アサーン54'PSカバードホッパー(1)
Athearn PS-2CD 4740 cu.ft. covered hopper models: part 1: Improvement of decorated kits
このところ立て続けに4両、表題のモデルを入手した。かつてはディーゼル時代を再現する定番。プロトタイプはプルマン・スタンダード社が1966-1971年に1万3千両以上を製造(RMJ誌1991年1月号p55)。モデルはアサーンによって1971年から供給されている。【画像はクリックで拡大】
もちろん既にグリーンのBN色を何両か保有。しかしネット上で披露したことは無い。理由は、カプラー・ポケット。例の軟鋼薄板のフタを用いる構造が問題を抱えているから。ボックスカーでは全て切り取ってケーディー純正品に取り換えるけれど、こちらは至難の業。
あれこれ弄っていたら、何とか行けそうな気がしてきた。塗装済をそのまま活かして適当に、ってんで、踏ん切りがついた。
(1)カプラー・ポケットの加工
この構造の難点は2つ。フタが外れ易いことと、首振りが不確実なこと。
前者については、軟鋼板の弾性に期待してプラスチック・モールドのツメに引っ掛ける点が元凶。新品ならフタ取付時にツメを削らないように注意すれば、何とか防げる(過去記事)。ツメが甘くなった場合は、小ネジ止めとする手があって、多くの方が採用。ネジ頭が気になるなら低頭ネジがある。
ただ、2.9ミリの軸にM2のネジを切るのが怖くて、当方は心配な個所のみ。
後者の首振り不良は、軟鋼板のサビが原因のことが多い。黒色処理はサビ止めにはなっていない。摺動面を丁寧に磨いてグリースを塗ったり、一部に同封されているステンレス薄板を積極的に使うこととした。【摺動面にグリースではクッ付いてしまうかな。ケーディ社品番231"Greas-em" Dry Graphite Lubricantの塗布がいいかも。2019-02-12
しかし、これだけでは不完全。
ジックリ見ると、ナックル戻しコイルバネがポケットに当たる、というか、引っ掛かる? #5に付属の#232を確認すると、この部分を切り欠いている。次写真の赤丸の箇所(天地が逆)。ならばということで、同じく1ミリほどを切り取ってみた。当然、首振り角度が増えるはず。コイルバネが外れなくなるかもしれない。
加えて、板バネの#5を避けて、トラブルの少ないウイスカー・タイプ#148を使う。
ちなみに、新しい#242スナップイン・ポケット(拡大写真手前)は上下コンバーチブルで、全体の長さ自体が短い。
カプラーの回転軸の太さが、純正ポケットは3.2ミリで、アサーンは0.3ミリだけ細いことも影響していそうだが、改良は面倒。
カプラー高さは、台車中心ピンに平ワッシャを噛まして調整。
これでしばらく様子をみるつもり。もし経験された方がおられたら、助言を頂けるとありがたい。
(2)ウエイトの追加と加工
重量のNMRA推奨値は、車体長188ミリなので133グラム。不足は20グラムとなり、水性コーキング材を揮発分5グラム追加で凹みに詰めた。(過去記事参照)
次写真のダークブルーGolden West車は近年のRTR製品。鋼板が厚手となっていて138グラム。カプラーを含めて、このまま。車輪も100トン車に適合の36インチ(10.5ミリ径)金属製を履いていた。他の3両は33インチ・プラスチック製を36インチ金属製に取替えた。平ワッシャは3ミリネジ用の0.8ミリ厚とした(内径3.3ミリ,外径10ミリ).
ウエイト取付は焼きつぶしが指示されているけれど、心許無いのでネジ止め。もちろん、鋼板は塗装。このあたり、55'ACFカバードホッパーと同じ。(過去記事)
(3)台車中心ピンのメネジ孔延長
一部で、台車中心ピンのメネジ孔が緩くなっていた。また、平ワッシャを挟んでもいるので、裏打ちよろしく、その上側に1.5ミリ厚の円板を接着している。
あと、折れたステップは、1.2ミリのプラ板から切り出して接着。リモネンを使うと強固(のはず)。
カプラーポケット横の突っ張り棒(?)が折損しているものがあるけれど、無くても機能的に問題が無いし、誰も気が付かないので、そのまま。
ところで、Lサイド(手ブレーキハンドルを背にして左側)の側板下部に通っているブレーキ管は、Rサイドのエラー。10数年前、NAPMの鈴木俊一氏に教えられて愕然。現在はタンジェント・スケール社から素晴らしい製品(同社サイト)が発売となっているので、間違っても付け直そうなどと考えてはいけない。
RTR製品のGolden West車は、屋根上にもレタリングされていて、嬉しくなる。これ、歩み板上から見た注意書き"Caution, No Side Ladder"。けれど、"CUFT 4427"の標記にはギャフン。
ライトブルーのRFP車は"NEW 4-80"。1980年4月新製ってこと。このPS-2 4740ではありえない。
うぅぅむ。人生、修養、修養。目くじら立てずに、美しいデザインを素直に楽しもう。
コレクションは"Cascade Green Forever!"に。
えっ、BN車を見せろって?
うぅぅむ。デカールが・・・・。
【追記】MR誌の2013年10月号p28-30に、このアサーン製カバードホッパーのカプラー鋼製フタをネジ止めとする記事があった。下孔をあけてタップを立てる治具にA-LineのBulls Eye Drill & Tap Jigを使うのだという(MR誌のサイト、A-Lineサイト)。
それ以外は、ケーディー#5を使う場合にセンタリング用板バネの2つの"nub"を切れといっている。
こりゃあ、ドリル刃の原理もケーディーの基本も何もわかっちゃいないな。あちらではヤクルトを売っていないのだろうか(笑) 同じ治具をMicro-Markも売っている(同社サイト)。2018-03-23
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コメント
初めまして,「TP」毎回拝読致しております。「アメリカ型」のコラムの頃からのファンです。さて,私もAthearnのブルーボックスを手つかずでだいぶもっており近年仕事の合間に完成させています。前置きはさて置き,貴殿がこのコラムで「カプラーの回転軸の太さが、純正ポケットは3.2ミリで、アサーンは0.3ミリだけ細いことも影響していそうだが、改良は面倒。」とお書きになっていましたが私も同感で昨年「ポン知恵」でアサーンの回転軸に「ヤクルト」のストローをかぶせました処,少しのガタつきで許容できました。参考になればと思いまして…。御連絡まで。
敬具
碓井民朗
https://www.sumai-surfin.com/member/wmbbs/wmbbs.php?s=0&b=50&o=532
※上記URLは私が2回/月に書いていますコラムです。御覧戴ければ幸いです。
>>ご愛読ありがとうございます。掲示板の方には何度か発言を頂きましたね。
ヤクルトのストロー、グッド・アイデアです【ワークスK】
投稿: 碓井 民朗 | 2016/04/10 11:11
いつも大兄のコメント拝読しております。
最近アサーンのCVDHOP入手されたとのことですが、入手ルートをご教示いただけませんか。
当方、ビギナーのCVDHOPファンです。
ぶしつけな質問で恐縮です。
>>カバード・ホッパーをお好みとは、御同慶の至りです。
本文中には書きませんでしたが、これらは中古品、どちらかといえばクズです。何も秘密の入手ルートを持っているわけではなくて(笑)、模型店々頭(Pillsbury)、日本のヤフオク!(Acord, RFP)、アメリカのセカイモン(Golden West)です。このセカイモン、出モノが多く、場合によってはソコソコお得です。私の狙い目は難有りの捨値品。マメに見ていく必要はあります【ワークスK】
投稿: 久原賢二 | 2016/05/01 06:11