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2015/06/21

MDCの40フィート・ボックスカー(2)

Improving underframes of 40' boxcars w/roof-walk type made by MDC-Roundhouse

 MDCラウンドハウスの40フィート級ボックスカーは、全部で5種類が発売され、うち4種類が古いスタイルの屋根歩み板付だった。 これ、みな同じ床板で、たどってみると3回、構造が変化している。

 手持ちを引っ張り出してきて、再び床板周りを弄ってみた。まあ、どれもガラクタ・ボックスの収蔵品。【画像はクリックで拡大】

Mdc40s2

 床板は、最終がプラスチック一体で、その前にプラスチックとダイキャストの混成、さらに最初のダイキャスト一体と遡れる。

プラスチック一体(1978-2005)

 組立説明書の記載からすると1978年以降となる。2005年は、MDCがアサーンに合併された年。
 この床板は、カプラー高さが1mm強、低い。下シャンクの#27や#147が適合。標準型#5を使いたいときは台車中心ピンに1mmの座金を挟まなければならない。そうすると車体高さがアサーンよりも1mm強、高くなる。適合年代を考えれば2.5mm程度下げたいけれど、構造的に無理なので1.2mm下げるだけで妥協、というのが、しばらく前にお見せしたオレンジのWP車というわけ(過去記事)。

 カプラーの唯一の難点は、復元バネが効き難いこと。ポケットの内幅が7.0mmと、0.5-0.6mmほど広いのが原因。簡単には写真の様に、両内側に0.25-0.3mm厚のプラ板を貼って狭めればよい。

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 次のラウンド・ルーフ車は、これで済ませている。


40' Round Top boxcar, NMRA Convention 1990 (Pittsburgh)

 ところで、この床下周り一式はアサーン製と完全な互換性がある。スッポリ、納まってしまう。
 これをヒントに改造したのが次(写真の手前、奥はアサーン製オリジナル)。車高は改善しない。

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 ウエイト鉄板となる部分をプラ板0.7mm厚で置き換えて、その上に床板全体に1枚のプラ板1.2mm厚を貼っている。出入り口のところにはアサーンと同様の床板抜け止め(1.2mm角棒)を接着。
 なお、この床板のカプラー取付面は切り欠いて1.7mm厚に置換。そこにケーディー純正ポケットをネジ留めしているけれど、前述のように内幅を狭めれば済む話。まあ、試行錯誤の一過程。


40' AAR box car, NMRA PSR's Convention 1984 (Phoenix)

  WP車の前に考えたことは、AAR 1937車の車内高は10フィートで、10フィート4インチのアサーン製よりも4インチ、模型で1.2mm、全部で2.5mm程度低くしたいという思惑。四苦八苦の末、床板両側の縦リブ2mm高をすべて削り落としてその分だけ下げ、1mm強の差を付けた(右と直下の写真で、車体色ブラックのRailfair91車)。

 しかし、工作が面倒で、床下を丸ごと取り換える方がよっぽど楽。我が“美意識”に合わない。他社製への交換は、ステップの床板取付がガン。
 というわけで、今回の1.2mmだけ下げる方法に再改造。いずれにしろ、床板の厚さが、サイドから覗くという欠陥は解消できる。


40' AAR boxcar
, California State Museum, Railfair 1991


40' Wood-Side Boxcar
, NMRA Heritage series, Al C. Kalmbach's Gulch Route (1996)

【詳細逐次解説記事(2017-03-22付)を乞う御参照】

ダイキャスト・プラスチック混成(1963-1978)

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 この構造は、上の説明図の左。床板が2重となっていて、上層がプラスチックで、下層がダイキャスト。
 四隅のステップが車体モールドとなっている点に注目。右のプラスチック一体では床板モールドとなってしまった。

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 ダイキャストはウエイトを兼ねる。いうなれば、アサーンの鉄板と魚骨フレームとを一緒にした形。勘ぐれば、初期のダイキャスト一体用からの流用かもしれない。次の真ん中が当該の組み合わせで、左はプラスチック一体、右はアサーン・オリジナル。

