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2015/04/04

スロール製オールドア・ボックスカー

Coupler-cushionizing projects, part 12: Thrall All-Door boxcar models, manufactured by Life-Like

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 プロト2000で知られたライフライクでも大昔、アリテイにいうと玩具レベルの品揃えだった時代。その中に、ピカイチのモデルがあった。それがこのスロール社製オールドア・ボックスカー。いつの間にか当方に2両が在籍。
 これを何気なく眺めていたら、とんでもない事実が判明した。【画像はクリックで拡大】

 妻面に「KEYSTONE 10"」って書いてある。次画像で四角い板の3行目。

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 およよっ! こりゃあ、クッションアンダーフレーム。
 キーストーンは、サンタフェのショック・コントロールのメーカー名じゃないか(過去記事)。

 実車写真を確認すると、カプラーが少し突き出ている風でもある。こんなモデルにカプラーポケットを用意するのは面倒だし、どうする?

 SPハイドラ・クッションの40フィート車では、カプラーを床板に取り付けたから出っ張りが少なかった。じゃあ、上回りの車体シェルにネジ止メしたら如何に!

 そう、妻板下部にプラ板を接着して厚くすれば、ネジ孔を立てられる。直ぐにやってみた。ポケットはもちろん細身のケーディー#262。

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 SP車よりも1.5mm、前へ出た勘定。10インチっていうんだから、これでも出過ぎなくらい。

 ただし、水平を出すのが大変。削ったり、貼り足したり。強度も少し心配だけど、まあまあかな。ポケットの材質がポリアセタールで滑り易い。ポリスチレンの#242の方がいいかも。

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 この写真の一番左がライフライクの初期製造ロット。妻板を別パーツとして、実物並みに引っ込んでいる。
 真ん中が後期ロット。妻板とハシゴが車体一体モールドとなって評判が悪いもの。プロト1000はこれ。Proto1000
 一番右は、1999年?にウォルサーズが発売したRTRモデル。ライフライク製よりも車体が5mm長い193㎜。

 他に直すところは車高と台車。ウォルサーズ製品よりも1mmほど高くて、履いているのは古い所謂ベッテンドルフ。

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 なお、床板の陽刻が"MADE IN CHINA"で、台車が"TAIWAN"という国共合作。

 床板は心皿が車体高さのオーバーしている元凶。ボルスターを含む車端寄を潔く切り落として、プラ板で作り直し。床板上面には、全長に添え板を貼り付け。使った厚さは皆、1.2mm。

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 台車は、こういう自作ボルスターと相性の良いMDCラウンドハウス製。心皿面は平らでOK。ローラーベアリング70トン・タイプの33インチ車輪。ワッシャ厚は0.8mmや0.5mmを適宜。カプラー高さに合わせたら、1.5mmほど低くなり、台車の隠れ具合がよくなった。

 車両重量に関しては、カプラーポケット間の全長が200㎜だから、NMRA推奨値は140g。初期ロットは添付の鉄板を用いてピッタリ、後期分は30g不足で補重。

MD&W 3000, Life-Like early-production
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GB&W 54, Life-Like late-producton
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MD&W 3049, Walthers, released in 1999?  (Tony Cook's site)
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 ライフライク製品は1975年のリリース(Tony Cook's HP)。後期ロットは1986年以降か(HO seeker.net)。
 このモールドを使ってE&B Valley RR Co.がキットを発売(MR誌1982年6月号p43-46)。

 NゲージではRed Caboose(MR誌2001年7月号p18-20 Intermountain HP)、OゲージはMTHが製品化(WalthersMTH Electric Trains)。

実車の開発秘話がTrainWebに出ている。マククラウド・リバーMcCloud River鉄道のアイデアで1962年にインターナショナル社(ICC、カブースのメーカー)が試作(IRCX 4501⇒PLYX 1000⇒MR 1000)。1967年にスロールThrall社へ40両を発注。
 その後、スロールが大々的に売り出したようだ。なにせ、"THRALL-DOOR CAR"と名乗らせた。Trains誌1967年10月号p9には、end-of-car cushioning装備と書かれている(写真を引用)。

Trains196710p9a

 図面は、RMC誌1978年6月号p49にあるらしい。

 同様のオールドア・ボックスカーを、エバンス社とPCF社が製造。

エバンスEvansは"Side-Slider"と名付けた(trademarkia.com)。Car and Locomotive Cyclopedia 1980年版p118に、図面付で紹介。同社広告と共に見開き2頁という豪華さ。

Evans Side-Slider

 同書1984年版p241には次。

Evans Side-Slider all-door boxcar USLX 50087 Air Pak

 ライフライク製からのコンバート例がMR誌1979年8月号p108-110と、1985年8月号p109-110(後者には、スロール製から普通のプラグ・ドアに改造されたMcCloudのボックスカーも載っている:実車写真)。一ファンによるディテール写真(pbase.com、天井の骨組みは一見の価値)。
 ところで、バックマンのオールドアがエバンスを謳っているけれど、真っ赤な大ウソ。プルマン・スタンダード社製のSR向け(過去記事)。

PCF(Pacific Car and Foundry)社製は、Car and Locomotive Cyclopedia 1974年版pS3-15。キットバッシュは難しいか。

CLC 2035 Columbia & Cowlitz Rwy Co Weyerhaeuser

 1970年代後半には、製材済み木材の輸送にセンタービーム・フラットカーが使われるようになって、オールドア・ボックスカーは消滅。1960年代後半から1970年代までと、寿命は短かった。
 けれど、ファンには人気。実車写真もネットに豊富。例えばRailcar Photosで、"Car Type"に、"Box Car -All Door"のカテゴリーがある。

【追記】エバンスの"Side-Slider"について、Car and Locomotive Cyclopedia 1980年版の情報を本文中に追加。2015-05-30

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