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2015/03/14

エアースライド・ホッパー(4)2ベイ車の増備

Reworking Walthers' models of GATC 4,180cu.ft. Airslide covered hopper car

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 ウォルサーズ社のカバード・ホッパー、エアースライド・2ベイ車を2両、増備した。理由は、手持ちのBNグリーン車の存在を際立たせるため、っていう見え透いた作り話。
 ネットオークションであまりの安さに応札しておいたら、たまたま落札できただけ。グレーのワンダー・ブレッド車が完成RTR品。キット時代は問題があったので、どうなっているのか、という興味。【画像はクリックで拡大】

 それが車体と床板の固定方法。

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 外してみると、床板の落ち止めは、従前通り全く無し。それなのに、2室空気ダメは、床板と車体に跨らせて接着。床板を抜けば、当然、この空気ダメは脱落。
 キットの頃から進歩が無い。残念。

 そこで、車体側板下部となっている一端を床板下面に変更すべく、2.2mm厚プラ板積層の枕を噛ます。

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 クリーム色のCSX(SBD)車は、オリジナルの空気ダメを失っていて、適当なストックを所定位置に2mmプラ丸棒で貫通固定。タッチアップ塗装は、国鉄スカ色クリーム。

 床板の抜け止めは、0.5mm厚の小片を、車体中央両側2か所に貼付。

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 ついでにBNロゴレス車の四隅ステップを補作。これBエンド寄の2か所。結構複雑な造形になっているけれど、この程度。左がオリジナルで、右が修理品。

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 車輪は、33インチのプラ製を、100トン積みの実車に倣って36インチの金属製に交換。台車は軸距が20.6mm(≒5'10")で、100トン用。カプラー高さは低めだったから、ちょうどとなった感じ。
 なお、ウォルサーズのこの時代、ピボット穴にトラック・チューナーでの修正は必須。

 カプラーは、バックマンEZカプラー取付済み。ナックルの線バネが珍しく無事だったのでそのまま。

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 BNグリーンの2両はかつて紹介していて、ラージロゴがウォルサーズ社のストックで、ロゴレスが当方の塗り替え。塗料は、少し黄味がかったScalecoat II。デカールは寄せ集め。
 資料は、MR誌1990年6月号のDave Bontrager氏の記事。車番も踏襲。ここで、こんなスキームが存在することを初めて知った。(Freight Car Projects and Ideasに再録)

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保有を忘れていた。台車がバネ可動式の初期製造ロット 2015-06-15 

ところで、MR誌への広告は、まず1986年10月号裏表紙に6種。

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 次に翌1987年4月号も裏表紙で、早くも第2弾6種。

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 さらに、同年11月号p148で、第3弾6種。「リジットとスプリングの両方の台車を含む」と書いてあるからお得! ここでスプリング可動台車と決別したようだ。

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 人気が沸騰したんかな。
 1986年12月号の製品紹介では、組立上の注意点を含めて微に入り細に入り。ただし、床板取付の件は触れられていない。

 実車の概要はアメリカ型鉄道模型大辞典「エアスライド」を乞うご参照。この4,180cu.ft.タイプの製造は1962-1980年で、5,090両。
 次図は、Car and Locomotive Cyclopedia 1984年版に掲載されているプレートCの4,566cu..ft.車(1978-1985年、973両)。手持ちのモデルと比較して、異なるところが不明。長さをはじめ、高さも幅も一緒と思うのだけれど、どなたか判らないだろうか。
 モデル発売の2年前の出版ということは、まさか、この図から製品化?
 2ベイはこれら2種を含めて全部で4種類が存在するものの、見分けがつかない。

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エアースライド・ホッパー(5) 18/09/29 2ベイ車の再増備
エアースライド・ホッパー(4) 15/03/14 2ベイ車の増備
エアースライド・ホッパー(3) 08/10/07 エトセトラ
エアースライド・ホッパー(2) 08/10/03 エンジニアリング
エアースライド・ホッパー(1) 08/10/02 コレクション

【追記1】奇遇にもタンジェント社から新発売。明確に4180cuftを謳い、製造年で妻板を3種類、作り分けている(同社サイト)。2015-12-24

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【追記2】スケールトレインズ社からも新製品。4566cuftと4180cuftの2種類で、出荷は9月(同社サイト)。ネット上では、ウォルサーズ製は4180cuftだと言っている。
 実車は40年ルールにより退役時期を迎え、一部がタンク・トレインのバッファーカーに転用されたことも注目される理由なのだろう。2016-05-15

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コメント

最近、かなり古いBN車とMKT車を入手しました。床板と車体がすかすかで、四隅のステップも折損していました。0.5ミリプラ板を車体に貼り付け床板抜け対策をして、ステップを1ミリ厚のプラ板から切り出し接着したところで、貴兄のこの記事をふと思い出し出し読み返すと、抜け対策が一緒であることに嬉しくなりました。ただ、ステップはネズミがかじったような不器用のお手本みたいで、貴兄の工作力の高さに関心しきりです。記事にもありますが、タンジェントのハイグレード車を購入するのもよいのですが、古いモデルを探して来て、自分なりのストーリーを考えて工作する方が断然満足(自己満足ですが)できるように思います。

>>わずかな手間でモデルを蘇生できたときの喜びは格別ですね。様々な楽しみ方があってよいのではないかと……【ワークスK】

投稿: 久原賢二 | 2017/12/27 17:13

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