E&Cショップス50'ボックスカー
ちなみに、LBFの後は、2003年からヒューバーツ・モデルが扱った。
で、このモデルの難点は、床板が側板+妻板と一体で、屋根板を被せる構造。
屋根板を車体と別色とする分には便利なのだけれど、当方のようなモデリングでは困る。
接着してある屋根板は無理だったものの、枕梁とカプラーポケットがなんとか取り外せて加工。取付ネジ孔も、床上面のウエイトと競合せず、タップが切れた。
こういう構造の場合、内部がどういう具合なのか、密閉する前に写真を撮っておくべきだ。
これでクッション化は完了。
一緒に購入した同社の貨車には、ちゃんと長いカプラーポケットが添付されていたのに、この2両は普通の長さ。車体側面に"CUSHION SERVICE"の文字があるのに不思議。
次がオリジナルの姿。
中心ピンのボスに注目。内孔とボス外円が偏心している。これがE&Cの最大の欠陥で、取付小ネジの頭が台車ボルスター孔に当たって、台車がスイングしない原因。
対策は、ボスの膨れた部分を削って、見てくれ同心円とする。50両、100両となると大変。
ついでに屋根の疑問。
この2両、プレス・パターンが、まるで正反対。ダイアゴナル(対角線)・パネルっていうやつ。
もちろん、奥のオレンジ色の方が正解。斜線が右上から左下となる形で,逆は無い.しかし、頻繁にモデルメーカーは間違う。
そして、サイドのオーバーハングに、大きな差。
これ、リアルなんだろうか。ご存知の方がおられたら、是非ご教示願いたい。
またダークグリーンのADN車(ADN 8182)は、MDC製品(ADN 8057)とは全くの別色。当方所有の資料では"American Car & Foundry 1899-1999"のp205に実車(ADN 8134)の写真があって、地色もエンブレムの色差しもMDCが合致。E&Cの方が後年の製品なんだから‥‥。
ところで、オレンジのGWF車は、妻面の表記に注目。極小のレタリングで"FREIGHTMASTER"とある。これが実物通りなら凄い。
じつは、エンド・オブ・カー・クッション(EOCC)のブランド名。車端だけで機能する、多くの方が抱くクッション・カプラーのイメージ。
ハイドラ・クッションや、初期のショック・コントロールのようなスライディング・センター・シル・クッション(SCSC)ではない。
この方式を1960年(?)、最初に採用したのがHalliburton社のフレイトマスター。
まず、Car Builders' Cyclopedia 1961年版p653。
次に1966年版p681。
両者には明確な違いがある。それは、本体の下部に覗いている戻しバネ、return spring。前者は長めの1本で、後者は短い3本組に変わった。フレイトマスターでは後者の一式をrestoring mechanismと呼んでいる。
たぶん前者は、1本を圧縮と伸張に使う。
後者は主に圧縮。ピストンが真ん中=標準の位置でバネに初圧を掛けている。
前者ではバネが頻繁に折れたとか、標準位置で細かく揺れ過ぎたという問題があったんだろうな。ははっ、妄想。
とにかく、このバネが無いとクッション・カプラーとはならない。一度、ピストンが片方に寄ってしまうと、次に同じ方向に力が加わったときに、クッションが働かない。これはスライディング・センター・シル・クッションSCSCも同じ。
ところで若い頃、戻しバネの無いクッションに関わった。
某地下駅の油圧式車止め。次は京急大師線、小島新田駅(2013-10-12撮影)。メーカーが一緒。
そう、滅多に機能するものではない。
動作してしまったときは、手動ジャッキで元に戻す。40年ほど前の話。今は進歩しているかもしれない。
えっ、若造の役割? 電鉄会社には電気屋や土木屋はウヨウヨいるけれど、機械屋は貴重。雑用が全て回ってくる。
要は、メーカーのスペックなどを噛み砕いて、社内への解説。驚いたのは、ノーブレーキでブツカったら、受け止められない設計。車両に非常ブレーキが作用していることが前提。それに車両の緩衝器も考慮。まあ、図体がデカいったって、非力。この件で全車の非常ブレーキ性能を把握。
えっ、性能試験に使った車両? なんとか1300系の4連。一番重くて、潰れても構わない車っていうこと。時期が知れちゃうかな。某天王寺で事故のあったあとか。ただ、立ち合いは上司。残念!
モデルはCascade Green Foreverに展示。
【追記】オレンジのGWF車が収めてあったパッケージの一部が残っていて、メーカーがヒューバーツHubert'sと判明した。これは意外。屋根板のプレスパターンといい、改良されていた理由を納得。2015-03-15
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