストックなど、我々の世代を狙っている風。中でもコカコーラ物が大人気。2015-01-17

【追記2】MRHフォーラムで、「Tichyのアーチバー台車にケーディーの車輪を装着したが、軸長が長過ぎて転がらない」という発言があった。そこで当方が「軸受ブッシュがナイロンだから……」と説明したのだけれど、誰にもフォローされない(笑) 2016-07-29

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