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2017/01/08

アサーンの40'アイス・リーファー

How to assemble Athearn's 40' ice-reefers, longevity products.

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 このキットを30年前に初めて買ったときには、構造に感心したものだった。
 屋根と妻板を塗り分ける方法として、確かに合理的。ただし、万人向きとは言い難く、メーカーの意図通りに組まれたモデルには滅多にお目にかかれない。当方の購入したカナダ・ドライ車も、可動式ハッチを壊した上に、ドア上部無塗装の不自然さが気になって、長く放置状態が続いた。台車等の下回りを他へ流用する必要もあったし……。【画像はクリックで拡大】

3035785256_1e651bee54_o2見直しのきっかけは10年前。ケーディーが発売したウィスカー・カプラー。この新設計のポケット(#242)が測ったようにピタリと納まって、妻板が具合よく固定できることに気が付いた。もちろん、当方がボックスカーで採用している方法(過去記事)を採っての話。右はキットに添付されている組立説明図。

【この間、筆者は20両ほども弄ってきたので、以下の加工方法が“当たり前のこと”という思いが強すぎ、上手く説明ができない。そんなわけで、この記事は長く書き掛け状態だった。同好の士のご参考に幾ばくかでもなればと公開するものの、舌足らずな点はご容赦願いたい】

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 カプラーポケット上部へ差し込まれる妻板下部のツメは、切り取る。

 床板は、ウエイト鉄板の代わりに接着する1.5mmプラ板との間に0.5mmほどの隙間ができてしまうので、カプラーポケットをネジ止めする部分に、その厚さのプラ板を貼り付ける。

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 そして、アサーン名物の魚骨フレームに注目していただきたい。
 次の写真の真ん中がリーファー用で、一番奥が40'ボックスカーからの流用。機器配置の左右が同じ様に間違っている。また不思議なことにブレーキ動作弁が無い。ただし、ブレーキ・テコを表現している。
 手前は、左右を正しく入れ換え、プラ小片をブレーキ動作弁に見立てて接着。さらに、アキュレール製のブレーキ・リギングを追加している(ボックスカーの過去記事を参照)。

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 次は、カプラー左右のボスを折ってしまった場合の修理方法。妻板に5mm角プラ棒を接着して、床下から小ネジで固定する。

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 キット添付のウエイト鉄板を床上全長に貼り付けると小ネジの先が支障するので、フラットバーを短く切って車体中央にセット(もちろん、厚手の両面テープで)。重さはNMRAのトレーラー推奨値を確保できる40グラム(以上)がお勧め。

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 このキットのもう一つの難点が、ドア上部のヒサシの差し込み。屋根と側板の金型抜き勾配が逆なので、後者を割ってしまうことがある。次はその例で、欠けた小片を後から接着。

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 これを防ぐために、前もって側板の差し込み部を、車内側が広くなるようにテーパー状に削る。

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 注意すべきはサンタ・フェ車。左右の絵柄が異なり、手ブレーキ・ハンドルを背にして左(Lサイド)が列車名で、右(Rサイド)が地図となるように組む。説明書には書かれていない。

 屋根上のハッチは、可動式がウリ。密閉や全開、半開の状態を選べる。半開はノコギリ状のラッチによって保持され、通風車代用を表現する。ただし、このままでは壊れやすく、紛失し易いので、密閉状態での接着固定が必須。
 中古品はこのハッチやラッチを失っていることが多い。昔は別売されていたけれど、今は入手できないので、プラ材で適当に補作する。当方は、ハッチ本体に0.5mm厚の板材、ヒンジは0.8×0.5mm程度の帯材、ラッチは1mmの角棒を使った。

 塗装のタッチアップをいとわないなら、ドアの上部と、手ブレーキ・ハンドル、屋根上ハッチを周辺の色に合わせて筆塗りして完成。

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 上の写真で、ブルー屋根車の左は製品の通りに組んでいる。同一車の右はラッチを補作した。ブラウン屋根車は、ハッチとラッチを全てプラ材から作って色合わせ。

このキットについて、"とれいん"誌の1999年5月号で松本謙一氏が微に入り細に入り解説されているけれど、当時、同誌がアサーン製品の輸入事業を始めたという事情を加味して読む必要がある。

 プロトタイプの同定は、スチール・サイドがPFE(Pacific Frout Express)のclass R-40-23で、ウッド・サイドの方は同じくPFEのclass R-40-24ではあるものの“近似”ということになっている(一ファンのサイト)。断熱のことを考えれば、ドアの背丈は低いほど好ましくて、これらは高過ぎるか。

 キットの発売開始は、スチール・サイドが1958年で、ウッド・サイドは1970年とだいぶ遅れた。構造は全く一緒。四隅のステップが少し大きい程度。
 すなわち、半世紀以上も前な訳で、中古市場に出品されたとしても特段の懐古趣味をお持ちでないのなら、避けるべきモデルといえる。アサーン自体が、スケール指向の普及ブランド"Ready to Roll"から格下げして、前時代指向ブランドである"Roundhouse"へ押し込めてもいる。
 アキュレールやインターマウンテン、MTH、アトラス、ウォルサーズ等々、キットでも完成品でも、価格を含めて遥かに優れた製品が出回っているし、まあ、こだわりのあるボクらの邪魔をしないでね、という……(笑)

AT&SF the Chief (中古品を組み直し)

AT&SF the Texas Chief (中古品を組み直し)

AT&SF El Capitan(大破品の復旧)

AT&SF the Scout (中古品を組み直し)

SP(パーツ供出品の復旧)

Carnation Milk, early production

Canada Dry(破損品の修理)

 以下はファンタジーモデル。

NMRA Convenntion, 1976 Chicago

NMRA Convention, 2010 Milwaukee (完成品)

NMRA Heritage, Hollywood & Western

Columbia Gorge Line

Coca-Cola, Happy Holidays (完成品を組み直し)

Coca-Cola, It's the real thing (完成品を組み直し)

Pepsi Cola, Be Sociable, Have a Pepsi

Conway Scenic R.R., 30th anniversary

 ウッド車のドアが目立たないので、SPとカナダ・ドライは筋彫りを加えている。

【追記】写真と説明を追加。2017-01-14

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コメント

この貨車、全く想定外にしか組み上がりませんでしたね、特にカプラーの高さはでたらめも良い処で。当時は腹立たしかったですが、今となっては懐かしい思い出と言うことにしておきます。黄色いビルボードリーファー、シンプルだけどいい感じですね。

>>当時の製品はどれも不完全。中でもこれは酷かった。それがパーツや接着剤などの進歩でマトモに組めるようになった頃には市場価値が霧散とは皮肉ですね【ワークスK】

投稿: 松本哲堂@風雅松本亭 | 2017/01/09 17:02

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