MDCの50'FMCボックスカー(1)
これがそれ(品番433-1030)。写っているのは2.5両分。
実は当方にトラウマ。
アメリカ型を始めたとき、雑誌を参考に勇んで買った。1990年代中頃は3.49ドルだった。
少し考えると理解いただけるが、水平というか、カプラー高さの精度を出すのがスコぶる難しい。説明書は絵に描いたモチ。パーツに添付されたカラー写真のUP車だって傾いている。
加工した1両は、MDCラウンドハウスの50フィート・ボックスカー、FMC double-door。片方は簡単に上手くいったものの、もう片方は、とんでもなく世話が焼けた。次の写真は、ポケットの両脇にノコギリの切れ込みが入っている。そして、ポケットの尻に2本のナベ小ネジ頭。実はこれでポケットを上下に首を振らせている。
車体妻下部のポケットとの競合部分を削ったり、側板内面の床板ストッパーを工夫したりと、考えられないような手も加えた。ちなみに、床板下面のリブを削り取っているのは、36インチ車輪を使おうとした結果。今はもう、そんな無謀なチャレンジはしない。
その後、ポケットを種々買ってみたけれど、これは! というものにはお目にかかれていない。
パーツ・ボックスを引っくり返していたら、ウォルサーズの使い残りも出てきた。
弄っていて、ひらめいた。両端を同時に水平とする治具はどうだろうか。
5mm角の黄銅棒を持ち出して、それに3mm厚のプラ板を2つ接着。そこにポケット・アダプターを輪ゴムで固定。さらにその間に床板を載せる。アダプターと床板との接合部に接着剤を流す。
さすれば、アダプターが“水平”に取り付けられる。どや!
接着剤には強度のでるリモネン。床板がオモリ付だから、接合面は接着中にずっと押し付けられている。輪ゴムでレール方向に気持ち、圧力を掛ける。床板のネジレ(=ローリング方向)には注意。
一晩おいたら、アダプターと床板とに一体感。治具が1つで3両分なので、3晩かかったことになる。
アダプターのフタはネジ止めに加工。フタの添え板として1.5mm厚のプラ板。ゴチャゴチャ言葉で書くより、写真。添え板は、強度アップと、見映えを狙っている。冒頭の写真を見ると、製品のままのブラウンの方は薄くて貧弱。巨大な牽引力が伝わりそうだという感じがしない。
カプラー軸となる小ネジはM2×3で、添え板の厚さで頭を隠す。ポケット上面には小ネジの先がツライチで出ている算段。次の状態で塗装。
そして、カプラー自体を組み込む。次の、上が新しいウィスカー型(#148など)で、下が古い板バネ型(#5など)。
板バネ型は、その動きを妨げないように尻部を削る。これ、オートキャリアーと一緒(過去記事)。ウォルサーズは懲りるという言葉を知らない。
このパーツの発売開始は1985年。MR誌の製品紹介は1986年2月号。説明書によれば、ACF Freight Saverのモデル。
モデルはこれもMDCラウンドハウスの50フィート・ボックスカー、FMC plug-doorで、ミネソタ・ダコタ&ウエスタンが3両。問題は、皆同じ車番という点。MD&Wのデカールを何枚か入手したものの、書体の合うものが無い。どうしよう。
ダークグリーンのシアトル&ノース・コーストを買った切っ掛けは、TMS誌1989年9月号の田村谷宏氏の記事。BNへ移籍されていたからだったが、改番の意欲は失せている。
4年後の"とれいん"誌1993年10月号には、同じ方が岡田宏の名前で同様の解説をしていて、この2つがボックスカー改造記事の雑誌に載った稀有な事例。20年前くらいから何度も読み直しているけれど、"FRP"がFront Range Productsのことだと判るのに数年、"DF2"がエバンス社のブランドだと知るのに十数年、"IPDプログラム"なんて今でも何のことやら。
ボックスカーモデリングは、我が国の雑誌には向かない。
SNCT 1207, Seattle & North Coast
MDW 8091, Minnesota Dakota & Western
【追記1】このアダプターをアキュレール製に取り付けたところ、とんでもない“効能”?に右往左往。続編を乞う御高覧。2015-09-08
【追記2】記事の題名を「ウォルサーズのカプラー・アダプター(1)」から変更した。続きの「(2)」は"ここ"。
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