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2017/04/15

アサーンの40'グレイン・ボックスカー

Coupler-cushionizing projects, part 20: Reworking of Athearn 40-foot grain loading boxcars, 1 Roundhouse new model and 4 Blue-Box second-hand models

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 アサーン社は2015年7月にブランドを再編成して、"Ready-To-Roll"の一部を"Roundhouse"へ移した。それらはブルーボックスと呼ばれる昔の看板製品だったから、競合していたMDC社のブランドでは違和感を覚えたものだった(高級路線がジェネシスGenesis、普及路線がRTR=Ready-To-Roll、前世紀レベル路線がRoundhouseといったところ。掲示板

 そんなこともあって、新しいラウンドハウスを手にするまでに2年が経過した。それがこの40フィート穀物用ボックスカー。真ん中のプラグドア上部に投入口が2つ付いている。【画像はクリックで拡大】

 モデルの構造はRTRとなったときに変更されたままで、単に名前が変わっただけ。よって、車高が昔のブルーボックス時代よりも約1.5mm高い。次の写真をご覧になれば、手直ししたい気持ちをお判りいただけるだろう。ただ、同様のモデル数両を手掛けた経験では、なかなか手ごわい。

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 どうしてこんなことになったのかといえば、カプラーにマクヘンリーMcHenryの標準型を採用したから。ケーディーの#5と同じで、高さが1mm程度下がってしまう。当初は解放ピンをひん曲げたものがあった。で、単純に車体を持ち上げたわけ。

 1.5mmプラスの内訳は、新設計の台車のレール面上心皿高さが7.8mmで、0.6mmのアップ。そして、車体ボルスタ(魚骨フレーム)の厚さが5.0mmで、プラス0.8mm。その他はウエイト鉄板貼付用の両面テープで若干、てな具合。

 過去の改造は、台車と魚骨フレームを共に流用したかったので、床板の構造が複雑になり、接着変形も起きた。
 今回は幸いにも、旧製品の魚骨フレームを利用できた。これで、0.8mmがチャラ。
 そして鉄板ウエイトの1.5mm厚を、プラ板の1.0mmとすれば、0.5mmが吸収できる(過去記事)。併せて魚骨フレーム上面を少し削って、なんとか許容範囲に収まった。床下機器はサイドからチラリとも見えない。

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 台車はシルバー色をしていて金属車輪付きだから貴重。カプラーには間座(シム)0.5mmが必要で、クッション仕様のポケット伸張タイプを取りつけた。魚骨フレームと一体モールドの機器は例によって配置を左右反転。床板の抜け止めを追加している。

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 古いブルーボックスと較べれば、さすがに印刷が見事。車体の金型は変更無しのはずが、屋根歩み板の妻部支えが突出していて、欠けないように注意。

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プロトタイプは、ユニオン・パシフィック鉄道のグレイン・ローディング・ボックスカーで、ダブル・プラグドアが特徴。その右側の上部に穀物投入口"grain access door"を備えている。ボックスカーによる穀物輸送の最終形態。1965年から、BF-50-1、BF-50-2、BF-50-3が50トン積みで4,000両以上を自社工場改造だという。1973-1974年のBF-70-10とBF-70-12は70トン積みで計200両。

 問題は、ハシゴの長さと、手ブレーキハンドルの位置。
 ブラウン色は1966年改造のBF-50-2を名乗っているので、屋根歩み板が取り付けられた後に撤去された姿のはず。しかし、Aエンド(次写真)の妻面ハシゴが全高となっている。

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 イエロー色は1973年出場のBF-70-10なので、当初より屋根歩み板が無い。よって、手ブレーキ・ハンドルは次写真のような上位置では無くて、下位置。ハシゴはすべて下半分でなければならない……といったあたりが巷間の取沙汰。

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 当方の関心はリベット。溶接が一般的となったこの時代での採用理由を知りたいもの。また、各パネルの真ん中にリベット1列追加ということは、この裏に間柱が入っている。積み荷の膨らめ圧力を考慮したか。
 模型の四隅が丸くない点は気になる。"W corner post"の時代なんだけどなあ、と、訳知り顔。

 ついでに手持ちの4両にも手を入れた。


UP (BF-50-2) 実車に最も近い。黄地に赤玉は何かの試験車を示しているらしい。


UP (BF-70-10) カプラーのクッション化くらいで済ますのが無難。


Soo Line 1964年にFond du Lac工場で組み立てた200両は、70トン積みの50フィートで、エクステリア・ポスト。


NP コンビネーション・ドアなら存在したのだけれど……。


GN 1967年に、スムーズ・サイド225両と、エクステリア・ポスト200両を40フィートで新造。ただし幅広10'のシングル・プラグドアで、投入口は大きいものが1つ。

 他、CB&Qは、ダブル・プラグドアでエクステリア・ポストの50フィート。ATSFとCPは、40フィートでUP車と似ているけれど、プラグドアがシングル。

 ことほど左様に製品は、実車との乖離が悩み。手を出さないのも一興。厳密にチェックすれば、買うものが無くなり、全てを自作しなければならない。程々で折り合いを付けるのが現実的。ただ、その心境にたどり着くまでに歳月が……(笑)

>>Cascade Green Forever!

 グレイン・ボックスカーは1960年代に登場し、1980年代前半で消滅、あるいは転用となった。資料はKalmback社2015年刊"The Model Railroader's Guide to Grain"p61-62。モデルはTony Cook氏のサイトで解説。
 併せて、当ブログの「ディテールズ・ウエスト製ボックスカー(3)」をお読みいただくと、ボックスカーでの穀物輸送を御理解いただけると思う。また、「ボックスカーのルーフウォーク撤去作戦(1)」も乞う御一読。

【追記】クッション・カプラー化したモデルを製品のパッケージへ戻してみた。カプラーが引っ掛かると思いきや、余裕で納まった。メーカーの想定に入っているのかもしれない。もちろん、これでは収容効率が悪いので、パッケージは捨てる。2017-04-16

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