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2017/04/18

ライオネルHOの40フィート・ボックスカー

Lionel's HO scale novelty three boxcars, released in the 1970s

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 昨年末のクリスマス商戦で、ポーラーエキスプレスの蒸機と客車を発売したのがライオネル。3線式Oゲージの同社がHOゲージを出したと話題となった。実は過去に3度、参入していて、その都度撤退。今回紹介するのはその2回目、1970年代に発売されたモデルで、当方の「ファンタジーボックス」の範疇。【画像はクリックで拡大】

 当方はギブミー・チョコレートの世代ではないけれど、その次といえる。よって、彼の国は憬れ。羨望だった商品のロゴをまとったモデルもコレクションの対象となっている。

 "Spalding"は「スルディング」と読む。バスケットボール球のブランド。スポーツ音痴にはチンプンカンプン。単独の品番が付いているので、模型店や玩具店に普通に陳列。アディダスやナイキのマークがカッコイイという感覚と一緒。Bリーグがプロ化した我が国ではこれから売り出すメーカーなんだろう。

 1970年前後はボーリング・ブームだった。AMFのマークをテレビでも頻繁に目にした。どういう会社かは知らなかった。考えてみたら、このスポーツはオートメ機械のカタマリ。いうなれば装置産業。利益はブームの隆盛衰退に大きく左右される。
 スポルディングと共に、スポーツ用品メーカー2社だけが、なぜかライオネルの眼鏡にかなった。

 シアーズ・ローバックは、シカゴの超高層ビル、シアーズ・タワーを建設したことで有名。1993年に登った。百貨店と通信販売で発展。このモデルはライオネル自身のカタログには掲載されず、シアーズ・ブランドのトレイン・セットに含まれていた。こんなものを売りつけるとは、シアーズによほどの自信があったのか、あるいは、オマケのつもりだったのか。

 例によって3両はファンタジーボックスで展示。

 ところで、こういうモデルを何て呼んだらよいのだろう。「プロモーション」では販売促進の意味だから可笑しい。「ノベルティ」は、無料の配布物が多いけれど、有料でも呼ばれる。ただ、ロゴの会社自身ではなくて他の会社の販売はどうなんだろう。

さて、モデルの構造。
 車体は、ライフライクの方式。屋根歩み板が一体となっていて、引戸の可動化は上下のガイド共にカギツメで実現。
 下回りは、アサーンとソックリ。鉄板の上下をプラの床板と魚骨フレームで挟み、台車を小ネジで止めている。おまけに機器配置左右の間違いまで一緒。次の写真の奥がアサーン。

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 全体でも完全な互換性があって、当初はアサーン製造と誤解していたほど。しかし、台車中心ボスの径がわずかに大きいなど、微妙に異なり、単純には台車を交換できない。AMF車とシアーズ車の前所有者は車輪の金属“軸”化に四苦八苦。現在は、軸受をスリ鉢状に加工できるトラック・チューナーがあって、簡単。カプラーのボディマウント化も当方のアサーンと同じ手法で可能。

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 このホーンフック・カプラーの向かって右に突き出たレバー?はなんだろう。

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 全体的に眺めれば、車体シェルが玩具レベルで、下回りがアサーンというチグハグさ。特に下回りはコストに跳ね返ったはず。入門者にも、ベテランにも受け入れられなかったんじゃないか、と、ヨシの髄から天井をのぞいて……(笑)

 そういえば、GS-4が牽引するアメリカン・フリーダム・トレインのセットがあった。金型はバックマンが引き継いだのかな。
 1988年の“レール・スコープ”は、車載カメラのハシリだった。ソニーのパスポートサイズ・ハンディカムの出る直前。
 2003-2005年には、UPのチャレンジャーとベランダ・タービンを投入して、その後はMTHが継承。お持ちの読者がおられるはず。

 アメリカ型鉄道模型大辞典に掲載すべき情報が増えている……。

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コメント

アサーンがライオネルからOEM生産を受託していた筈です。ハスラーディーゼルとかも、ライオネル向けに、スノープラウ付の変な格好にしたものをライオネル・ブランドで販売してましたから。高級モデルノートの「アラレを食べて、、、」に出てくる、ジェネラルミルズのお菓子を買ってクーポンと一緒に幾許か送金すると貨車がもらえるってあの企画の車輛も、アサーンだったかグローブだったかの車輛で、ジェネラルミルズはそののちにライオネルを買収しちゃいます。いや~、こうやって改めて文章にして見るとライオネルとアサーンってかなり縁が深かったですね。

>>そうなんです。1957-1966年はアサーンなどの供給でした。1974-1977年は、初期がライオネル自身で、その後がケーダー。2003-2005年はコリア・ブラスだといわれています。この3両は1975年の発売で、魚骨フレームに"LIONEL"と陽刻されてます【ワークスK】

投稿: 松本哲堂@風雅松本亭 | 2017/04/18 05:32

「ホーンフック・カプラーの向かって右に突き出たレバー?」は、車輛上方から連結している車輛同士の隙間にボールペンでも突っ込んで押してやると連結器が解放する、、、とかって目的に使うのではないかと思いますが、違うかな?。

>>台車単体同士でやってみたのですけれど、上手くいきませんでした。もう1両、要りますね(笑)【ワークスK】

投稿: 松本哲堂@風雅松本亭 | 2017/04/18 05:35

こちらにリンクのあるdda40xさんの"Giants of the West"の10年位前の記事(2007年9月6日)に、X2FとX2Eとの違いについての記述がありますが、その記事で見るとヒゲ形レバーの向きがこのライオネルとは逆向きのようです。
このライオネルの向きだと違う用途なのか、それとも同型で揃えて使う分には同様に機能するのかは一瞥ではわかりませんが、なにか関連あるような気がします。

>>コメントありがとうございます。ご指摘のものは"Gathering horn"と呼ばれる部位でしょうか。アメリカ型鉄道模型大辞典の「ホーンフック・カプラー」をご覧ください【ワークスK】

投稿: たづ | 2017/05/15 21:44

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