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 これ、カプラーポケットの精度が意外と良好。ただし、取付高さはプラスチック一体と一緒。
 床板を2重とし、ドアを開けて床板面を見せるというコンセプトでは致し方なかったのだろうか。プラ製の床板が薄過ぎて歪んでいるのは努力の表れ。当方のモデルは皆、フィクションだから、これで納得。なおWP&N車だけはプラ床の歪みが大きく、台車中心ピンの横にビスを立てて2層の床板を共締めしておいた。
 車両重量は、金属車輪化とケーディー化を行って115-117gとなり、NMRA推奨値の110gを満足。


40' AAR boxcar, Wreck Pond & Northern R.R. Silver Anniversary (1976)


40' AAR boxcar
, Railroad Modeler & Rail Classics Magazine


40' Horizontal Rib Boxcar, Trains Magazine 35 years (1975)

 リブサイドのミルウォーキー鉄道車についてはここを乞う御参照

ダイキャスト一体(1950-1963)

 そう、最初は、車体からカプラーから、何から何まですべてがダイキャストだった。"Model Die Casting"という社名の基となった製造法。もちろん、モデルを実際に目にしたことは無い。ネットオークションには出てくるけれど、入手しようとも思わない。怖いから(笑) 第一、出品者は皆さん金額的に強気。写真はeBayから採取。"Roundhouse all metal"で検索。

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 これは台車がブラックで、側板に塗装とレタリングがしてあるだけ。その他は購入者に任されている。こりゃあ、色合わせなどが大変。

 例によって、昔のMR誌を検索すると、1950年2月号p67に最初の広告が出ていた。
 バリエーションが示されたのは2か月後の4月号p31で、鋼製車の他、木造車とオアカーが追加されている。1両分が1.65ドルと1.35ドル。

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 6本のセルフタッピング・ネジで組み立て。付属するオートマチック・カプラーは単体で50セントの価値があると謳う。ただし、この時点では台車が別売。

 同じ4月号のp60-62に製品紹介があって、ノッケから"really a honey!"などと、ベタ誉め。「30分以内で組める。初心者には無理」だって。次は、なぜか妻板が塗装済み。
 あれっ、ドアが表面に細かいリブの入ったヤングスタウンYoungstownとなっている。プラスチック・ボディの手持ちが全て格子様のスペーリアSuperior。広告も、eBay出物もスペーリア。写真で見えるだけかな。

Mr195004p61b

 同年10月号ではp5の一頁大広告に出世し、早くもストックカー等を追加して6種となり、さらに台車キット60セント、塗料各色40セント、プライマー25セントなどと、心憎い品揃えを展開。ということは、爆発的に売れたのだろう。後年にプラスチック製でも同じモデルを発売したのは、金型が流用できたから……まさかぁ。
 むっ? 1950年といえば朝鮮動乱勃発。産業界と趣味人にそんな余裕があったのか。

 また、当時のキットはブリキや木製が大半とはいうものの、ダイキャストは0-6-0のスイッチャーを同社自身が1939年から販売していたし、ボックスカーもM. Dake Newtonというメーカーが既に出していた。
 ウケた点は、ビスによる組み立て。言い換えると、接着剤やハンダ付けが不要ということだったのかもしれない。

 亜鉛ダイキャストは我が国でも早い時期からモデルに導入されたけれど、初期製品はシーズン・クラック(経年割れ)を起こして無事なものは滅多に無いらしい。彼の国でもメーカーによっては似たようなことがあったと聞く。ラウンドハウスはどうなんだろう……。いやいや、やはり、怖い(笑)

【追記】理解不能な文章を書き直し。2017-01-18 カプラー取付高さについて誤記訂正。2017-03-23

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コメント

こちらを読み直していて
> 床板の厚さが、サイドから覗くという欠陥
を自分も直していたなぁ と思い出して模型を眺めていました。
と言っても私のことですからお手軽加工なんですけどね。

>>コメント多謝。頭の体操よろしく、あれこれ考えるのはボケ防止にイイかも(笑) 言及された記事はこちら【ワークスK】

投稿: brass_solder | 2015/08/10 11:49

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