MDCの50'ハイキューブ・ボックスカー(2)
MDC/Roundhouse 50' hi-cube flat-roof series boxcars, typical FOOBIES
このところ、あちらの掲示板で頻繁に目にする単語が"foobies"。残念ながら、手持ちの辞書はおろか、ネットのWeblioにも、英辞郎にも出ていない。検索したら"Urban Dectionary"というサイトにあった。「フービーズ」と読むようだ。
今回は、典型的な“フービーズ”と呼べる、MDCラウンドハウスの50'フラットトップ・ボックスカーを弄る話。【画像はクリックで拡大
以前、これのクッション・カプラー化したBN車3両をお見せしている。そう、MDCへの愚痴を聞いていただいた(過去記事)。今回はそれとは異なり、カプラーそのままの安直な加工。
(1)カプラー・ポケットの改良
同時期の他のMDC製品も、なぜかポケットの内幅が広い(過去記事)。両内面にプラ帯0.25×1.5ミリを貼り付けて、狭める。外側には0.5×3ミリ(または0.5×2.5ミリ)を貼って、フタの回り止め。またナックル・コイルバネの逃げを切り欠く。取付用小ネジはM2×6を使い、下穴を1.6キリで貫通させ、タップを切る。
あとは、プラ板部分を黒の筆塗り。本来なら床板全体を吹き付け塗装して、プラの質感を消したいところ。カプラー自体は、ケーディーの古い#5でも、新しい#148でもオーケー。
(2)床板の抜け止め
これ、結構緩くて、ときどき落としてしまう。念のために抜け止めを設ける。といっても、単にプラの小片を側板内側の下部に接着するだけ。薄すぎると効果が無いし、厚すぎると取り外しにくい。当方は0.7mm厚を使っている。
床板を填め込んだ状態で接着するけれど、そのままでは接着剤が滲みていって床板までくっ付いてしまう。で、小片が動かなくなった頃合を見計らって車体側板を拡げて“離す”。しばらくしてまた拡げる。
白のままとしている理由は、「ここに抜け止めがあるよ」という目印。しばらく弄らなかったら忘れそう。ただし写真のモデルは、少し下から見上げたときに小片の厚さが白く見えないようにと、黒く塗ってみた。
(3)車輪の金属化
もちろん、インターマウンテンの徳用パック33インチ車輪。これがドンピシャ。
台車中心ピンはユニファイ・ネジの2-56(外径約2.1mm)、長さは8-10mm程度。下穴を1.6キリで貫通させておいてセルフ・タッピングで回り止め。アサーン用と同じもので、我が国でもネジ専門店で入手可能。製品添付の木ネジは、弛みそうで気に入らない。
カプラー高さを出すために、適当な厚さのワッシャを噛ます。M3用の0.5-0.8mmで間に合うはず。
(4)ウエイト鉄板の塗装と貼り付け
鉄板は精神衛生上から塗装。むろん、金床上で叩いて平面を出し、サビ落とし、脱脂、プライマー、塗装とプロセスを踏んでいる。塗料は例のプラ用ラッカー。貼り付けには両面テープを使う。ホームセンターで売っている一番高いやつがお奨め(今回はニトムズ高強度超強力両面テープ)。鉄板全長にわたって貼り付けて、プラスチック床板のユガミを矯正する。幅20mmを縦に半分に切って、写真の様に貼っている。
(5)手ブレーキハンドルの反転 2020-12-07追記
Bエンド妻板に取り付ける手ブレーキのハンドルは、次写真の左のように表面がノッペリとしている。たぶんこれは金型の都合で、本来は裏表が逆。軸を付け替えて反転すると右のようにスポークらしくなる。欲をいえば根元にベースをコシラエてやりたい。そして車体色に塗ると違和感がなくなる。四隅のステップstirrupも床下の黒色ではなくて車体色の方が落ち着くと思う。
……と、新しめのメーカーのモデルを撮影していたら、気が付いた。すべてのハンドルが表面が平らになっている! MDCはこれを狙ったんかな? 2020-12-16
以上で出来上がり。
実車と比べなければ、ディテールにこだわらなければ、十分に美しいし、おまけに壊れにくい。走行性能なんかは新製品と同等。まあ、モデルに求める嗜好に依る。
例によってコレクションを披露させていただく。
C&O/Chessie, outside braced
C&O/Chessie waffle-side
D&H waffle-side 2019-01 追加
D&RGW, Rio Grande the Action road
UP, We can handle it.
あとの6つはファンタジーモデル。側面が平らで大きいから意匠印刷にはウッテツケ。
Topeka Railroad Days, 1994
Carstens Publication 1979
National Model and Hobby Show, 2000
Rotary Club, Newton, NJ 2020-12追加
NMRA 60th Anniversary, 1995
おっと、“フービーズ”の話の続き。"foobies"は、"fake boobies"という言葉を縮めたものだそうな。じゃあ、"boobies"は? これが「女性の胸」の意味だって! "fake"は、「見せかけ」。だから、「フービーズ」は、「偽りのオッパイ」となる。我々の世界で使われ出したのは数年前で、もちろん指すのは、捏造されたり、虚偽や贋造、虚構のモデル。 ただ、年少者用のトレイン・セットのように明らかなマガイモノではなくて、一見すると実在を信じ込んでしまう迫真性がミソ。そんなもの、20世紀には当たり前。そればかりだった。一々指摘していたら、買う模型が無くなった。我々には免疫がある。
えっ! あなた。フービーズに惑わされて、ベターハーフを決めた?!
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コメント
フービーズですか、、、やっぱり「ファンタジー」と言う表現が好きですね。「フェイク」と言われてしまうと、なんだか悲しくなってしまいますので。
>>確かに嘲笑を込めて使う奴が多いですね。ただ、ある掲示板で、"I love both boobies and foobies."って茶化したら、少し風向きが変わりました。まあ、愛着を持っている者もいます。
ここ10数年の間に世界は全く別のものになってしまいました。情報が潤沢となり、実車に忠実なモデルが続々と発売されています。その結果、中国製造といえども価格は高くなり、予約しないと入手できない状況が一般的です。輸入に輸入を重ねざるをえない我が国のアメリカ型趣味は極端にいって“死に掛って”います。
まあ、それに抗い、我が道を行こうというのがこのブログでして……(笑) なお私は、これらのモデルを“プロトティピカル”と考えています【ワークスK】
投稿: 松本哲堂@風雅松本亭 | 2017/01/23 22:09